映画館で映画を観ることは「軽い運動」と同じくらい 体にプラスになるって知っていますか?【映画鑑賞と健康の関連性】
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。
新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
ゲストは、医療ジャーナリストで医師の森田豊さん!
・「元ハーバード大学専任講師」「大妻女子大学特任教授」「医療ジャーナリスト」と、過去も含めていくつも肩書きがあり、さまざまなメディア出演や講演をしていますが、最近では「ドクターXの医療監修」が、どの肩書よりも目立つことがわかりました。
・講演会に呼ばれるときも「ドクターXの医療監修の話をして!」と必ず言われるほどです。
・講演の際に壇上に垂れ幕のようなものがあるんですが、いつからか私の学歴や身分ではなく「ドクターX医療監修・森田豊氏」が多くなりました。
医療監修ってそもそも何をやるの?
→ドラマによって異なりますが「ドクターX」に関しては、医療部分の専門用語や、展開について、実際に存在する症例であることを確認します。当時、私は総合病院部長職で女性医師ら15人と働いていたので、その経験を活かし「働き方改革で5時には帰る」「上司でも間違いは指摘して事故を防止する」「効率の悪い教授回診はやめる」などからドラマの方向性を決めました。
たいへんなことはどんなこと?
→「夢物語ではない(=現実であり得ることしかしない)」ということを指摘することで、同じ病気で苦しむ方に、過度な期待が生じないように、配慮しなければならなりません。
・その『ドクターX』の映画『劇場版ドクターX』が今週12月6日金曜日に公開されます。
・2012年にドラマシリーズとして始まった私の医療監修も、一旦ここでファイナルです。
・今日は勝手に「劇場版ドクターX公開記念スペシャル」と題し、「映画鑑賞と健康の関連性」についてお話しします。
【 映画鑑賞と健康の関連性】
『 映画館で映画を観ることは「軽い運動」と同じくらい体にプラスになることが判明!』
イギリスの「ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン」という研究グループが、映画を劇場で観ることの健康への影響を発表しました。
研究によると、映画館で『アラジン』を観ている間、平均で45分間も心拍数が高まり、健康的な心拍数を維持していたといいます。
この「健康な心拍数」とは、最大心拍数の45~80%で、早歩きやガーデニングなどの軽い有酸素運動と同じ程度でした。
ちなみに、映画を見ている人の心拍数は、一斉に高まることが多く、多くの人が同じような場面で感情的興奮を経験していたようです。
またこの研究では、自宅ではなく、映画館で映画を観ることがオススメされています。映画館では室内が暗い分、周りの余計な物が視界に入ることがありませんよね。作品に没頭すること以外、他にやることがないので、自然と物語に集中するようになるからだとされています。
このような効果は「映画館効果」と呼ばれています。
『 映画館に年5回以上行く人は、生活の幸福度が顕著に高い!』
映画館に年5回以上行く人は、年0回の人に比べて10%以上高く、映画館で映画を観る行為が人々の“幸福度”を上昇させていると、松竹株式会社が発表しました。ここでの幸福度は「生活満足」「充実感」「健康」「生きがい」「希望」などと設定しています。
“幸福度”の上昇幅が大きくなるのは、年間鑑賞回数が0回から1回の間、そして4回から5回の間であることがわかり、特に“幸福度”を上昇させる効果が高いのは、年5回以上の鑑賞と考えられます。
幸福度が上昇した具体的な声としては「非日常を味わえる」「思い出になる」「癒やされる」「心にゆとりをもてる」「ストレスを解消できる」などです。
・「趣味」として「映画鑑賞」
こちらも、松竹株式会社が「映画鑑賞が気軽に行える趣味である6つの理由」というものを発表しているんですが、
1:性別や世代を超えて参加・交流できる
2:事前準備や道具を必要とせず映画館に行くだけでいい
3:一人でも家族でも、友人でも参加できる
4:1回あたりの所要時間が2時間前後とコンパクトである
5:天候や季節に左右されず、予定が立てやすい
6:幸福度の効果が高いとされている5回の鑑賞費用はおよそ9000円と、他の趣味に比べると安め
確かに、年齢や人数、天候などに縛られないというのは、とてもプラスな材料ですよね。また、年齢を重ねても始めやすく、「年齢を重ねても何かに意欲がある」ということがとても大切になってきます。
もし、日々の生活の中で「なんか新しく始めてみたいなぁ」と思っている方がいらっしゃったら映画鑑賞を趣味にしてみるのもいいかもしれません。
『 小学生時代の映画鑑賞経験が、その後の学力に繋がる!? 』
小学生時代の映画鑑賞経験が、その後の学力が高まることにつながるという報告があります。幼少期の読書経験が学力を向上させるという結果が出ているのと似ているかもしれません。
そして、学力以外でも、「好奇心旺盛」「日本や世界の文化に興味がある」などの子供に対してとてもプラスになると報告されています。子供時代から映画鑑賞することで、世の中への興味の幅や積極性を広げる可能性が高そうです。
「映画教育」というものを日本でも行っていて、「国立映画アーカイブ」という団体が、中学生以下を対象にしたイベント「こども映画館」を毎年開催。また、一般社団法人こども映画教室は2004年から「こども映画教室」を開催しています。
いろいろな角度から、子供の成長につながるようなことが行われていますね。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)