2024年プロ野球変化球打率ランキング 球界屈指の対応力を持つ巧打者は誰だ?
100打席以上対象の変化球打率ランキングとストレート打率
投手の球速がいくら速くてもストレート一辺倒ではプロの打者は対応するが、そこに変化球を混ぜられると厄介だ。コース、曲がり幅、落差、緩急などに対応するためには正確なバットコントロールや配球の読みなど、打者としての高いスキルが必要になる。
2024年のプロ野球で変化球打率が高い打者は誰だろうか。100打席以上を対象にしたランキングは下の通りとなっている。
中日・宇佐見真吾が1位、10人中8人がセ・リーグ打者
1位は中日の宇佐見真吾で、変化球打率.337、3本塁打。プロ9年目、中日移籍2年目の2024年は61試合に出場して打率.303をマークした。ストレートの打率は.250、球速150キロ以上は打率.182と速い球には脆さも見せているものの、変化球にはめっぽう強く、3本塁打は全て変化球を打っている。
2位はセ・リーグ首位打者に輝いたDeNAのタイラー・オースティンで変化球打率.323、14本塁打。ストレートに対しても打率.302、11本塁打をマークしており、高い対応力が証明されている。
3位は変化球打率.322のDeNA・山本祐大。2024年はいずれもキャリアハイの108試合に出場して打率.291をマークした。打率.245と低いストレートに対応できるようになれば、さらに成績が上がりそうだ。
4位は巨人・モンテスの変化球打率.312。2024年7月に巨人入りし、46試合で打率.272だったが、オフに自由契約となっている。
5位は変化球打率.306のオリックス・西野真弘。プロ10年目の34歳は、89試合に出場して打率.300をマークした。ストレートに対しても打率.291とバランスよく打てており、オフの契約更改では推定年俸2300万円から5000万円へ大幅昇給を勝ち取っている。
6位以下は中日・細川成也(変化球打率.303)、中日・村松開人(変化球打率.303)、日本ハム・田宮裕涼(変化球打率.300)、ヤクルト・塩見泰隆(変化球打率.298)、広島・秋山翔吾(変化球打率.297)と続いている。
パ・リーグ首位打者に輝いたソフトバンクの近藤健介は、意外にも変化球打率.284、ストレート打率.355だった。ベスト10のうち、セ・リーグの選手が8人。比較的、投手がストライクゾーンで真っ向勝負する傾向のあるパ・リーグより、セ・リーグの打者の方が対応力は高いのかもしれない。
2019年は現役ラストイヤーの阿部慎之助が1位
最後に昨季までの過去5年の変化球打率トップ選手も紹介しよう。
2019年は現巨人監督の阿部慎之助が変化球打率.345で1位だった。現役ラストイヤーは95試合に出場して打率.297、7本塁打。通算2132安打、406本塁打の成績を残し、同年限りでユニフォームを脱いだ。
2020年はDeNAの神里和毅が変化球打率.363の高打率。同年は80試合に出場し、規定打席には未達ながら打率.308と、2024年までのプロ生活7年で唯一の3割をマークしたシーズンだった。
2021年はオリックス・吉田正尚が変化球打率.351、12本塁打。打率.339で2年連続首位打者に輝き、チームを25年ぶりの優勝に導いた。
2022年は打率.347でパ・リーグ首位打者に輝いた日本ハムの松本剛が変化球打率.359。2023年はヤクルトの塩見泰隆が変化球打率.327で1位だった。
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記事:SPAIA編集部