家庭内別居から“復縁”できる? 妻たちの葛藤 #1「『前のように戻りたい』夫の変化」
同じ家に暮らしながらも別々の部屋で過ごし、一緒にいる時間をなるべく持たないのが家庭内別居の状態。
顔を合わせることすら苦痛に感じる状況になると、元の会話のある夫婦に戻るのはよほどのことがないと難しいのでは、と感じます。
一方で、家庭内別居をしたからこそ以前の夫婦関係に戻りたいと思うことも、実際にあります。
家庭内別居からの「復縁」について、妻たちが抱えた葛藤についてご紹介します。
「夫と家庭内別居になったのは、話し合いを避けたことが原因でした。
夫は平気で残業を入れるのに、私が同じようにすると後で「ご飯の用意が大変だった」「家事で時間が潰れた」と文句を言ってくるので、「共働きならお互いさまでしょ」と返すと不機嫌になるのがたまらなく嫌で。
もともと育児は私が中心だったし、自分のことしか考えない夫にストレスを溜めるより子どもたちに迷惑のかからない程度にがんばろうと、家庭内別居を決めました。
夫に気持ちを言わず寝室を分けたのがまずかったなと後で反省しましたが、そのときはもう一緒の部屋にいることすら我慢できなかったですね……。
弁当を作ることもやめた私を見て、夫は何も言わずに家では最低限の会話しかしなかったですね。
私は小さな家事室を自分の部屋にして過ごし、夫がバタバタしている気配があっても無視していました。
子どもたちがいる場所では普通にしてくれるので、最初は気楽で『このままでいいか』と思っていたのですが、あるとき息子が『お父さんの具合が悪そう』と伝えに来て。休日にずっと寝室から出てこない夫にイラッとしながらも放置していましたが、実は風邪をひいて高熱が出ており、動けない状態でした。
さすがに放っておけず病院に連れていき食事も用意しましたが、薬を飲んでベッドに横になった夫が、『こんな毎日はしんどい』とつぶやくのが聞こえました。
『そうね、でもあなたは自分のことしか考えないから、仕方ないんじゃない?』と素で返してしまったのですが、『それは悪かったけど……』と夫は口ごもって。
体調が悪くて気弱になっているのかもな、と思いながら、『親が協力しないと生活は回らないのよ』と久しぶりに本音を口にしました。
夫からは『仕事が忙しくて、君のことを考える余裕がなかった』と言い訳が出ていましたが、私が自分のことに無関心な状況がつらいのか、『前のように戻りたい』と言うので、これからはお互いの状況を尊重していこうと約束しました。
かといってすぐに夫がいる寝室に戻れるほど私の心は軽くならず、部屋は分けたままで夫の変化を見ている状態です。
ずっと音沙汰なしだったLINEでのやり取りが復活して、今は子どもたちの迎えや家事のことなど以前より話し合えてはいます。
私からも歩み寄らなければとも思い、夫の分のお弁当をまた用意するようになりました。
まだ夫を完全に信用できてはいないですが、このままいい方向に進んでくれたらなと思います」(30代/セールス)
体が弱れば心も壁が薄くなるのか、体調が悪いときに本音を口にする人は多いもの。
「こんなときに」と思う一方で、こんなときだからこそ本心を伝え合う機会にするのも、悪いこととは言えません。
夫の戻りたい意思を確認できたなら、次はそれが続くかどうかを見る姿勢も大切です。
自分の変化も忘れずに、家庭内別居を繰り返さない夫婦に進めたらいいなと思います。
(ハピママ*/弘田 香)