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LET ME KNOW が選ぶ10曲【インタビュー】音楽の原点は L'Arc~en~Ciel「Blurry Eyes」

Re:minder

2024年04月03日 LET ME KNOWのシングル「偽愛とハイボール」配信日

LET ME KNOWの10曲 ①
Blurry Eyes / L’Arc〜en〜Ciel

「偽愛とハイボール」でブレイク!去年11月に結成されたLET ME KNOW


2023年11月に結成されたLET ME KNOWが今熱い!バンドとして3曲目の配信となった「偽愛とハイボール」のリールがInstagramで600万回再生。シティポップや昭和歌謡のエッセンスを感じ取れる名曲として、幅広い世代の音楽ファンの間で話題になっている。

同曲は韓国Spotifyバイラルチャートで1位、Shazamチャート1位に輝き、日本のiTunesトップソングランキングでは2位を記録。そして5月4日には韓国ソウル市の中心街、弘大のオウルマダン路にてストリートライブを敢行。前日夜中の告知に関わらず多くのファンが詰めかけ大きな話題に。また、5月31日に原宿ルイードで行われたワンマンライブは即日ソールドアウト!若い世代の女性が中心に詰めかけ、ライブは大盛況で幕を閉じた。

“ノスタルジックモダン” というテーマを掲げるLET ME KNOWの音楽性は、どこか懐かしさを感じさせながらも革新的だ。80年代、90年代の洋楽、邦楽の良質な部分を次の世代へと繋ぐ継承者としてRe:minderは彼らに注目していきたい。そこで『LET ME KNOWの10曲』と題した連載をスタート。メンバーそれぞれがピックアップしたフェイバリット・ナンバーを軸に、インタビューを試みた。ここから、バンドの全貌を紐解いていきたい。

メンバーそれぞれの音楽的趣向が綿密に絡み合いクリエイトされたLET ME KNOWのサウンドは、これまでに日本のロックの系譜には見られなかった新しさが潜んでいる。そんな彼らの音を聴き、”時代は変わる” という言葉を痛切に感じる。大げさではなくLET ME KNOWは日本のロックシーンの常識を塗り替えるようなポテンシャルを秘めている。メンバーはMatty(Vo)、Ken_M(G)、Lyo(Dr)の3人。Ken_MとLyoは双子の兄弟だ。

第1回は全楽曲のアレンジを担い、バンドサウンドの土台を支えるギターのKen_Mに話を聞いた。彼が挙げてくれた曲はL’Arc〜en〜Ciel「Blurry Eyes」だ。

ラルクは自分の音楽の原点


―― まずは、Ken_Mさんが挙げてくれたのは、L’Arc〜en〜Cielですね。これが自身のルーツだったりするのですか?

Ken_M:この曲はギターを始めた時、最初に練習した曲です。一番思い入れがあって、一番好きな曲です。

―― ギターはいつから始めましたか?

Ken_M:高校生の頃からです。そもそもは、家庭教師の先生がバンドをやっていて、その先生のライブを観に行ってバンドってかっこいいな、と思ったのがそもそものきっかけでした。先生がドラムだったので、最初はドラムに憧れました。Lyoと2人で “ドラムってかっこいいな” と盛り上がって。ただ、電子ドラムを購入しなくてはならないなど、金銭的に難しい部分もあったので、 “ギターやるか!” と。それで僕がエレキギターを買ってもらって、Lyoはアコースティックギターを買ってもらいました。

―― 2人ともスタートはギターなんですね。

Ken_M:だけど、2人とも3日もやっていないですね(笑)それからしばらくして、L’Arc〜en〜Cielに出会い、本格的にやってみたいと思うようになりました。彼らを初めて知ったのは『ミュージックステーション』でした。やはりhydeさんがかっこいいので、自分もボーカルだ!と思ったのですが、すぐに諦めて(笑)。ラルクはキーが高いので単純に声が出なかったというのが原因です。

―― ラルクって自分にとってどんなバンドですか?

Ken_M:自分の中の音楽の原点です。

―― 今のLET ME KNOWの音にはラルクのどういう部分が活きていますか?

Ken_M:ラルクのメンバーそれぞれのルーツが洋楽にあるので、その後に自分が好きになったバンドも洋楽から影響を受けているバンドばかりでした。ラルクがやってきた “音楽を掘り下げる” という部分でも大きな影響を受けたし、アルバムからの影響でいえば、ファーストからセカンドぐらいのニューウェイヴ、ポストパンク的な部分がLET ME KNOWの音に反映されていると思います。ギターの音にも常にコーラスがかかっていている部分とかもラルクの影響ですね。

―― LET ME KNOWとラルクの共通点として思ったのは、洋楽の背景がしっかりと見えながら、日本の音楽シーンでも時代に左右されない普遍性だと思います。

Ken_M:そういう部分はあまり意識していないですね。洋楽のディープなところも好きですが、メンバー全員がキャッチーなものが好きなので、そこが普遍性に繋がっていると思います。

「偽愛とハイボール」に感じる昭和歌謡っぽさ


――「偽愛とハイボール」にも普遍性がありますよね。この曲を聴いて “昭和歌謡っぽい” と感じる人も多いですよね。

Ken_M:確かにその感想はいただきますね。シティポップっぽいとか、YouTubeやSNSのコメントでよくいただくのですが、実は誰もシティポップを通ってなくて(笑)なので、結果的にそうなった感じですね。

―― 僕も “昭和っぽい” という感想を聞いて、改めて聴いてみると確かにそういう風にも聴こえるなと。ただ、僕はやはり、ニューウェイヴっぽいエッセンスを先に感じました。

Ken_M:ありがとうございます。そちらの方が僕らの意図に近いです。

―― ギターのエフェクト処理をはじめ、音の組み立て方がニューウェイヴですよね。

Ken_M:そうなんです。期待していただいたリスナーの方々には申し訳ないですが、シティポップ、歌謡曲は通っていないです(笑)。曲が完成して、アレンジをつけた時も “シティポップができた” とは思っていなかったので。 “昭和感” というのも全く意識していないです。

―― “昭和感” というよりも80年代的なエッセンスですね。

Ken_M:そうですね。「偽愛とハイボール」は日本よりも先に韓国で盛り上がりを見せていたので、どうしてだろう?と思った時に、最近、韓国でシティポップが流行っていると聞いたのと、そこから韓国のバンドを聴くようになりましたが、80年代的なサウンドのバンドが多くて、韓国の人たちの間で流行っているのかなと。

韓国でストリートライブを敢行!音楽に国境はない


―― 先日、韓国でストリートライブをやられましたよね。どうでしたか?

Ken_M:びっくりしましたね。昼間の2時、3時頃に2回やったのですが、その前日の夜11時頃に “明日よろしく” みたいな軽い感じで告知をしたんです。それなのにすごい数の人が集まってくれて。

―― 日本と観客の熱狂の違いはありますか?

Ken_M:韓国では言語が異なっているにも関わらず合唱が起こりました。路上ライブでこんなことが起こるんだなぁと。

―― みんな日本語の歌詞を知っていたわけですよね。

Ken_M:そうですね。そこに感動しました。音楽に国境はないということを初めて感じました。素晴らしい経験だったと思います。

―― 逆に韓国で流行っている音楽を取り入れようとか考えましたか?

Ken_M:韓国のバンドで今ハマっているのが “Wave To Earth” というバンドで、それこそニューウェイヴの時代に通じる音を出していてめちゃくちゃカッコいいです。韓国だからどうこうというのではなく、大好きですね。

―― 韓国の音楽シーンも多彩ですね。日本人の感覚とは異なる部分があるのでしょうか?

Ken_M:多少違うと思います。“Wave To Earth” も韓国にとどまらず、海外でガンガンにツアーをやっているバンドなので。K-POPも世界的な規模になっていますし、日本よりもグローバルな感じがします。

―― LET ME KNOWにとっても、韓国のシーンというのも重要であるということですね。

Ken_M:元々、海外でやりたいという思いがありました。僕らで作った音が海外に届いたら、こんなに嬉しいことはないと思いながらバンドを始めたので。ゆくゆくは確実にやりたいとメンバー全員で思っています。それで思ったより早く韓国で「偽愛とハイボール」がヒットしたので、活動の幅をアジアから広げていきたいと考えています。

振り幅の大きい音楽を作っていきたい


―― YouTubeにアップした「偽愛とハイボール」は日本、韓国にとどまらず全世界的な再生回数があったと聞いています。

Ken_M:そうですね。国ごとに解釈が違うと思います。なので、そういう振り幅の大きい音楽を作っていきたいですね。

―― 自分たちが意識していないところで、結果的に大きな反響になったという部分があると思います。そういう想定外の反響というのも、今後のテーマになりませんか?

Ken_M:なりますね。でも “昭和っぽい” という曲の印象について、どこまでの幅があるのか定かではないのですが、「偽愛とハイボール」が単純に昭和の時代にリリースされた洋楽から影響を受けた曲に日本語をのせたらそういう印象になったということです。今後も僕らが日本語の歌詞でやっていくのなら、言葉の響きを大事にしながら、そこに今まで影響を受けた80年代のサウンドからのエッセンスを入れてバンドの軸としていきたい。もちろんMattyの作るメロディの昭和っぽさもあると思うので、そこは武器になるように意識していきたいと思っています。

新曲「100円キッス」に感じる普遍性


―― ラルクは、アルバムを出すごとに音楽性がどんどん進化していきましたが、バンドの軸というのがしっかりとありましたよね。5月に公開された新曲「100円キッス」のミュージックビデオを観ましたが「偽愛とハイボール」にも通じるバンドとしての軸はしっかりと感じられました。歌詞とメロディに普遍性があるので、世代を問わずいろんな人が自分の人生とダブらせて聴くことができる曲だと思います。

Ken_M:そうですね。歌詞とサウンド感もマッチしたなと手応えがありました。

―― 去年(2023年)の11月に結成ということで、早いペースで着実にバンドの音楽性が固まってきたと思います。

Ken_M:最初に曲を出したのが今年の2月でした。それから2月、3月、4月、5月と月に1曲出している感じです。その中でも「100円キッス」は一番の手応えを感じています。やはり「偽愛とハイボール」で、思った以上に早く、多くの方に知ってもらったというのは大きいですね。今までやってきた自分の音楽キャリアの中でも、一番驚いたことです。今が一番楽しいです!

次回はボーカルのMattyが登場!作詞・作曲を手がけ、フロントマンである彼の内面にじっくりと迫ってみたい。

Information
LET ME KNOW LIVE TOUR 2024
-Nostalgic Modern-

追加公演オフィシャル先行受付中
▶︎ 9月10日(火)渋谷 CLUB QUATTRO
▶︎ 開演 19:00 (開場 18:30)
▶︎ チケット予約はこちら
https://eplus.jp/sf/detail/4070580001

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