「自殺対策に関心を」 緑図書館で企画展示
自殺対策基本法で、毎年3月は「自殺対策強化月間」とされている。同月間に合わせ、緑図書館は3月25日(火)まで、中廊下で自殺対策関連のポスターや専門書、小説などの展示を実施している。
掲示されたポスターの中には、自殺で家族を失った遺族の気持ちに理解を深め、遺族の話を静かに傾聴することの大切さを呼び掛けるポスターのほか、自殺を考えている人が発することが多いというサインを「自殺予防の十箇条」として紹介したものもある。「原因不明の身体の不調が長引く」「酒量が増す」なども自殺のサインとして挙げられている。
また同館の司書らは期間中、胸に付けた名札に「わたしはゲートキーパーです!」の文言を表示している。厚生労働省によると、ゲートキーパーとは自殺の危険を示すサインに気付き、声掛けや話の傾聴など適切な対応を図ることができる人を指し、「命の門番」とも位置付けられている。同展の担当者は「来館者の中には、名札を見て『ゲートキーパーって何ですか?』と尋ねてきた大学生の女性もいた」と話す。緑図書館の高倉徹館長は「この展示をきっかけに、ゲートキーパーの役割などについての理解を深めてもらい、自殺対策につなげられれば」と話している。
18年から増加に転じ
緑図書館と共に同展を主催する横浜市の「こころの健康相談センター」によると、横浜市民の年間自殺者数は2010年に788人に上ったが、その後減少傾向となり、18年には484人に。ただそれから増加に転じ、23年では573人となっている。