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【川崎市】川崎ダルク 依存症治療に新機軸 「認知行動療法」スタート

タウンニュース

プログラムのベースとなるワークブックの表紙

薬物依存症者の治療回復支援施設「川崎ダルク」(岡崎重人理事長)が、この秋から新しい形の外来型のプログラムを開始。近年、依存症を取り巻く環境は変化しているとされる中、柔軟に対応する「認知行動療法」という取り組みで、各方面から注目を集めている。

2004年に開設された川崎ダルクは、薬物やアルコールなど多様な依存症からの回復を後押しする入所・通所施設。利用者の増加とともに活動拠点も広がり、現在はデイケアセンターのほか、共同生活を送る入所施設が、高津区と中原区に計3カ所ある。

この施設で、500人近い依存症の人々とかかわり続けてきた岡崎重人理事長は「近年、依存症を取り巻く環境は変化しており、物質使用についても新たなステージに変わってきている。市販薬や処方薬、大麻(合成大麻などを含む)使用者数は増加傾向にあり、また若年齢化も危惧されている」と現況を分析。その上で「どうすれば必要な治療へとつながるのかを多くの医療や福祉関係者が考慮している」と関係者の苦悩を吐露する。

専門員がサポート

そんな中、川崎ダルクでは「物質使用障害」「ギャンブル障害」といった括りや、依存症者の性別にも捉われない新しい形の外来型のプログラムを今秋からスタートしている。

これは、薬物依存症者向けの資料をベースにした「認知行動療法」と呼ばれる取り組み。あらゆる依存問題に直面している人向けに改訂した「ワークブック」を使用しながら、各自の現状やニーズを確認しあい、生活の中で使えるスキルを得られるように、依存症からの回復途上のスタッフと、専門職種がサポートをしようというもの。

また、プログラムを通して「依存症治療のハードルを下げる」「早期に治療につながることで深刻な状況にならないで済む」「教育や学び直しができる環境を作る」などといった目的の達成も期待できるとして、注目を集めている。

第2土曜日に実施

プログラム実施は毎月第2土曜日の午前10時から。希望者は電話等での事前連絡が必要となる(【電話】044・798・7608)。元々は依存症当事者でもあった岡崎さんは「自分の生き方の目標が見つけられ、依存対象を優先にした人生に固執しないように同じ境遇を持つサポートメンバーと歩む機会にできれば」と話し「笑顔が取り戻せる場所として月に一度の開催ですが継続できるように頑張りたい」と広く利用を呼び掛けている。

岡崎重人理事長

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