【磐田・扇月】新発売いちご大福! 「ジュビロード沿いを元気に」3代目がつくる若い世代に人気の和菓子
静岡・磐田市にある和菓子店「扇月」。2025年に創業100周年を迎える老舗ですが、リニューアルオープンして若い人にも注目される和菓子を生み出しています。12月には「いちご大福」を発売しました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ三大銘菓は豆大福・赤飯・柏餅
磐田市中泉のジュビロード沿いにある「和菓子司 扇月(せんげつ)」は、1925年に神戸で創業しました。磐田市で開店したのは1958年。現在3代目である磯村和佳恵さんが引き継いでいます。
創業当時から人気の三大名菓は豆大福・赤飯・柏餅。他にも季節にあわせた和菓子を楽しむことができます。
創業時は、磯村さんの祖父が神戸市で和菓子や赤飯を販売していました。
第二次世界大戦が始まり、静岡県袋井市に疎開した磯村さん一家。そのまま静岡に住み続け、和菓子作りの腕をさらに上げて、当時活気のあった磐田市駅前通りに1958年「扇月」を構えました。
創業当時から人気の赤飯は、ふっくらもちもちの食感を味わえ「赤飯といえば扇月」と言われることも。
扇月の赤飯は、和菓子のオリンピックといわれる「全国菓子大博覧会」で2000年に橘花栄光賞を受賞した実績もあります。
磯村さんは扇月の3代目和菓子職人ですが、お客さんの方も家族3代にわたり通う人もいます。
小さいころに親に連れて行ってもらった和菓子店の味を、今もなお楽しむことができる。さらに自分が親になり子供と一緒に扇月を訪れる。世代を重ねて愛されるお店は、とてもすてきですね。
寂しくなった商店街を元気にしたい!
2025年の創業100年の節目に向け、扇月は2024年3月にリニューアルオープンしました。
そこには、さまざまな思いがありました。
磯村さんは生まれも育ちも磐田市。幼少期は、磐田駅前の商店街は賑わっていて、和菓子店もたくさんあったそうです。
磐田駅から北へ延びる、サッカーJ1・ジュビロ磐田にちなんで名付けられた「ジュビロード」ですが、賑わっていた商店街のお店が、少しずつ店を閉めてしまい寂しくなってしまいました。
リニューアルの理由は、老築化だけでなく「建物自体を新しく魅力的にし、幅広い年齢層の方が商店街に来るきっかけをつくりたい」という思いも込められていました。
若い世代に注目される人気メニュー
実際に、リニューアル後の店舗は以前と比べてより洗礼されたたたずまい。一瞬入りづらい雰囲気がありますが、お店に入った瞬間ずらりと並ぶ美しい和菓子を見れば、ワクワクせずにはいられません。
リニューアル後は、長年利用しているお客さんから、若いお客さんまで、幅広い世代から人気を集めています。
定番商品の赤飯・豆大福を中心に作ってきましたが、リニューアルと共に商品も少しずつ増やしています。
特に若い方に注目されているかわいらしい練り菓子や、パリパリ食感が味わえるアイスもなかは人気メニューのひとつ。
旬のフルーツ大福も今までとは一味ちがう、扇月の味が楽しめます。
新メニューは、磯村さんをはじめ従業員みんなで話し合い、若い方にも喜んでもらえる商品を考案しています。
美しくおいしい和菓子をどの年代にも楽しんでほしい。その思いが通じたかのように、リニューアル後は若いお客さんが来てくれるようになったそうです。
おいしさに気付き、毎週和菓子を買いに来るお客さんもいるとか。
年配の方に好まれる和菓子のイメージが、少しずつ変わってきています。
扇月 代表・磯村和佳恵さん:
歴代の扇月の味を残しつつ、新たな和菓子作りに日々挑戦しています。年齢の上の方に好まれるイメージがありますが、若い方にも和菓子の魅力を知っていただき味わってもらいたいです。また和菓子は、小豆など食物繊維が豊富な健康的なおやつです。当店をきっかけに、和菓子の良さを知っていただけるとうれしいです
待望の「いちご大福」新発売
12月から、冬らしい「いちご大福(400円)」が新登場。
大粒のイチゴにやわらかなお餅、なめらかなあんこに優しく包まれたいちご大福。
一口食べた瞬間の口当たりのよさ、イチゴのジューシーさに驚きました。
こしあんは存在感が強く、イチゴとの相性も抜群! あんこの甘さとイチゴの酸味の最高の組みあわせを楽しめます。
いちご大福といえば、こしあんのイメージかもしれませんが、扇月ならこしあんと白あんを使用した2種類があります。
白あんは、あっさりとした上品な甘さにイチゴのジューシーさが組み合わさったフレッシュな味です。
冬ならではの和菓子をぜひ味わってみてください。いちご大福の販売は今シーズンは2月いっぱいまでを予定しています。
■店名 和菓子司 扇月
■住所 静岡県磐田市中泉3丁目5番地18
■営業時間 10:00〜17:00
■定休 日・月
取材/くるみ