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ヴィレヴァンで「くそまずい」と売られていたお菓子に挑戦!「リコリス」とやらを試食してみた結果

おたくま経済新聞

ヴィレヴァンで「くそまずい」と売られていたお菓子に挑戦!「リコリス」とやらを試食してみた結果

 “遊べる本屋さん”こと「ヴィレッジヴァンガード」は、近所のコンビニやスーパーでは手に入らない、謎めいた輸入菓子を多数取り扱っています。

 先日渋谷の店舗に立ち寄ったところ「くそまずい」「キライなアイツに」「利きタイヤの練習向け」といった変なポップが添えられているお菓子を3点発見。早速購入し、食べてみました。

【くそまずいと書かれていた「キャッツリコリス」】

■ 「日本人の口に合わない」「世界一まずい」と評判

 今回購入したのは、ポップに利きタイヤの練習向けと書かれていた「ブラックリコリス」と、キライなアイツにと書かれていた「ブラックリコリス チョーク」、くそまずいと書かれていた「キャッツリコリス」の3点。

 「ブラックリコリス」「ブラックリコリス チョーク」はスペインのFini社の製品、「キャッツリコリス」はドイツのMEDERER社の製品です。

 全商品に共通する「リコリス」とはスペインカンゾウという植物のこと。漢方などにも用いられる「甘草」の仲間です。その根本から抽出したエキスを使って作られているのが、今回紹介するお菓子たち。

 「リコリス」について調べてみると「日本人の口に合わない」「世界一まずい」といった表現がちらほら。たしかに日本で暮らしていると「リコリス」という言葉を聞くことはあまりありませんし、食べる機会もないのではないでしょうか。

 筆者自身、リコリスについて「名前は知っているけど、口にしたことはない」という状態です。

 これだけ各所から「まずい」と言われていると、「自分にとっては美味いかもしれない」という謎の自信と言いますか、庇護欲と言いますかが湧いてきます。

 日本中がきみを嫌いだと言っても、僕だけは好きって言ってあげるからね。任せてね。

 早速食べていきます。

■ うずまきの形が特徴的な「ブラックリコリス」早速洗礼を受けるが、攻略も発見!

 最初に挑戦するのは、利きタイヤの練習向け「ブラックリコリス」。ぐるぐるの渦巻き状態になっているのが特徴的です。色は光沢のあるブラック。日本のお菓子ではあまり類を見ない黒さではないでしょうか。

 開封した瞬間に袋の底から立ち上ってくる、薬草っぽい匂い。おっと、これは、なかなか。強烈だ……。何かにたとえるのも難しいですが、ドクターペッパーを思い出します。ドクターペッパーに薬草っぽさをプラスした匂いです。

 そしてドクターペッパーほどの「甘さ」は匂いからは感じません。「甘さ」は薬草の匂いの奥にほんの少し顔をのぞかせる程度です。

 本体を触ってみた感じは硬め。グミと飴の中間のような触り心地です。あと少しぬめぬめします。成分表を見ると「グリセリン」と書かれてあるので、そのせいかもしれません。

 一口、食べてみます。ああ……匂いそのままの味がします。薬草の味です。ほんの少し鼻に抜けていくミント系の清涼感もありつつ、基本的には独特な薬草の香り。

 食感はUHA味覚糖の「さけるグミ」に少し似ていて、あれを固めにすると「ブラックリコリス」の食感になります。グミのように歯で潰すのではなく、歯で千切るといった感じです。食感は好きだなと思いました。食感は。

 店内ポップだと「利きタイヤの練習向け」という言葉で紹介されていましたが、確かに食感はタイヤっぽさもあるかもしれません。これまでの人生でタイヤを食べたことはないですが、食べたらこんな感じなのだろうな、と。

 ちなみにぐるぐるは分解して紐状にすることが出来ます。「だからどうした?」と思われるかもしれませんが、個人的には紐状にした方が食べやすかったです。一度に口に含む量が減るからでしょうか?

 「ブラックリコリス」をなかなか食べ進められない、という人がいたら、ぜひ紐状に分解してみてください。

■ ネコちゃんの形が可愛い「キャッツリコリス」表面を覆うパウダーで舌がひりひり

 お次にいただくのは、くそまずいと書かれていた「キャッツリコリス」。パッケージに描かれたドヤ顔ネコちゃんが可愛いです。

 匂いは先ほどの「ブラックリコリス」と大きく変わりません。強いて言うならやや薬草感が薄め、な気がします。

 中身は白いパウダーがかかった黒いグミ。触った感じは「ハリボー」などのハード系グミに近く、弾力があります。

 個人的に「パウダーのかかったグミにはずれなし」と思っていますが「キャッツリコリス」はどうでしょう。食べてみます。

 あ、ダメかも。「ブラックリコリス」よりも薬草の味が濃いです。おまけにパウダーがかなり強烈なアクセントになっていて、グミ本体を飲み込んだあとも、口の中にリコリスの風味を残します。しばらく舌の上にパウダーが残っていて、ひりひりしてきました。

 「パウダーのかかったグミにはずれなし」という持論に反例が出てしまいました。

 そしてこの「キャッツリコリス」、よく見ると形がパッケージに描かれているドヤ顔ネコちゃんです。可愛いですね。ちょっとほっこりします。ほっこりしたので、その勢いでもう1つ食べます。

 やっぱりネコちゃんの可愛さだけでは誤魔化しきれない、強烈な味わいです。噛んでいるうちに入浴剤っぽさも感じてきました。調べてみると「甘草」はバスクリンなどの入浴剤に使用されているみたいです。どうりで。

 「ブラックリコリス」のときには「ぐるぐるを解くと食べやすくなる」という攻略法を見つけましたが、残念ながら「キャッツリコリス」の攻略法は見つけられず。大人しくそのままいただきました。

■ キャンディータイプの「ブラックリコリス チョーク」意外とマイルドな味……と思いきや

 最後は、キライなアイツにと書かれていた「ブラックリコリス チョーク」。その名の通り使い終わりの「白チョーク」のような見た目をしています。

 これを最後に取っておいたのは、一番難易度が高そうだったからです。というのも先の2つがグミ系のお菓子だったのに対し、この「ブラックリコリス チョーク」はキャンディー。

 つまり口の中にしばらく残しておかなければならないということになります。噛むにしてもグミよりも体力を使うに違いありません。

 口に合わなかったときに「すぐ飲み込む」ということができないので、最後の最後に回すことにしました。

 封を開けたときに漂ってくる匂いは、先の2つよりは控えめで、マイルドな印象です。昆布っぽい「旨み」を感じる匂いがします。

 触った感じはそのままキャンディー。しっかり硬くてカチカチです。味はこれまでとは違って清涼感が強め。薄荷味に似ています。

 予想通り口の中に残り続けはするのですが、「ブラックリコリス」「キャッツリコリス」よりも味がマイルドで、リコリス感が薄いので、意外にも食べやすいです。

 なんと一番懸念していたキャンディータイプが一番食べやすいという意外な結果に……

 ……え、あれ?なんか、口の中で、柔らか……ぅおあっ!なんだこれ!?いきなり柔らかくなった!と思ったら口の中にぶわってきた、リコリスが!リコリスが爆発した!!なにこれ……なにこれ!?

 口の中に突然訪れた食感の変化とリコリス風味の爆発に、筆者は慌てて「ブラックリコリス チョーク」を飲み込みました。

 一体何が起きたのだろう。口の中で起きた事態を解明すべく、もう1つ食べてみることにします。

 触った感じはしっかり硬いキャンディーです。強めに握っても砕けません。

 口の中に入れて、舌の上で転がしてみます。まだキャンディーです。今度は表面に歯を立ててみました。軽く歯を立てただけではただのキャンディーですが、顎に力を入れると「ブラックリコリス チョーク」は口の中でカリカリと音を立てながら潰れていきました。

 そして先ほどと同じく強烈なリコリスの風味が口いっぱいに広がります。飲み込みたいのを我慢しながら噛んでみると、先ほどまでの硬いキャンディーはどこへやら、「ブラックリコリス チョーク」はチューイングキャンディーに変化していました。

 指で割って確かめてみたところ、どうやらこちらの商品は外側の白い部分がハードキャンディーで、おそらく真ん中の黒い部分がリコリスグミ、中心のクリーム色がチューイングキャンディーとなっているようです。

 最初に生じた突然の食感の変化は、舐めているうちに一番外側の白いキャンディーコーティングが溶けてしまったため、というわけですね。

 外側を舐めている分にはリコリス風味は軽かったのですが、コーティングを砕いて中のリコリスグミとチューイングキャンディーが出てくると、一気にリコリスの風味が広がります。3つの商品の中で一番強烈だと思いました。

 やっぱりこいつをラスボスに置いたのは間違っていなかったようです。

* * *

 3種類のリコリス菓子を食べてみましたが、最初に書いた「日本中がきみを嫌いだと言っても、僕だけは好きって言ってあげるからね」という一文は忘れてください。今の筆者ではまだリコリスたちに「好き」とは言ってあげられないようです。

 ただ何回か口にしているうちに、単にこれは慣れの問題な気もしてきました。ポップには「くそまずい」などと書かれていましたが、まずいと言うよりは「食べ慣れていない」だけな気がします。

 幸か不幸か今回のお菓子はまだたくさん残っているので、毎日少しずつ食べて味に慣れていきたいと思います。

 全部を食べ終わるころには舌がリコリスの味に馴染んでいることを祈って。

(ヨシクラミク)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024121806.html

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