トム・クルーズも地下鉄に乗るが、乗客はスマホをいじっていて誰も気付かない ─ 一人の少女と目が合うと、トムは「シー」
パリ・オリンピック閉会式でので世界的な話題を呼んだトム・クルーズだが、ほとんど誰にも気付かれることなく公共交通機関に乗ることがあるらしい。ただし、少女だけは彼の存在だけに気づいていて……?映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(2023)公開前に登場した米テレビ番組でクルーズが語ったエピソードを紹介しよう。
人気番組にゲスト登場したクルーズは、ホストのジミー・キンメルから「公共交通機関、乗ることありますか」と尋ねられると、「人と話すのが好きなんです。僕はみんなのために映画を作っていますから」と前置きしつつ、「公共交通機関は乗りますよ」と明かす。彼ほどの大スターが乗客に気付かれたら大パニックになりそうだ。クルーズは、「僕のセキュリティにも奨励されています」とジョークを加えた。
一応のところ「帽子をかぶって、イヤフォンをつけて」と軽い変装もするそうだが、驚くべきことに通勤ラッシュの時間帯にロンドンの地下鉄に乗っても、“顔を差される”ような経験はこれまでないという。ただし、一度は乗客に気付かれた経験があるそうだ。
「ある時、僕が地下鉄に乗った時に、14歳くらいの女の子がいたんです。他の人たちはみんなスマホを見ていました。僕は頭を下げていて、野球帽のツバ越しに彼女を見ると、その子は僕をじっと見つめていたんです。
僕も彼女を見ていたら、彼女は僕を見て、地下鉄の周囲を見回して、また僕を見た。そこで僕は、(人差し指をゆっくりと口元に当てて)“シー”……。」
まさか世界的スーパースターのトム・クルーズと居合わせたのに、自分だけがその事実に気付いていると悟った少女。反応はどうだったというと……?
「彼女は周りを見回してから、iPhoneを取り出して、僕に向けて“カシャ”と。」
©︎THE RIVER
これに添えて、筆者が日常の中でトム・クルーズに偶然遭遇した個人的なエピソードを手短に紹介したい。2009年のこと、初めての渡米を経験した筆者は成田空港に帰着した機内が名残惜しく、渡米先の思い出と共に最後まで座席に居残っていた。入国審査エリアに向かう空港構内をゆっくり歩いている時、周囲に他の乗客はすっかりいなくなっていた。前方に下フロアから昇るエスカレーターがあり、カメラのフラッシュを浴びながら何者かが上がってくる。
小さな子を抱き、女性と共ににこやかに現れたのはトム・クルーズで、5メートルほどの静寂の至近距離でしばらく並行して歩くことになった。同伴していたのは彼の当時の妻ケイティ・ホームズと娘のスリだ。「まさか」との思いだったが、満面の笑みの警備員に迎えられ、別口から退出するのを見て確信。携帯電話を出して調べてみると、映画『ワルキューレ』のプロモーションのための来日だとわかった。
仕事上たくさんのハリウッドスターとお会いしたが、突然遭遇できたトム・クルーズの驚きは別格。地下鉄で出会ったという少女の場合、本人とアイコンタクトまで送り合ったというのだから、その衝撃と興奮を押し殺すのは相当に難しかっただろう。写真撮影だけに留め、電車移動の無事を守った少女に対し、クルーズは「あれは忘れられない」とにこやかに語っている。
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