ジビエに合う粗tな地酒「瑛」が秦野市の鶴巻で誕生 高まる地域活性の機運
株式会社川上商会(秦野市鶴巻南1の1の5/川上拓郎社長)がこのほど、新たな地酒「瑛(えい)」の販売を開始した。3年前から取り組んでいる「ジビエの食べられる街鶴巻温泉」を加速させ、さらなる地域活性化を目指すため自治会や商店会、温泉組合、地元飲食店らが一丸となり生み出した鶴巻地区の地酒となる。
「瑛」を作り出すきっかけとなったのが、各商店会長や自治会、温泉組合、飲食店などが所属する「鶴巻温泉観光客受入環境検討会」。昨年の会議で「今後どういう取り組みをすべきか」を話し合う中で、3年前から行っているジビエと鶴巻の資源である温泉と合わせ、3本柱でプロモーションするためのオリジナルの酒を作り出す案が出た。
これを実現するため、秦野唯一の蔵元である金井酒造店に相談したところ、快諾を得た。今年2月頭に蔵見学に行き、日本酒ソムリエの資格を持つ居酒屋楽(鶴巻北)の吉野和人さんを中心に試飲を行い、ジビエに合う日本酒を決めたという。
酒販免許取得も
地酒の名称は「水晶のように美しい透明な玉」の意味を持つ「瑛」の漢字を使い命名。米は秦野産「はるみ」を、水は丹沢伏流水を使用し、すっきりした優しい味わいとなっている。
また、現状では販売場所がなかったため販路確保のために川上商会で酒販免許を取得。9月21日(土)から始まる秋の大山-鶴巻温泉駅季節運行バスに間に合うよう申請し、製造を行ったという。
現在は川上商会で1本税込1千円(300ミリリットル)で販売しているが、今後は鶴巻エリアの飲食店でも注文できるよう広げていく予定。
地元の会社も協力
また、ラベルデザインに関しては鶴巻に事務所を構えるデザイン会社・株式会社エンピツ・グラフィックスが担当。「地域のためなら」と、同社代表の池山悦朗さんが協力した。ポスターデザイン=写真内=に関しても同様に無償で行ってくれたという。
「昨秋のバス運行時は若手からLINEを使ったスタンプラリーの提案が出たり、今年はその参加店が倍増したりとジビエの取り組みを盛り上げる機運が高まっている」と川上社長。川上商会でも秦野たばこ祭で新たに作ったジビエソーセージの販売を予定するなど、さまざまな方法を模索している。
「今後は秋の観光シーズンに向けて『瑛』を鶴巻の飲食店で飲めるように調整しています。一歩ずつジビエを盛り上げていければ」と川上社長は話す。
「瑛」に関する問い合わせは川上商会【電話】0463・77・1313へ。