Yahoo! JAPAN

いいところを突いてきた、コンパクトBEV・SUV「フィアット600e」

PARCFERME

Stellantisジャパンが2024年9月10日、新型車「フィアット600e」を発表・発売した。1955年に発売された初代フィアット「600」および「500e」をオマージュしたデザインと、最新の技術を組み合わせた100%電気自動車(BEV)のコンパクトSUVだ。

全長4.2m、全幅1.8m以内とコンパクトながら5ドア・ボディを採用し、航続距離のカタログ値は500km近くまで伸びた。585万円と、コンパクトカーとしては立派なプライスタグだが、これまでのコンパクトカーに備わらなかった快適装備の実装にも挑戦している。

サイズは「500X」とほぼ同等

フィアット600eは、初代「600」や「500e」からインスピレーションを受けた丸みを帯びたフォルムを特徴とする。エクステリアにはLEDライトが採用されており、前方のグリル部分にはグロスブラックのアクセントが加えられている。18インチのダイヤモンドカット・アルミホイールにより、スポーティで精悍な印象を強調している。

ボディサイズは全長4200×全幅1780×全高1595mmと、フィアット「500X」よりそれぞれ数cmずつ小さい。2台を並べて見比べるとその差は“誤差の範囲”にしか見えない。同じBEVで3ドア・ボディの「500e」に比べると、幅が10cm、長さは57cm大きい計算になる。

インテリアにおいては、アイボリーカラーを基調とした内装が採用されており、座席にはターコイズブルーのステッチを施したエコレザーが使用されている。丸形のメータークラスターや2スポークステアリングホイールなど、初代600を彷彿とさせるクラシックなデザイン要素が散りばめられている。後部座席を倒すことで最大1231Lの積載スペースが確保でき、日常の買い物からレジャーまで幅広く対応可能できそうだ。

航続距離は「500e」より大幅アップ

フィアット600eには、54kWhのバッテリーが搭載されており、一充電での航続距離はWLTCモードで最大493km。「500e」の同335kmに比べ大幅アップを果たしている。普通充電と急速充電に対応することにより、長距離の移動も可能だ。

パワートレインには交流同期電動機が採用されており、最大出力は156ps、最大トルクは270Nmと、これも500eの118ps/220Nmから大幅アップを果たした。日常的なドライブだけでなく、高速道路での走行にも十分なパフォーマンスといえる水準だ。

充実した運転支援機能


フィアット600eでは、4つの機能が搭載されている。

レーンポジションアシストは、運転者が指定した車線位置を維持するための機能であり、ステアリングを自動でサポートすることで、長時間の運転でも疲労を軽減する。

アクティブランバーサポートは、運転席にはマッサージ機能が搭載されており、これによりドライバーの疲労を軽減し、快適なドライブをサポートする。

ハンズフリーパワーリフトゲートは、両手がふさがっている状況でも、足をリアバンパーの下に入れるだけでトランクを自動で開閉できるため、積載時の負担を大幅に軽減する。

キーレスエントリー(プロキシミティセンサー付き)は、車両の1メートル以内に近づくと自動で解錠され、3メートル以上離れると自動で施錠される機能で、ユーザーの乗り降りをスムーズにする。

また、フィアット600eには360°パーキングセンサー、ブラインドスポットモニター、リアカメラといった安全装備も搭載されており、ドライバーの視認性を確保する。

2つの新しいボディカラー

フィアット600eでは、新たに「サンセットオレンジ」と「スカイブルー」という2つの新色が導入されており、これに加えて従来の人気カラー「ホワイト」もラインナップされている。これらのカラーは、イタリアの明るく鮮やかな色彩を表現しており、車両自体にスタイリッシュな印象を与える。

フィアット600eは、最新のプラットフォーム「CMP(Common Modular Platform)」をベースにしており、これにより優れた静粛性や快適な乗り心地を実現している。このプラットフォームは、車体のダウンサイジングと軽量化を実現し、エネルギー効率を最大限に高めるために設計されている。また、電気自動車としての利点を生かし、環境負荷を軽減しながらも優れた走行性能を提供している。

製造はステランティス・グループの専用工場で、高い品質が確保されるという。

フィアット600eのメーカー希望小売価格は5850000円(税込)。安価とはいえないが、これまであまりコンパクトカーには備わらないような装備も積極的に導入しているあたりに意気込みが伺える。政府の電気自動車補助金制度を利用することで、購入者は最大65万円の補助を受けることが可能だ。

この新型フィアット600eは、フィアット・ブランドの長い歴史を受け継ぎながらも、最新技術を駆使した電気自動車として、多くのユーザーに愛されることが期待される。日常の足としても、長距離のドライブにも対応するファミリーカーとしての使い勝手の良さと、エコフレンドリーな設計を融合させている。電気自動車の普及が進む中で、フィアットブランドの新たな象徴となることは間違いない。

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 幅広い建築装飾に注目する企画展「さらに装飾をひもとく―日本橋の建築・再発見」が2025年2月24日まで『高島屋史料館 TOKYO』で開催中

    さんたつ by 散歩の達人
  2. お風呂が嫌いな大型犬→シャワー中に絶望するも…終わった後の『テンションMAXな光景』が21万再生「ギャップ萌え」「喜びの舞w」と爆笑

    わんちゃんホンポ
  3. 姫路の文化的魅力を語る「オールひめじ・アーツ&ライフ・フォーラム2024」 姫路市

    Kiss PRESS
  4. 【大根にこんな食べ方が!】初めての作り方に驚き!そんなレシピがこちらです♪

    BuzzFeed Japan
  5. <北九州空港~JR朽網駅>間の自動運転バス実証実験 一般試乗の参加者募集中【北九州市小倉南区】

    北九州ノコト
  6. マリンピア神戸に『PET PARADISE』ってペット用品のお店ができるみたい。トリミング・ドッグラン・一時預かりサービスも

    神戸ジャーナル
  7. 12月が待ち遠しい! 「ハードロックカフェ 京都」のレストランがオープン

    anna(アンナ)
  8. 仕事を〝強制終了〟させた猫の行動に4万人もん絶 「可愛すぎてムリだー!!」

    Jタウンネット
  9. 「年収2,000万円の生活が手放せない…」浮気夫と我慢して暮らす44歳バリキャリ女性の分岐点【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】

    コクハク
  10. スタンプばかりなLINEを送ってくる女の心理。こちとら嫌われてる?orただの変わり者?

    コクハク