ヤゴレスキュー!~虫嫌いの次女の変貌~【御手洗直子のコマダム日記 #190】
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。
「つっこみが止まらないコマダム日記」#190
今回はヤゴレスキューにまつわるお話です。
ヤゴちゃんはおめめが大きい
~前回までのあらすじ~ヤゴレスキュー(プールに発生しているヤゴを救う)という行事に虫嫌いの次女が招集された。
さて渋々と登校した次女であったが、ピチピチとした笑顔で下校してきた。第一声は『ただいま~~ヤゴちゃんとれた!』である。『ちゃん』付けである。一体何が起こったのであろうか…。
話を聞くと、捕まえたヤゴちゃんはおめめが黒くて大きくてかわいかった。箸でつまんで捕まえた。ヤゴちゃんやわらかかった。だそうだ。ヤゴ、箸でつまんだのか…。やわらかいのか…ヤゴ…。
ものすごい豹変ぶりである。なんか思ったよりかわいかった。らしいのだが、そんなにヤゴってかわいかっただろうか?と検索してみたが、記憶の通りザ☆虫!という見た目である。足も細長い。普段からアリは足があるから嫌いと言っている次女だが、こちらも完全無欠の虫の見た目だ。足もある。たしかに目は黒くてかわいい(?)が、そんなに態度を一変させるほどかわいいだろうか…?エサもあげたけど今日は食べなかったんだ~~と言っていたので無事エサもあげられたらしい。いや箸で本体をつまめるならエサもあげられるだろ。なんならプールの中にまで入って捕まえに行ったらしい。ヤゴちゃんのおめめ、そんなに児童を豹変させるほどかわいいか…?小2の虫の基準がよくわからないぜ!!
スプーンもヤゴを移し替える時に活躍したらしいし、心配事はオールクリアして帰って何はともあれヤゴレスキューをエンジョイしてヤゴを好きになって帰ってきたのなら何よりであった。翌日にはヤゴちゃんの入れ物に入れておいたエサが無くなってたから食べたみたい。やら、朝に入れておいたエサが昼休みに無くなってたから新しいお家に慣れてきたのかも!やら平和な後日談を聞き、よかったねという所が現在の状況である。ちなみに長女の時はその後共食いなどを経てヤゴは全滅したらしい。児童の心情などおかまいなしの弱肉強食である。次女のクラスのヤゴはどうなるのであろうか。できることなら次女のヤゴは無事成虫になって飛び立ってほしい。ちゃん付けされてる者同士で共食いしないでほしい。無理か。そうか。
そして今回の出来事ではなんとなくうっすら『エビの断末魔の躍動』と共に私の中に『ヤゴは箸でつまむとやわらかい』という傷を残した。いのちを箸でつまむと動く振動が伝わるのだ。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子X(旧twitter):mitarainaoko