【出産体験】助産師の私が、自身の「バースプラン」を大切にした理由
ライターの“マミ”です。助産師として働きながら、28歳と31歳で出産。現在は育児休業中です。私の“バースプラン”についての考えや、第1子では叶わなず、第2子の出産時に実現を目指した“バースプラン”についてお話しします。
バースプランを大切にした3つの理由
妊娠・出産は人生のなかで限られたライフイベント。そんな貴重な機会だからこそ、私自身も“バースプラン”を大切にしたいと考えていました。
その理由は3つです。まず、1つは、妊娠・出産という貴重な時期をどのように過ごしていきたいか、“バースプラン”を立てるなかで具体的に考えることは、主体的に自分らしいお産をすることへとつながるのだと思います。
次に2つ目。その内容を、出産する病院側の医療者と共有することにより、安心してお産に臨むことへもつながるのではないかと考えるからです。
そして3つ目は、その経験により得られた力は、その後の育児の自信につながると思うためです。
助産師として仕事をするなかで、“バースプラン”の重要性を日ごろから痛感するからこそ、私自身の“バースプラン”も丁寧に考えていきました。
妊娠中・出産・産後に分け、プランを考えた妊娠中期
“バースプラン”を立てるよう病院から言われたのは、胎動を感じやすくなる妊娠7ヶ月ごろのこと。渡されたそのための用紙は、すでに形式ができあがっていて、妊娠・出産・産後に分けてプランを考えるようになっていました。私もひとつひとつ検討しながら、具体的に考えていきました。
例えば、妊娠中であれば、体重増加を10kg以内に管理すること、会陰マッサージやストレッチを行ない、分娩時の裂傷を最小限にできるよう頑張ることです。
出産時については、微弱陣痛にならないよう妊娠中はもちろん、陣痛が始まってからもたくさん体を動かすこと、夫が立ち会い分娩をしてビデオ撮影すること、臍帯血バンクをしてもらうことです。
産後については、完全母乳でいくこと、夫や実母に家事をお願いして育児に専念していくこと、をあげました。
実現成功したバースプラン! でも1つだけ心残りが
そして第1子を無事出産したときは、分娩所要時間が1時間半という超短時間での安産となるなど、そのほとんどを成し遂げることができました。しかし、私が何よりも強く希望していたことは実現できなかったのです。
それは「夫の立ち会い分娩」。だからこそ、「第2子では夫の立ち会い分娩を必ず実現させて、夫と生命の誕生を共有したい」と思ったのです。
いよいよ第2子の出産が近くなると、その実現のため、夫や家族と繰り返し話し合いをしました。特に突然、分娩の兆候が始まった場合、「どのようにお互いに連絡を取りあうか」、「上の子の預け先をどうするか」について事前に話し合いをしておきました。
念願の夫の“立ち会い出産”、生命誕生の瞬間を共有
第2子の出産は、夜中の突然の破水から始まりました。事前の話し合いのおかげで、スムーズに上の子を実家に預けることができました。そしてビデオが入った荷物もしっかり持って無事に病院へ。
分娩室でずっと私の手を握り、「もう少しだよ、頑張って!」などと声かけをして支えてくれた夫。片手で私の手を握り、同時にもう片方の手でビデオ撮影をする活躍ぶりでした。
夫は「お母さんってすごい。本当にえらい。感動した」と目に涙をにじませながら話していました。念願の夫の“立ち会い出産”を実現できたことで、「一緒に赤ちゃんを生み出せたんだ」という感覚が持て、その幸福感は今でも忘れられません。
第2子は妊娠36週、身長46cm、体重2680gで生まれました。“バースプラン”は、必ずしもすべてが実現できるわけではありません。でも、たとえすべて実現できなかったとしても、“バースプラン”を考えることで、たくさんのメリットがあると思います。妊娠中からバースプランについて話し合うことで家族の絆も深まるのではないでしょうか。そして出産する母親だけでなく、夫にとっても出産やその後の育児を主体的な気持ちで迎える大事な力になるのだと思います。
[マミ*プロフィール]
夫と4歳、0歳の2人の子どもの4人暮らしをしています。助産師として働いていますが、現在は育休中。毎日バタバタと忙しいながらも、楽しみながら育児をしています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。