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生きている人間として、鬼丸を視聴者の人に感じてほしい。『真・侍伝 YAIBA』鬼丸 猛役・細谷佳正さんインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

TVアニメ『真・侍伝 YAIBA』が、読売テレビ・日本テレビ系 全国ネット、土曜夕方5時30分枠にて2025年4月5日放送開始!(一部地域除く)

『YAIBA』は、「週刊少年サンデー」(小学館)で1988年から1993年にかけて連載された青山剛昌さんによる人気コミックス。累計部数は1700万部を突破しています。

青山剛昌さんは『名探偵コナン』の原作者でもあり、そんな『YAIBA』が完結から30年の時を経て、ついにTVアニメ『真・侍伝 YAIBA』として放送!

アニメイトタイムズでは、TVアニメ『真・侍伝 YAIBA』の放送を記念して、鬼丸 猛役の細谷佳正さんにインタビュー。

キャラクターの魅力やオーディション秘話など、細谷さんのまっすぐに作品を向き合うお気持ちをうかがいました。

【写真】春アニメ『真・侍伝 YAIBA』鬼丸 猛役・細谷佳正インタビュー

アフレコ収録が進む度に知る、鬼丸 猛というキャラクター

――原作のイメージをお聞かせください。

鬼丸 猛役・細谷佳正さん(以下、細谷):自分が10代の頃に読んでいた『王道的な少年マンガ』というイメージです。

――今作の出演が決まってから、原作を読み返されましたか。

細谷:10代の頃に原作を読んでいたので、その時感じたイメージを大事にしようと思っていました。

――今作のアニメ『真・侍伝 YAIBA』のイメージをお聞かせください。

細谷:2025年に新作として放送されるアニメ作品ではあるけれど、個人的には懐かしい雰囲気を感じています。自分が子供の頃に観ていたアニメの演出に非常に近い感じを、絵作りやキャラクターの表情の変化や、アクションの描かれ方から感じました。

作中にスマホが登場するんですけど、「そこは現代に寄せているんだな」と思いましたが、それ以外は原作との変化は個人的にはあまり感じなかったです。

――鬼丸 猛という役の印象をお聞かせください。

細谷:鬼丸に抱いたイメージは、"ラスボス"という感じでした。歴史にそれほど明るくない人たちがイメージするであろう織田信長という感じ(笑)。第六天魔王(※1)みたいな(笑)。最初はそんなイメージでいました。

※1:欲界の第六天にいる他化自在天のこと。人間の望みを叶えたり快楽を与えて、それを自在に自分の快楽とする事ができる神様。織田信長が名乗ったといわれている。

収録が進み、監督から演出を受けていく中で、少しずつそのイメージも変わっていきました。鬼丸も剣で頂点を目指すもう1人の主人公なんだなと。

作品的にはラスボスの立ち位置ではあるけれど、まだ未熟な部分を存分に残した"挑戦者"なんだと思います。その気質というか雰囲気を蓮井監督は鬼丸に持たせたいのだろうなと思っています。

なので、最初から完成された"第六天魔王"なイメージではなく(笑)、それこそ織田信長がまだ"尾張の大うつけ"と呼ばれていた頃の様な、ギラギラした雰囲気とか、気に入らないことがあればすぐに部下を斬り捨ててしまう様な、"周りを恐怖で従わせる程度の次元での強い人"から始まっています。

これから物語も長いので、その過程でたくさん変化していく役だと思いますし、それが楽しみです。

鬼丸 猛のオーディション秘話

――鬼丸 猛役はオーディションだったのでしょうか。

細谷:テープオーディションでした。当初は、提出した音声データでのみで合否が決まると聞いていたのですが、提出してしばらくしてから監督が迷っているという話になり、スタジオでもう一度オーディションを受けることになりました。

キャスト発表時のコメントにも書かせていただいたんですけど、その頃は全てのオーディションに落ち続けていたので、スタジオに行くのが本当に嫌でした(笑)。行かなければ落ちないんだから行かないでおこうと(笑)。

――そのようなお気持ちの中、二次オーディションに行ったんですね。

細谷:スタジオで、本作の音響監督である山田陽さんが「絶対(鬼丸役は)細谷くんで決まりだから」って言ってはくれたんですけど、山田さんって高田純次さんみたいな人なんですよ(笑)。

だから、本当に全然信じてなかったんですけど(笑)、その時のオーディションから4か月ぐらいして合格の連絡が来たんですね。凄く嬉しかったですけど、安心した気持ちの方が大きかったです。

「自分には作品が大きすぎるのかも知れない」と考えていたので。落ちるとも思いたくなかったし、受かるとも思ってなかったです。考えたくなかった(笑)。ガッカリしたくなかったんだと思います(笑)。

――実際にアフレコ収録に参加して、鬼丸を演じていって、いかがでしたか。

細谷:『強さ』とは何だろう?どんな人を強い人というんだろう?みたいなことを鬼丸を見ながらよく考えていました。

剣道に『心・技・体』(※2)という言葉があって、強い者になるには、三つを鍛えていく必要があるみたいなことだと思うんですけど。

鬼丸は「技」と「体」は強いかもしれないけど、「心」は未熟なんです。その「心」の未熟な部分をより多く拾って表現していくことを、楽しみながら演らせて頂いています。

この三つの要素のバランスの悪さが人間らしいというか、中学生という感じがして好きです(笑)。

※2:(心技体とは「心=精神」、「技=技術」、「体=体力」を表わしており、武道やスポーツの世界では、3つが揃うことを最良としている)

高山みなみさんの素晴らしさ

――鉄刃役の高山みなみさんと共演されていかがでしたか。

細谷:光栄でした。高山みなみさんは自分が子供の頃からTVで声を聴いている方なので。その人とライバルキャラクターとして台詞を交わせることは、とても有難いことだなと。

物語の序盤に、刃と鬼丸が決闘するシーンがあるんですけど、そのシーンをアフレコすることを、みなみさんも楽しみにしてくれていたのかもしれないと何となく感じたんです。それって凄いことだなと。

先輩としてフォローするわけでもなく、演者として競おうとするわけでもなく、ただ役としてフラットにそこにいて、お互いにそのシーンを一生懸命やっている感じがしたんですね。

凄い人だなと思いました。

アニメーターたちの覚悟と挑戦

――『YAIBA』は見たことありますか。

細谷:放送されていたアニメは観たことがありません。画像検索で絵だけは観たことがありました。

――『YAIBA』という作品は、シリアスとコミカルのバランスが絶妙です。真剣に戦っている中でギャグっぽくなって、顔も変わったりしますよね。

細谷:懐かしい雰囲気を感じました。

――細谷さんが演じるということもあり、今作の鬼丸はとても人間味を感じます。

細谷:ありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです。

――未熟な中学生だから、鬼になってしまうんですよね。

細谷:強さへの執着心が強過ぎるからだと思います。強さを求めるあまり、風神剣に手を出してしまい、心の弱さを風神につけ込まれてしまいました。

――鬼丸にも部下はいますけど、孤独なところがありますよね。

細谷:力と恐怖で無理やり周りを従わせているところがあるからなんですかね。

――刃はメンタルが強いですよね。

細谷:最初から完成されているキャラクターという感じがします。

――今作は東京の街並みが描かれていいます。細谷さんが気になったシーンをお聞かせください。

細谷:雷門の前で、刃と鬼丸が決闘するシーンが印象的でした。戦いがヒートアップしていって、最後バスの上で戦うんですけど、あのシーンの絵の描き込みが、本当に素晴らしかったです。

あのシーンはオーラも出ていないし、派手なビームが出るわけじゃないんですけど、『凄いアニメが始まったな』と視聴者の方には感じて貰えるのではないかなと思います。

これから『真・侍伝 YAIBA』が新作として放送されて行きますが、あのシーンは過去の名作に現代のアニメーターの方々が挑む意思の象徴というか、作品のパワーを表明しているように感じました。

――最後に本作を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをお願いします。

細谷:完結から30年、当時の若者達に愛されていた作品が2025年の現代に『真・侍伝 YAIBA』という新作として放送されて、今のアニメファンや原作ファンの皆さんに、どんなふうに感じてもらえるのかを楽しみにしています。

個人的に、本作は自分が子供の頃に観ていたTVアニメを彷彿とさせるような"懐かしさ"を感じているので、今の若い人達にどんなリアクションをしてもらえるのか、ワクワクしています。

楽しみにしていてください!

――ありがとうございました!

[取材・文 宋 莉淑(ソン・リスク) 撮影:小川遼]

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