「なぜクマが人を怖がらない?」「住宅地に出てきやすいクマとは?」 正しく知って命を守る「ヒグマ検定」に挑戦【入門編①】
北海道で暮らすなら、北海道を訪れるなら!
知っておきたいのは、「ヒグマ」の知識です。
正しい知恵を多くの方に知ってもらい、悲しい事故を防ぐため、Sitakkeでは「ヒグマ検定」からクイズを出題します。
「ヒグマ検定」は、HBCが運営する、クマとの“いい距離の保ち方”を考えるサイト「クマここ」にあるコーナー。
北海道庁が去年企画して作ったもので、HBCが制作に入りました。
クマの生態にくわしい、酪農学園大学の佐藤喜和教授が監修しています。
不安になるニュースが多い今だからこそ、北海道、日本の自然を安全に楽しむためのヒントを、「クイズ」を通して前向きに考えてみませんか?
今回は、入門編からの出題です。
連載「クマさん、ここまでよ」
ヒグマ検定「入門編」
第1問
ヒグマはどこで暮らしているでしょうか?
①北海道と東北
②日本では北海道だけ
③世界中で北海道だけ
正解は…
正解は…「②!日本では北海道だけ」でした。
日本でヒグマが生息しているのは、北海道だけです。
世界では、地球の北半分に生息しています。アメリカの「グリズリー」「ブラウンベア」とよばれるクマもヒグマです。
しかし、ヨーロッパや北米の多くの場所で、絶滅したり、数が減ったりしたため、保全活動が行われています。
本州と四国には、ツキノワグマがいます。以前は九州にもいましたが、絶滅してしまいました。四国でも絶滅が心配されています。
世界には8種類のクマがいますが、そのうちホッキョクグマやジャイアントパンダなど、6種類が絶滅の危機にあります。
では、北海道のヒグマはどうでしょうか?
第2問
全道でヒグマの出没が相次いでいますが、北海道でのヒグマの数は増えているのでしょうか?
①30年ほどで約半分に減っている
②30年ほどで約2倍に増えている
③30年ほどで約3倍に増えている
正解は…
正解は…「②30年ほどで約2倍に増えている」でした。
ヒグマの数は、平成に入ってからの30年ほどでおよそ2倍に増えています。
2020年度の調査では、北海道のヒグマの生息数は11700頭(6600~19300頭の間にある)と推定されています。
ヒグマの数は地域によって違うため、ヒグマとの向き合い方は、地域ごとの事情に合わせて考える必要がありそうです。
第3問
北海道は、ヒグマと人のどんな関係を目指しているのでしょうか?
①どんどんヒグマの数を減らしたい
②問題を防ぎながらも共存したい
③ヒグマの数をもっと増やしたい
正解は…「②問題も防ぎながらも共存したい」でした。
北海道では、ヒグマと人の間の問題を防ぎながらも、いい距離を保って、共存していくことを目指しています。
ヒグマは北海道の陸で暮らす哺乳類の中で、最も大きな動物。ヒグマが生息していることは、北海道のゆたかな自然の表れです。
ヒグマにおびえて暮らすのではなく、かといって人の都合で絶滅させるのでもなく、「いい距離」を保てるように、まずはヒグマを知ることから始めましょう。
第4問
ヒグマの歯は、どれでしょう?画像をご覧ください。
正解は…
正解は…②!
前の方にするどい歯も生えていますが、奥には平らな歯が並んでいます。
人の歯と似ていると思いませんか?
平らな歯は、草や木の実をすりつぶして食べるのにピッタリな形です。
歯の形も、ヒグマが草や木の実を主に食べていることを表しています。
ヒグマは基本的には人や動物を襲って食べる生き物ではないということが、歯からもわかります。
ちなみに①はライオンの歯。肉食動物らしい、大きく太いキバが生えています。
③はエゾシカの歯。草食動物で、肉食動物との違いがよくわかりますね。
第5問
ヒグマが人を怖がらなくなる理由になるのはどれでしょう?
①自分のほうが強いことを知っている
②住宅地から離れた場所で育ち、人を見たことがない
③ハンターに追いかけられなくなった
正解は…
正解は…「③ハンターに追いかけられなくなった」でした。
ハンターが減り、高齢化が進んでいて、山の中でヒグマを追いかけることが減りました。つまり、ヒグマが人をこわいと学ぶ機会が減りました。
住宅地の近くの山でも冬眠の穴が見つかっていて、人や車の気配に慣れて生まれ育ったヒグマとの付き合い方も考える時代になりました。
第6問
人に近づいてきたり、住宅地に出てきやすいと言われるのは、どんなヒグマでしょう?「当てはまらない」ものを選んでください。
①子どもを連れたお母さんグマ
②親から独り立ちした若いオスのヒグマ
③特に力が強い、大人のオスのヒグマ
正解は…
正解は…③。当てはまらないのは、「特に力が強い、大人のオスのヒグマ」でした。
若いオスのヒグマは、好奇心が強いため、興味本位で人に近づいてきたり、住宅地に入ってしまったりしやすいと言われています。
子どもを連れたお母さんグマも、大人のオスのヒグマから逃げるために、住宅地に入り込むことがあります。
ヒグマが人を襲いたいと思って近づいてくるわけではなくても、人の行動によっては、攻撃されることもあります。
もしも出会ったらどうしたらいいかは、このあとの問題で学びましょう。
続きはまた連載「クマさん、ここまでよ」でお届けします。
SitakkeのYoutubeチャンネルでは、「クマここ」担当アナウンサーの波多野裕太が、堀内美里アナウンサーに出題する動画も公開していますので、ぜひあわせてご覧ください。
「ヒグマ検定」の全問題は、「クマここ」からチャレンジできます。
文:Sitakke編集部IKU