新潟労災閉院など上越地域の医療再編見直しを 市民団体が県に約1万5千人署名提出
医師不足や将来の患者数減少を背景にした新潟県上越地域の医療再編を巡り、同地域3市の市民でつくる「上越地域の医療を守る会」(石田秀男代表)は2024年9月9日、県に対し、新潟労災病院(上越市東雲町1)の閉院を含む医療再編の見直しを求める1万4740人分の署名を提出した。同会は直江津地区に総合病院を残すことなどを求めている。
《画像:県に署名を提出した「上越地域の医療を守る会」のメンバーら(右)》
上越地域の医療体制を県や地元3市、医療関係者で検討する上越地域医療構想調整会議では、医師不足による機能低下が続く新潟労災を2026年3月末で閉院し、医療機能を上越市内6病院に移行させることで合意している。また中核病院に急性期や高度医療の機能を集約化する中期医療再編も大枠の方向性を了承し議論が進んでいる。
提出された要望書は、①直江津地区に総合病院を残すこと②再編統合ではなく、住民に身近な病院を各地に残すよう医療構想を見直すこと③医師や看護師を増やすための抜本的対策を講じること――の3点を求めている。
守る会の石田代表は「労災病院の閉院は拙速すぎる。焦ってやる必要はなく、もう少し様子を見てほしい」などと訴えた。対応した県地域医療政策課の浅見裕之課長は「人口や患者、医師、看護師の減少が見込まれる中でも、圏域全体の中で医療を確保するためには医療再編という方法が最も持続可能で最適なものと考えている」と理解を求めた。