実は永遠じゃない エレコムがモバイルバッテリーの寿命に注意喚起「目安はおよそ2年」
スマホの必需品として、バッグの中に常備している人も多いモバイルバッテリー。しかしその便利さの一方で、思いのほか短い「寿命」があることをご存じでしょうか。
「モバイルバッテリーには寿命があります」と三度繰り返し、Xで注意喚起したのはPC・スマホ周辺機器メーカーのエレコム。リチウムイオン電池搭載製品は「およそ2年間」を買い替えの目安として案内しています。
■ 2年が目安の理由は?エレコムに詳しく聞いてみた
投稿では「充放電回数300~500回が寿命の目安」と説明されていますが、寿命が近いと判断できる兆候はあるのか? 担当者にたずねてみると「以前よりデバイスへの充電回数が減ってきたなと感じたり、充電が完了しないといった症状があらわれます」とのこと。
また、2年という目安について、モバイルバッテリーを使用する回数が少なければ寿命は延びるのか?これについては「使用が少ない場合でも、電池は時間の経過や保管環境によっても劣化するので、2年目安での買い替えをお勧めします」との回答が。
つまり、使用頻度にかかわらず、長く持ち続けているモバイルバッテリーほど注意が必要というわけです。
加えて、投稿には「落としたり水濡れにも注意して大切にするとモバイルバッテリーも喜びます」とも記されており、丁寧に扱うことも安全に直結するようです。
■ エレコム公式HPでも警告「発火の原因は電池の劣化」
寿命を迎えたモバイルバッテリーを使い続けると、「充電容量の低下」はもちろんのこと「発火事故の可能性」も。エレコム公式サイトの「モバイルバッテリー選びの役立つ基礎知識」でも、より詳細な注意喚起が掲載されています。
特に重要なのが、リチウムイオン電池に起きる「電解質の酸化」と呼ばれる劣化現象。電解質が酸化するとガスが発生し、バッテリーが内部から膨張します。
膨張自体は即座に危険ではないものの、「衝撃が加わると事故につながるケースがある」とも説明されており「誤って落とす」「ポケットに入れたまま座って圧をかける」といった日常の動作が危険につながる可能性もあると注意しています。
■ 異変を感じたら、迷わず買い替えを
公式サイトの注意喚起は「発火や爆発の原因は、リチウムイオン電池の劣化や安全装置の不備にあります。充電スピードの遅延や異常な発熱、バッテリー部分の膨張など、バッテリーの劣化を感じたら、なるべく早く買い替えるほうが安全です」と締めくくられています。
今や毎日の生活に欠かせないモバイルバッテリー。その便利さの裏に潜む小さなリスクと正しい扱い方を、エレコムの注意喚起は改めて教えてくれています。
「まだ使えそう」と長く持ち続けるより、「2年経ったら新品へ」が安全のためのベストな選択と言えるでしょう。事故が起きてからではもう遅いのです。
<記事化協力>
エレコム(公式)(@elecom_pr)
<参考・引用>
エレコム公式HP「モバイルバッテリー選びの役立つ基礎知識」
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025112003.html