【若者の採用に積極】本間電機工業など新潟県内3社、働きやすい環境を整備しユースエールに認定
左から、栗山百造の栗山政義代表取締役社長、本間電機工業の本間隼人代表取締役、千葉茂雄新潟労働局長、新潟配電工事の村田靖代表取締役
厚生労働省新潟労働局は10月1日、本間電機工業株式会社(新潟県三条市)、新潟配電工事株式会社(新潟市江南区)、株式会社栗山百造(新潟県三条市)の3社をユースエール企業に認定した。
ユースエール認定は、若者の採用や育成に積極的で、離職率や所定外労働時間、有給休暇などについて一定の要件を満たす企業(常時雇用する労働者が300人以下)を厚生労働大臣が認定するもの。
1日午前、同3社が新潟労働局(新潟市中央区)を訪れ、千葉茂雄新潟労働局長から認定通知書を受け取った。
千葉茂雄新潟労働局長
認定を受けた内の1社である本間電機工業は、主に地元の製造業向けの電気工事などを手掛ける。同社の本間隼人代表取締役は「業務の特性上、顧客の工場の稼働中はできない作業があるため、どうしても休日出勤が増えてしまう。繁忙期になるとその代休も取りづらく、過去には、入社1、2年で辞めてしまう社員もいた。しかし『このままではいけない』と思い、働き方改革に取り組んだ」という。
現在は技術職社員の育成や仕事の平準化、男性社員の育休取得、1分単位でとれる有給制度の導入などを進め「少しずつ成果が出てきている。今後もえるぼし(女性活躍推進法に基づく認定)やくるみん(子育てサポート企業への認定)に挑戦し、より働きやすい環境をつくっていきたい」と話した。
新潟配電工事は、東北電力ネットワークの配電設備の工事を行う会社。同社の村田靖代表取締役によると「約5年前、ユースエール認定への挑戦をハローワークから提案されたが、その時は規程に届かなかった」という。
そこから働き方改革をさらに推進し「人事のDXや完全週休二日制などの実施」をして今回の認定に至った。今後も「引き続き、今回の認定を原動力として、全社員のワークライフバランスや働きやすい環境づくりに邁進していきたい」という。
栗山百造は、建築接合金物の製造、販売を手掛ける。栗山政義代表取締役社長は「製造メーカーということで、なかなか若い人が入ってこない。しかし(これからは)会社も新陳代謝をしないといけないと思い、2年ほど前から働き方の見直しに取り組んできた。まず、週休二日制、そして残業ゼロ。この数年で目標に近づきつつある」という。今後はさらにその継続に取り組みつつ、採用については「ミスマッチングを減らすことも大切」だと語る。
千葉労働局長は「急速な少子高齢化で、生産年齢人口の急減が予想され、労働力確保が課題となっている。新潟県でも人手不足の問題が顕在化し、担い手確保や誰もが活躍できる職場環境の整備が喫緊の課題になっている。今回認定された3社は、若者雇用促進のリーディングカンパニーとして県内企業を牽引してほしい」と期待を込めた。