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RMサザビーズ・ロンドンオークションで登場した「自動車の王族」

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RMサザビーズ・ロンドンオークションで登場した「自動車の王族」

ナイジェル・マンセルのテスタロッサから、女王専用のランドローバーまで、カーファンならずとも垂涎のクルマたちを紹介しよう。

textcharlie thomas

 クルマ好きなら、RMサザビーズのオークションリストを眺めるだけで、ずっと時間を潰すことができるだろう。次のオークションがどこで開催されるか、テーマが何であるかにかかわらず、興味深く貴重な名車たちに魅了されることは間違いない。掲載されているのは、実際の公道ではほぼお目にかかれない貴重なものばかりだ。

 20世紀初頭から現代のハイパーカーまで、すべての年代のクルマが揃っており、日本のハッチバックからイタリアのスポーツカー、アメリカのマッスルカーまで、あらゆるジャンルを網羅している。

 11月1日から2日にロンドンのザ・ペニンシュラで開催されたRMサザビーズの最新オークションも例外ではなかった。

 YouTubeで最高の映像のひとつとして名高いのが、アイルトン・セナが彼自身が開発に携わったホンダNSXを鈴鹿サーキットで限界まで攻めるシーンだ。

(動画を入れる)

 サングラスをかけ、ローファーに白い靴下を履き、コーナーでペダルを激しく踏み込み、ブレーキングしながらヒール・アンド・トウでシフトチェンジを行う。その映像は彼の驚異的なドライビング・テクニックと、それに応えるNSXの性能を見事に捉えている。その日セナが乗った車は白だったが、彼は黒2台と赤1台、合計3台のNSXを所有していた。

 そんなセナの所有車を超えるスペックを持つNSXが、RMサザビーズで出品された。1994年製のNSX-Rで、483台しか生産されていない貴重なモデルだ。ボディはシャーロットパールグリーン、内装はブラックアルカンターラで、工場オプションのチャンピオンシップホワイトの7本スポークホイールが装着されている。

 今回の落札価格は24万ポンド(2,454万円)であった。完璧なNSXといえる1台だが、今回のオークションで最もレアなクルマというわけではなかった。

 NSXの他にも、1924年製ベントレー3-4½リッター・スピード(£218,500≒4,333万円)、1973年製ポルシェ911 RS 2.7、(£483,125≒9,581万円)または158台しか生産されなかった右ハンドル仕様の1971年製フェラーリ365 GTB/4 デイトナ(£450,000≒8,924万円)など、今回のオークションには貴重なクルマがたくさん出品された。

 その中でも最もレアだといえるのが、1957年製ジャガーXKSSである。XKSSがヨーロッパのオークションで出品されるのは初めてのことなのだ。

 このXKSSは、シャシーとボディがマッチングナンバーで保存されており、わずか18台しか製造されていないうちの1台だ。事実上、Dタイプの公道版であり、ジャガーの中でも最も称賛されるモデルのひとつだ。スティーブ・マックイーンが1956年製のブリティッシュ・レーシング・グリーンのXKSSを所有していたことでも知られている。

 ジャガーは1950年代のル・マンで圧倒的な活躍を見せ、Dタイプで1955年から1957年にかけて3連覇を達成した。しかし、1958年から3リッターの排気量制限が発表され、Dタイプはレースから引退した。

 その結果、18台のシャシーが未使用のまま残された。ジャガーはそれらを無駄にせず、公道走行が可能なXKSSに改造し、他のスポーツカーシリーズにも参加できるようにしたのだ。

 このXKSS(シャシー番号XKD 540)は、元々ブリティッシュ・レーシング・グリーンのボディとスエード・グリーンのレザー内装で仕上げられていたが、現在は二色塗装とジャガー工場による3.8リッターへのアップグレードが施されている。

 しかし、大部分はオリジナルの状態を保っている。推定価格は900万から1100万ポンド(17億〜22億円)にものぼった。実際の落札価格は、「要問い合わせ」となっている。

 また、イタリア製の魅力的な車も多く出品されており、1989年製フェラーリF40が特に注目された。非調整式サスペンションがオプション装備され、触媒が取り付けられていないため、エキゾースト音が抑えられることはない。

 マッチングナンバーのこのF40は、工場出荷時の仕様であるロッソコルサとストッファ・ヴィゴーニャ(高級ファブリック素材)の内装を備え、走行距離はわずか20,921km。落札価格は£1,973,750(≒3億9,143万円)であった。

 また、わずか250台しか製造されなかった「ショートノーズ」仕様の1965年製フェラーリ275 GTB(£1,748,750≒3億4,702万円)や、1990年にF1チャンピオンのナイジェル・マンセルが所有していたテスタロッサ(£172,500≒3,422万円)も出品されていた。

 さらに特別なのが、英国の自動車販売店ジョー・マカリによるエンジンのリビルドが施されたばかりの1964年製フェラーリ250 GT/L ベルリネッタ・ルッソで、落札価格は£1,146,875(≒2億2,749万円)であった。

 他にも、女王エリザベス2世のために準備された1978年製ランドローバー・シリーズIII(レプリカ)(£36,800≒729万円)も出品された。プレキシガラス製ウィンドウやアクセスがしやすい特注の後部ドアを備えていた。

 また、より速さを求めるなら、ハロッズのリバリーが施された、5台限定の2020年製マクラーレン・セナGTR LMが£1,750,000(≒3億4,713万円)で成約された。

 その他のクラシックカーには、1954年製メルセデス・ベンツ300SLガルウィング(£1,445,000≒2億8,678万円)や、アストンマーティンの「Xパック」V8ヴァンテージ(£241,250≒4,788万円)、そしてジェームズ・ボンドも納得するであろう完璧にレストアされたDB5(£567,500≒1億1,263万円)もあった。

 資金に余裕がある人にとっては、まさに垂涎のラインナップと言えるだろう。その他の方々にとっても、リストを眺めるだけで、夢の翼を羽ばたかせることができるだろう。

https://rmsothebys.com/

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