犬が散歩中に寄り道しがちなスポット5つ どうして行ってしまうの?その理由をご紹介
犬にとってのお散歩ってなんだろう?
飼い主さんにとって、愛犬のお散歩とはどのようなものでしょうか。もしかしたら、運動不足解消のための「運動の時間」だと思っているかもしれません。しかし犬にとってのお散歩は、単なる「運動の時間」ではありません。
ほとんどの犬にとって、お散歩は食事の次に楽しみな、大切な時間です。自分の意思で自由に行動できない犬にとって、1日の中で最も刺激的でワクワクできる時間がお散歩なのです。
お散歩は、家の中では出会えないようなさまざまなニオイ、音、景色、感触に触れられ、人や犬の友だちにも会える、刺激的な時間なのです。こういった刺激で犬の五感は磨かれ、好奇心も満たされるので、毎日を生き生きと過ごせるようにもなります。
生き生きと過ごせると脳が活性化されるので、認知症の予防にもつながります。お散歩は、運動不足の解消だけではなく、犬らしく生き生きと過ごしてもらうためにも大切な時間なのです。
犬が散歩中に寄り道しがちなスポット
1.他の犬のニオイがする場所
犬は、五感の中でも4割を嗅覚、3割を聴覚、2割を視覚に頼っているといわれています。犬同士の情報交換やその場所の様子など、私たちには分からないような情報の多くを、嗅覚から得ているのです。
そのため、他の犬がマーキングでつけたニオイがする所や普段嗅いだことのないニオイのする所は素通りできず、立ち止まってゆっくりとニオイを嗅いで状況を確認することが多いです。
2.舗装されていない場所
犬の全身は、被毛で覆われています。皮膚が剥き出しになっている、数少ない場所の一つが肉球です。普段家の中にいて、散歩もアスファルトなどの舗装された道を歩いている犬にとっては、舗装されていない土が剥き出しの場所や水辺などは、とても新鮮な感触を楽しめる場所のようです。
草むらや花壇、土が剥き出しになっている公園や歩道、そして河原などは、普段あまり触れることのない感触を楽しめる場所です。またこういった場所は自然のさまざまなニオイがすることもあり、寄り道したがる犬も多い場所の一つです。
3.食べ物のニオイがする場所
食べることが大好きな犬はたくさんいます。そのため、美味しそうなニオイがする場所も、犬を惹きつける魅力的な場所の一つです。屋台が並んでいるような路地や公園、飲食店の多い通り、食事の支度をしている時間帯の住宅街の路地なども、寄り道したがる場所の一つです。
4.楽しい思い出のある場所
犬は、日々の危険なことや楽しいことの経験を積み重ねて、やってはいけないことや積極的にやった方が良いことを学んでいきます。お散歩の途中で寄り道をして楽しかったという思い出のある場所に行けば、また楽しい思いができるのではないかという期待から、寄り道をしたがるようになります。
また、楽しい思い出のある場所にとてもよく似た場所にも惹きつけられ、寄り道したがることがあるかもしれません。
5.会いたい人や仲の良い犬がいる場所
飼い主さんやそのご家族以外の人や犬と出会え、かつ交流を深められるのも、お散歩の醍醐味の一つでしょう。いつもかわいがってくれる人やおやつをくれる人のいる場所、気の合う犬と会える公園なども、代表的な寄り道したがる場所の一つです。
他の人や犬との交流は、犬の社会性を高めるチャンスでもあります。嫌がる犬に無理やり交流を強制するのは良くありませんが、犬が好むのであれば、積極的に利用すると良いでしょう。
寄り道は決して悪いことじゃない!
少し古い書籍を参考にしていると、「犬は人よりも上の地位に立とうとする」とか「飼い主をバカにする」といった表現が出てきて、その代表的な行為の一つに散歩中の寄り道(リードを引っ張って好きな場所に行こうとする)が挙げられていることがあります。
しかし、犬にとって散歩中の寄り道は、決して悪いことではありません。好奇心を満たし、五感を磨き、脳を活性化して認知症の予防にもつながります。社会性を向上させるのにも役立ちます。そして何より、退屈で生き甲斐のない毎日ではなく、ワクワクドキドキしながら、生き生きと暮らしていけるようになるのです。
愛犬にお散歩を心から楽しんでもらうためにも、いくつかの安全で楽しい寄り道ポイントを、飼い主さんが用意してあげるのも良いかもしれません。
まとめ
お散歩中の寄り道には、犬にとって良い効果をもたらすことが分かりました。いろいろなニオイがする場所やあまり経験のない感触を楽しめる場所、楽しい思い出のある場所や、会いたい人や犬に会える場所などに惹きつけられることも分かりました。
人に迷惑をかけず、危険な状況でないのであれば、寄り道を一緒に楽しむことで、犬にとって楽しくて質の高い暮らしをさせてあげられるでしょう。そのためには、飼い主さんも時間と心に余裕を持ち、愛犬とのお散歩を心から楽しもうとする気持ちが必要かもしれません。