中村ゆりか「L.o.v.e.」インタビュー――"女優×アーティスト"の表現力が魅力の中村ゆりかが歌う理由

12/27(金) 17:00配信

――「L.o.v.e.」は、主演ドラマ『チェイサーゲームW2 美しき天女たち』のエンディング曲となります。この曲はどのタイミングで制作をされたのでしょうか？

「ドラマ『チェイサーゲームW2 美しき天女たち』の脚本をいただいたときに音楽のお話を頂いて。ドラマのプロデューサーさんやスタッフさんが音楽の活動も見てくださっていてお話しを頂いた時はとてもびっくりしましたし嬉しかったです」

――脚本からイメージして作られましたか？

「はい、出演させていただいたドラマのエンディングなので、表現したいストーリーが見えましたし、ドラマの世界観を音楽でも表現したいという気持ちが大きくなりました」

――それだけ強い想いで作られたんですね。実際にドラマ『チェイサーゲームW』は、Season1の時から日本だけでなく、世界中から反響もあったからこそ、より演じた役やドラマに対して思い入れたがあったのではないですか？

「そうですね。Season1の時は、女性同士の恋愛に対してどうしたらみなさんに伝わるかと試行錯誤しながら作品と向き合いました。でも、Season2は1を経て、二人が溶け合った空気感になっていました。だからこそ、視聴者目線でこの二人がどうなってほしいのか？も考えたりしてさらに濃く作品に向き合えました」

――ドラマのエンディングテーマは、バラードや切ない曲が多い傾向にありますが、「L.o.v.e.」はすごくポップで幸せだからこそ、ドラマを観ていてどんなにハラハラしても毎回落ち着くことができていました。

「そう言ってもらえると、すごく嬉しいです！ドラマは1話ごとに最後にハプニングやアクシデントが起きて、気持ちが落ちてしまうこともあるので、この曲がエンディングに流れることで、少しでもポジティブになってもらいたかったので。この曲を聴くと、二人が上手くいくんじゃないかな？と思ったり、励まされている感じになるんですよ。さらには樹ちゃんの想いや、冬雨の気持ちを音楽に乗せた、本当にポップなラブソングに出来たので、私にとって本当に大切な宝物となりました」

――すごく素敵です。

――この歌詞やメロディは、ゆりかさんのプロデュースをされているCHIHIROさんとどのようにディスカッションをして作られたのでしょうか？

「冬雨の恋愛は幸せな部分もありますが、難しい部分もたくさんありました。でも”恋する気持ちって素晴らしいんだよ“、”いつか2人の未来は幸せになれるから信じよう“そんなメッセージを届けたくて。一緒に思いついた言葉をたくさん共有していきました。プロデューサーであるCHIHIROちゃんはその言葉たちを本当にすごくキレイにまとめてくれるので感謝しています。二番はよりリアルに書いていこうって話して、相手の好きなところを挙げるフレーズはとても気に入っています」

――この＜長い指／耳に残る声も／少し高いその背も＞と言う所ですよね。ここはよりリアルに共感ができるフレーズですよね。

「ちゃんと冬雨が樹ちゃんを見ている目線なんです。想像ができる言葉って、すごく大事だなと思っていて…」

――この歌詞からは、すぐにドラマの“樹”が浮かんできますが、ドラマを観ていない人にも、すごく共感できるし、気持ちのいい曲になったと思うんです。

「そう言ってもらえると嬉しいです。この音楽を聴いてドラマを思い出してまた音楽を好きになって…と、いい相乗効果になってくれたら嬉しいです」

――MVもすごく可愛いですね！

「可愛いもの詰め合わせです！（笑）監督さんが好きなものを事前に把握してくれていたので、私の好きなもので溢れています。あと、女の子のお人形同士が手をつなぐシーンがあったりして、ドラマとちょっぴりリンクしているところも見どころです」

――撮影はいかがでしたか？

「楽しすぎて、あっという間に終わってしまいました！愛犬のAruも一緒に参加させてもらったので、ずっとハッピーでした」

――優秀なタレント犬のように動いていましたね！

「初映像デビューだったんですけど、すごく自然にしてくれて助かりました（笑）。このMVでは、“誰かに拒まれたとしても、自分の世界をちゃんと大事にしよう”というメッセージが込められていて。それを表情でも表しているので、じっくり見てもらえたら嬉しいです」

――今回、薄紫が多く使われていますが、好きな色なんですか？

「大好きな色です。これまで、どうしてもクールで近寄りがたいイメージを持たれることが多くて…クールだけど女性らしいそんなイメージの色で好きなんです。音楽を始めたころから、気持ちをさらけ出すようになって、どんどんこの色が好きになってきちゃったんです」

――きちゃった！（笑）

「そう！（笑）その頃から、“好きな色を身に着けてもいいかな？”と思い始めたら、私物もかわいい薄紫の色のものだらけになってしまいました（笑）」

――すごくいいと思います。ちゃんと自分の素顔を出すようになってから、あらためて自分のことを好きになれたのではないですか？

「そうなんです！自分のことをより知れるきっかけにもなれましたし、隠していたものがどんどんなくなって、すごくスッキリした気持ちになれました」

――たしかに、ゆりかさんの音楽って、とても分かりやすい言葉でちゃんと気持ちを伝えてくれる気がしていて。俳優業とアーティスト業、全く違うからこそ、すごく良いバランスが取れていたのではないでしょうか？

「そう思います。お芝居も大好きですが、どこか自分を作らなくてはならないので…自分ではない人に変わらる作業があるんです。だから、音楽活動を始める前は、“本当の自分ってなんだろう？”って思ったことも多くて。でも音楽活動をし始めてから、ストレートな気持ちを出したり、自分と対峙する時間が増えて、本当の自分になれた気がしています」

――現在は精力的に楽曲をリリースしていますが、今後、挑戦してみたい曲はありますか？

「たくさんあります。いろんなジャンルの音楽を聴いていると、自分が伝えたいと思った時に、“もっといろんな音楽を作ることが大事だ”ということに気づきました。お芝居も音楽も、どんなものにも対応していきたいんです。ストーリー性のあるバラードも歌いたいですし、女の子が強い気持ちで、自信に満ち溢れるような曲もたくさん歌っていきたいですし…。変幻自在に音楽に対応できることが、今の私の課題です」

――ゆりかさんは独立をしてから、よりクリエイティブな活動に力を入れている印象があるのですが、今はどんな状態なのでしょうか？

「私のチームには、ものすごく熱い気持ちを持った人たちが集まっていて、愛に溢れています。「L.o.v.e.」の制作に関しても、みんなで一緒に結託して、“いいものを作ろう！”という気持ちで溢れていたんです。本当にいい環境に恵まれていて、楽しく活動ができています。そうやって作った曲を、みんなが愛してくれることにすごく感謝していますし、今は本当にすべての活動が楽しくて仕方がないんです。さらに、私の音楽や出演したドラマをきっかけに繋がって楽しんでくれている姿を見ると私自身も楽しくなりますし、すごく充実しています」

――となると、2025年はより音楽と向き合う1年になりそうですね。

「そうですね。今は音楽制作にしっかりと腰を据えるスケジュールも取れてきましたし、チームのみんなにたくさんアシストしてもらいながら、愛が溢れる曲をたくさん作ることができています。かなりハイスピードで曲を作ってきましたが、今、一緒にお仕事をしているスタッフさんたちがプロフェッショナルでベテランな方々なので、自信をもって取り組めています」

――そういった環境下にいると、より刺激をもらえそうですね。

「はい。自分よりもかなりレベルの高い方々にお会いして、挫けそうになることもありますけど、それでも“お芝居や音楽が好きだな”って思いますし、刺激になってもっといい物が作りたいって思えるんです」

――しかも、このドラマの出演で世界から注目を浴びることになりましたが、新しいことに触れる時間も増えたのではないでしょうか？

「そうですね。アジア圏での活動がかなり増えて、驚きました。このチャンスを無駄にしないように、大きなところを目指して活動していきたいです」

――中国でもかなりの雑誌の表紙を飾っていましたよね。

「ありがたいですよね。色んなコンセプトで撮っていただいて楽しかったです。積極的に現地のお仕事もしていきたいです」

――充実の2024年を経て、2025年はどんな年にしたいですか？

「今年の経験を経て、大きなライブや、自分の表現を発揮できる場所で活動していけたいです。そして、私は強い女性を演じる俳優さんが大好きでこの世界に入ったので、“もっと強い女性を演じたい“と思っています。音楽もそうで、女の子の背中を押すような曲を歌っていきたいです。私自身が勇気づけられたように、私の音楽やお芝居が、誰かのちょっとした光になったり、救われるような、そんなお仕事ができる1年にしたいです」

――プライベートでしたいことは何かありますか？

「今はわんちゃんと暮らしているので、それでかなり満足しちゃっています。わんちゃんを見たら、“他に何もいらない！”って思うくらい。プライベートでは愛するワンちゃんを幸せにするような生活をしていきたいです」

――2025年の活動も楽しみにしています。

「ありがとうございます！お芝居に音楽、そしてみなさんに会えるようなイベントもまたやっていきたいですし自分自身もパワーアップしていきたいです」