【時候の挨拶】7月上旬・中旬・下旬に使える表現と例文まとめ
7月に使える時候の挨拶を上旬・中旬・下旬に分けて例文付きで紹介します。時候の挨拶とは、挨拶状やメールの冒頭に用いることで、相手への気遣いや配慮を示す表現です。7月は夏や梅雨明けに関連する言葉を入れると、より季節感のある挨拶になります。
時候の挨拶とは
時候の挨拶の役割、ポイントについて紹介します。
挨拶状・送付状などの冒頭に書く季節の挨拶
時候の挨拶は、季節に関連した言葉を用いた挨拶で、手紙やメールの冒頭に加えることで、季節の変化や相手への気遣いを表現できます。ビジネスからプライベートまで幅広く利用されますが、LINEやチャットなどのカジュアルなコミュニケーションや、急ぎの用件にはあまり適していないため、使う際には注意が必要です。
挨拶状の書き方
挨拶状とは、企業や個人の近況や連絡事項などを伝えるための書状を指します。
挨拶状は縦書き、横書きのどちらでも問題ありませんが、ビジネスではよりフォーマルな印象を与える縦書きがよいとされています。
挨拶状の構成の基本
挨拶状の基本の構成は、「前文」「主文」「末文」「後付け」 「前文」は、「拝啓」などの頭語、時候の挨拶を書く 「主文」は、自分の近況や相手を気遣う言葉などの本文を書く 「末文」は、結びの挨拶、「敬具」などの結語を書く 「後付け」は、日付、署名、宛名を書く(横書きの場合宛名は最初に書く)
時候の挨拶を書く際のポイント
時候の挨拶には、漢語調と口語調の2種類があります。目上の人や取引先などに対し丁寧に気持ちを表現したい場合は 漢語調 、友人や知人などに対し親しみを込めたい場合は柔らかな 口語調 と、場面や送る相手にあわせて使い分けることが可能です。
漢語調
「~の候」「~の折」「~のみぎり」
口語調
「梅雨が明けて、いよいよ夏本番となりましたね。暑さが厳しくなりますが、お元気でお過ごしでしょうか。」など
また、時候の挨拶は、相手に応じて異なる表現を使うことができます。親しい関係であれば、少しカジュアルな言葉遣いを用いて自分の近況や共通の思い出を交えることで、より親しみやすく心のこもった挨拶になるでしょう。
例文
夏の夜空を見上げると、以前ご一緒した花火大会の美しい光景が思い出されます。今年もまた、どこかで一緒に楽しめると嬉しいです。 連日の暑さに、夏バテなどされていませんか。私は最近、涼を求めて水辺を訪れることが増えました。 夏の日差しが眩しい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。最近は夕方の散歩を楽しむことが増え、○○さんと一緒に公園を歩いた日々が懐かしく感じられます。
時候の挨拶には、季節を表す「二十四節気(にじゅうしせっき)」を用いる場合もあります。記事の最後に二十四節気の早見表を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ビジネスで使える7月の時候の挨拶と例文(漢語調)
漢語調の時候の挨拶では、季節を表す表現に 「~の候」「~の折」「~のみぎり」 を付け加えます。ここで紹介する表現は上旬から下旬に分けていますが、実際の天候や地域によって適切な表現を選びましょう。
以下に7月全般に使える表現をいくつか紹介するので、迷った際にはこれらを活用してみてください。なお、「盛夏」は梅雨明け後から使用でき、「猛暑」は7月上旬から立秋前日の8月6日頃まで使うのが一般的です。
時候の挨拶
意味
盛夏(せいか)
夏の暑い盛りの時期
猛暑(もうしょ)
激しい暑さ
※猛暑日は最高気温が35度以上の日
7月上旬の時候の挨拶
「長雨」は梅雨明け前まで、「七夕」「星祭」は7月1日から7月7日まで使用することができます。
時候の挨拶 意味 長雨(ながあめ) 長く降り続く雨 小夏(こなつ) 夏の盛りを迎える前の暑い時期 七夕(たなばた) 7月7日の夜に、短冊をつるして星に願い事をする日本の節句 星祭(ほしまつり) 七夕の時期
例文
長雨の折、貴社におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。 小夏の候、皆様におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。 七夕のみぎり、貴社ますますご隆盛のことと存じます。 星祭の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
7月中旬の時候の挨拶
二十四季節のひとつである「小暑」は、7月7日から7月22日頃まで使用できます。
時候の挨拶 意味 梅雨明け(つゆあけ) 梅雨が終わること 小暑(しょうしょ) 暑さが強くなっていく頃
例文
梅雨明けのみぎり、貴社におかれましてはますますご隆盛のことと存じます。 小暑の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
7月下旬の時候の挨拶
「炎暑」は7月下旬から8月上旬まで、「酷暑」は7月下旬から立秋前日である8月6日頃まで、「大暑」は7月23日頃から立秋前日まで使うことができます。ただし、その年によっては例年より気温が低い場合もあるため、実際の気候にあわせて使うようにしましょう。
時候の挨拶 意味 大暑(たいしょ) 1年のうちで最も暑い時期 酷暑(こくしょ) 真夏の厳しい暑さ 厳暑(げんしょ) 厳しい暑さ 烈暑(れっしょ) 厳しい暑さ 灼熱(しゃくねつ) 焼けつくように熱いこと 甚暑(じんしょ) はなはだしい暑さ 極暑(ごくしょ) きわめて熱いこと 炎暑(えんしょ) 真夏の焼けつくような暑さ 炎熱(えんねつ) 真夏の厳しい暑さ 炎夏(えんか) 暑い夏
例文
酷暑の候、貴社のご清栄をお祈りいたします。 厳暑のみぎり、貴社ますますご清栄のことと存じます。 灼熱の折、貴社のご盛栄を心よりお祈り申し上げます。 甚暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。 炎熱のみぎり、貴社ますますご繁栄のことと存じます。
日常使いができる7月の時候の挨拶の例文(口語調)
口語調の時候の挨拶には、7月特有の行事や表現を用いると、より季節感のある文章になります。以下で紹介する例以外にも、漢語調で紹介した表現を活用することもできるので、ぜひ取り入れてみてください。
7月の時候の挨拶に使える行事や表現
行事・イベント:夏祭り、夏休み、花火、海開き、山開き、七夕、お盆、海の日、土用の丑の日、朝顔市、ほおずき市
花・植物:朝顔、向日葵、睡蓮、サルビア、白粉花(おしろいばな)、ねむの木、さるすべり
食べ物:スイカ、ゴーヤ、冬瓜、枝豆、鰻、土用餅、土用しじみ
その他:風鈴、打ち水、夕涼み、蚊遣り、天の川、梅雨明け、戻り梅雨、夕立、蝉時雨、半夏生
例文
夏祭りの季節がやってきました。にぎやかな雰囲気に心が弾みますが、○○さんはいかがお過ごしでしょうか? 土用の丑の日が近づき、鰻が食べたくなる季節です。ぜひスタミナをつけて、暑い夏を乗り切ってください。 夕涼みをしながら、ゆったりとした時間を楽しむのも素敵ですね。どうぞ心安らぐひとときをお過ごしください。
7月上旬の時候の挨拶
地域によって異なりますが、梅雨は全国的には6月上旬から7月中旬まで続きます。そのため、この期間は雨に関連する表現が多く使われます。雨が憂鬱に感じられることもありますが、ネガティブな表現は避け、できるだけポジティブな内容を意識することが大切です。
7月上旬の例文
雨の合間に見える晴れ間が嬉しい季節です。どうぞ、元気にお過ごしください。 雨上がりの澄んだ空気がとても心地よいですね。この時期は、お散歩に出かけるのもよさそうです。 緑がますます深まり、自然の美しさが際立つ季節となりました。 初夏のさわやかな風が吹き、心も晴れやかになる季節ですね。いかがお過ごしでしょうか。
7月中旬の時候の挨拶
7月中旬には梅雨が明け、本格的な夏が始まります。この時期の時候の挨拶には、夏の到来や暑さに関連する表現を用いるとよいでしょう。
7月中旬の例文
夏本番を迎え、セミの声が響く季節となりましたが、皆様お元気でいらっしゃいますか。 暑さが本格的になってまいりましたが、体調にお変わりはありませんか。 夏の夜空が美しい季節となりました。星を眺めながら、ゆったりとした時間をお楽しみください。 風鈴の音色が夏の涼を届けるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。 向日葵が青空に映える季節となりましたね。どうぞ心晴れやかにお過ごしください。
7月下旬の時候の挨拶
暑さが厳しくなる7月下旬には、夏らしい表現に加えて、相手の体調を気遣う言葉を添えることで、より心のこもった挨拶になります。
7月下旬の例文
梅雨が明け、夏の日差しが眩しい季節となりましたね。どうぞお体には十分お気をつけてお過ごしください。 連日の猛暑が続きますが、夏ならではの楽しみを見つけて、くれぐれも体調にご留意の上、お元気にお過ごしください。 夏野菜が美味しい季節となりました。旬の味覚を楽しみつつ、どうぞ健康にご留意くださいませ。 夜空に咲く花火の美しさが、夏の夜を特別なものにしてくれます。暑さに負けず、どうぞご自愛ください。 夏休みが始まり、子どもたちの元気な声が響く季節となりました。楽しい思い出がたくさんできますよう、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
7月の結びの言葉
結びの言葉にも季節を表す言葉や相手を気遣う言葉を入れると、より丁寧で温かみのある文章になります。ただし、時候の挨拶と内容が重複しないように注意しましょう。
ビジネスで使える結びの挨拶の例文
盛夏のみぎり、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 暑さ厳しき折柄、貴社の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。 梅雨明けとともに、貴社のさらなるご繁栄をお祈りいたします。 暑さが本格化するこの時期、貴社の皆様のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。 連日の暑さが続いておりますが、皆様が健やかに過ごされますよう心より願っております。
プライベートで使える結びの挨拶の例文
厳しい暑さが続きますが、どうぞお体に気をつけて楽しい夏をお過ごしください。 夏の夜空に輝く星々を眺めながら、心穏やかに過ごされますように。 夏の日差しを楽しみつつ、どうぞ健康に気をつけてお過ごしくださいませ。 夏休みの計画は進んでいますか?ぜひ素敵な思い出を作ってくださいね。 暑さでお疲れになった際には、ぜひ我が家へ涼みにいらしてください。冷たい飲み物を用意してお待ちしています。
おまけ:二十四節気早見表・挨拶状の適切な時期
二十四節気早見表
時候の挨拶で使える1年の二十四節気を紹介します。
なお、二十四節気は旧暦の太陰太陽暦が基準となっており、実際の気候とは異なる場合があるため、状況に応じて使い分けてください。
季節 時候の挨拶(節気名) 時期 春 立春(りっしゅん) 2月上旬〜2月中旬 雨水(うすい) 2月中旬〜3月上旬 啓蟄(けいちつ) 3月上旬〜3月中旬 春分(しゅんぶん) 3月中旬〜4月上旬 清明(せいめい) 4月上旬〜4月中旬 穀雨(こくう) 4月中旬〜5月上旬 夏 立夏(りっか) 5月上旬〜5月中旬 小満(しょうまん) 5月中旬〜6月上旬 芒種(ぼうしゅ) 6月上旬〜6月中旬 夏至(げし) 6月中旬〜7月上旬 小暑(しょうしょ) 7月上旬〜7月中旬 大暑(たいしょ) 7月中旬〜8月上旬 秋 立秋(りっしゅう) 8月上旬〜8月中旬 処暑(しょしょ) 8月中旬〜9月上旬 白露(はくろ) 9月上旬〜9月中旬 秋分(しゅうぶん) 9月中旬〜10月上旬 寒露(かんろ) 10月上旬〜10月中旬 霜降(そうこう) 10月中旬〜11月上旬 冬 立冬(りっとう) 11月上旬〜11月中旬 小雪(しょうせつ) 11月中旬〜12月上旬 大雪(たいせつ) 12月上旬〜12月中旬 冬至(とうじ) 12月中旬〜1月上旬 小寒(しょうかん) 1月上旬〜1月中旬 大寒(だいかん) 1月中旬〜2月上旬
挨拶状の適切な時期や送るタイミング
年賀状や残暑見舞い、お礼、転居などの挨拶状には、それぞれ適切な時期があります。以下を参考にして、相手に届くタイミングを意識しながら準備を進めてください。
挨拶状
時期
年賀状
1月1日~1月7日まで
寒中見舞い
1月8日(松の内が明ける日)~2月4日まで
※一部地域は松の内が明ける日は1月16日
余寒見舞い
2月4日頃~2月末まで
※寒い地域は3月中旬まで
暑中見舞い
7月7日頃~8月7日頃
残暑見舞い
8月8日頃~8月末頃まで
喪中欠礼
11月~12月上旬
※12月後半に不幸があった場合、寒中見舞いで知らせる
シーン別の挨拶状を送るタイミング
お礼状:できるだけ早く(遅くても3日以内) 転居:転居後1ヶ月以内 転勤・異動:転勤や異動前(急に決まった場合は1ヶ月以内) 役員交代:交代から1ヶ月以内 退職:退職後できるだけ早く 開業:営業開始日の1ヶ月~1週間前
まとめ
この記事では、7月に使える時候の挨拶のポイントや、漢語調と口語調の使い分けについて紹介しました。
時候の挨拶は、季節にあった表現を用いながら、相手への気遣いや自分の近況を伝えることができます。ビジネスシーンでは丁寧な印象を与える漢語調を、プライベートでは親しみを込めた口語調を使い分けることも覚えておきましょう。今回紹介した例文を参考にしながら、取引先やお世話になった人へ季節を感じさせる挨拶をしてみてはいかがでしょうか。
「仕事術」記事一覧