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誕生から40年。アラフィフ世代垂涎のスーパーカー、フェラーリGTO(288GTO)を深掘り。

Dig-it[ディグ・イット]

アラ還、アラフィフ世代といえば空前のスーパーカーブームを体験した世代。欧米のレーシングスペック級の斬新なデザインのクルマたちは、実車を見るだけでなく、プラモデルやミニカーを収集したなんていうエピソードも珍しくない。エキゾチックなクルマたちになぜこんなにもみんなが注目したのか? それは誰が見たって「普通じゃない」スタイリングと、浮き世離れしたパワーによるもの。そんなスーパーカーの代表モデルのひとつであるフェラーリGTOが今年で生誕40周年。ということで深掘りしてみる。

名作フェラーリのひとつに挙げられるGTO。ちなみに現在の価値って?

V8エンジンが大好きで、いつもアメリカ車ばかりを取り上げてきたけれど、たまにはイタリアのV8エンジンを取り上げてみる。そこで今年旬なのがフェラーリGTOなのです。1984年のジュネーブ国際モーターショーで発表されたフェラーリGTO。知ってる人も知らない人もまずはその歴史を学んでいただきたい。

1962年に生まれたフェラーリGTO(250GTO)以来のGTOとして誕生したこのモデル。タテ置きで車体中央にマウントされた約400馬力を発生させるV8ツインターボエンジンにリトラクタブルのヘッドライトによる低く身構えたスタイリングは、まさにフェラーリらしさ全開の1台だった。

その誕生は当時のFIA(国際自動車連盟)のグループBのレース車両規定に則したホモロゲーションモデルとして生まれ、規定生産台数の200台という生産台数(最終的に272台が生産されたと言われている)を目指した。車名のGTOとはイタリア語で「Gran Turismo Omologato(グランツーリズモ・オモロガート)」の略で、レース公認取得車両という意味。

要するにレースに出場できる特別なモデルってこと。デザインはイタリアのカロッツェリアであるピニンファリーナ担当したことはあまりにも有名だ。

1962年に登場したフェラーリ250GTOをオマージュしたダックテールのリアエンドや、リアのサイドに入った3本の縦型スリットなどが特徴で、かつてのGTOの伝統、伝説を受け継ぐモデルとしての位置付けだった。

そのため、ファンの間では1962年モデルと区別するために排気量を表した288GTOと非公式に呼ばれている。

288GTOはフェラーリ初のツインターボエンジン搭載車というだけでなく、リトラクタブルヘッドライトや複数のエアインテークがデザインアクセントになったスーパーカーにふさわしい堂々たるモデル。誕生から40年経った今でも、もちろんこれからも語り継がれる名車のひとつであることは間違いない。

ちなみに現在の価値では、2020年のオークションで2億5000万円で落札されたという記録がある。もはやクルマではなく美術品の域だということだけは伝えておこう(汗)。

ボディデザインはそれまで販売されていたフェラーリ308をベースに、凶暴化したパワートレインを受け止めるためにエアインテークが数多くデザインされたスタイルが特徴。サイドから見ると、フロントからリアに流れるようなフォルムが特徴。1984~1986年までに272台が生産され、日本には1台だけ正規輸入されたと言われている。

フェラーリらしい丸目4灯のテールランプはアイコニックなデザイン。リアパネルには跳ね馬とGTOのエンブレムが誇らしげにセットされる。リアスタイルにもしっかりとフェラーリのアイデンティティを感じる。

パンチングレザーとホールド感の高いフォルムで成型されたレザーシートがスパルタン。走りに必要な装備しか存在しないストイックなコクピットがカッコよろしい。シートの後ろすぐにエンジンが搭載されるため2人乗り。トランスミッションは5速マニュアルのみ、エアコンやパワーウインドーはオプション設定だった。

250GTOをオマージュしたダックテールのリアエンドや3本スリット(250GTOはフロントのボディサイドにデザインされていた)などがこのモデルのみの特徴。純正でセットされるタイヤはフロントが225/55-16インチ、リアが265/50-16インチ。星型スポークのホイールがよく似合う。

【Specification】
エンジン V8 2855.08cc ツインターボ
最高出力 294kW(394.26hp)/7000rpm
最大トルク 496Nm/3800rpm
トランスミッション 5速MT(ツインプレートクラッチ)
ボディサイズ 全長4290mm、全幅1910mm、全高1120mm

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