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女性建築家らが活動10年 町田でも 「目線」家づくりに

タウンニュース

代表の岡野さん(左)と理事の久保田昭子さん

町田市などで活動する女性建築家らの団体が先ごろ、法人化10周年を迎えた。「『住まいの鍵』を握るのは女性」とその視点を大切にした家づくりの浸透を図る目的で結成された団体。実績を積み重ねる一方、代表の岡野美紀子さん(西成瀬在住)は、「今はもう『女性のために』だけを掲げる時代ではない」と先を見据える。

個人・団体40

一般社団法人WHAIS(以下ワイズ/横浜市)は女性建築家とデザイナー、監督で構成されるプロジェクトチーム。家やカフェ、病院などの空間づくり・ブランディングのほか、セミナーや相談会を開催。岡野さんの地元である町田市内でもさまざまなイベントを開いてきたといい、以前開催した女性目線に立ったセミナーは大手企業から共同開催のオファーがかかるほどに反響があったという。

2009年に設立し、より活動を社会に認めてもらうため、5年後に法人化。5人で始めた団体は、10周年を迎えた今では理事10人、協力する個人・団体は40にまで拡大した。

建築会社で働いていた岡野さんが感じていたのは、家での仕事をするのは女性が多い傾向にあるにも関わらず、家を建てる際には女性の意見があまり入っていないこと。実際、建てた後のリフォームは女性の希望が多いという。

岡野さんは建設業界は男性社会の側面があると感じており、「意見をより伝えられるようにすれば顧客満足度もあがるはずだ」と思ったことが「仲間を集めだすきっかけになった」と振り返る。団体を作ったことで個人や少人数で活動する団体が協力できるようになり、大きなプロジェクトの受注も増え、社会に求められていたと感じているという。

特化の時代でない

女性目線に特化した取り組みを続けてきた一方、岡野さんは「もう『女性のために』だけを掲げる時代ではなくなった。性別に関係なくやる時代になった」といい、ジェンダー平等の考えの浸透を実感しているそう。そのため、現在ワイズに協力する会員には、男女の制限を設けなくなったといい、「ワイズのWはウーマンの頭文字だったが、今後どう変えて行くかが課題です」と話している。

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