明治の瓶入り牛乳が3月末で販売終了!!瓶の方がおいしいって本当!?
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ～」なトピックスを。 新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
先週の「スーさん、これいいよ」では、ミルク料理研究家の小山浩子さんに
『試してほしい学校給食の牛乳』を教えていただきました。
そんな中、「明治の瓶入り牛乳が3月末で終了」というニュースが。
・放送後に、スタッフ含めて給食の牛乳の話で盛り上がったんですが、牛乳の入っている容器が瓶とパックだった人が半々くらいで、お互いに驚きがあったんです！
・瓶だった人が４人、パックだった人が３人。
【瓶】杉山、スー、刈屋（東京）、山﨑（佐賀）
【パック】新谷（香川）、木村（千葉）、八島（福島）
この瓶とパックの関係について、もう少し知りたい！ということで、
小山さんに改めて詳しく教えてもらいました！
小山さんに給食の牛乳。瓶かパックかの件、その違いについて伺いました。
小山：基本的には、昭和～平成初期生まれの方が瓶です。しかし、かなり地域差がありまして、いま完全になくなっているのではなく、13エリアぐらい、瓶が残っていると言われています。給食は、大手より、地域乳業が届けていることが多いんです。今年、明治が、瓶とコーヒー牛乳をやめるというビッグニュース。大手に限らず、中小も瓶をやめる決断をするところもでてきています。。
明治が瓶牛乳を3月末で終了とお伝えしましたが、実は、ここ数年で瓶牛乳の製造をやめる大手メーカーが増えているんです。2021年、小岩井乳業が販売終了。2024年、森永乳業が販売を終了。
ただ一方、雪印メグミルクは、2024年４月のリリースで、
当社は、「びん商品」の販売を継続・拡大し、
「びん」ならではのおいしさや容器における情緒的な価値を提供してまいります。
Q：なぜ瓶牛乳が減っているのでしょうか？
小山：生産量は10年前の1/3ぐらいで、牛乳全体の1.6％ぐらいとなっています。
設備の老朽化や瓶のコスト、瓶の確保も難しいという事情が。パックと違うのは回収をして洗浄して、再び詰めて流通させる点。手間とコストがかかります。洗浄に使う水、洗剤も大量で環境に負荷をかけてしまうんです。
いくつかの理由があっての減少ということなんですが・・・
・牛乳が流通して100年ぐらいで、瓶牛乳を製造する設備の老朽化。
・そして、瓶を製造する業者が減って、牛乳メーカーが瓶を仕入れることが難しくなってきているそうです。
・そして、瓶の素材自体のリサイクルはよいことなのですが、手間とコストが見合わなくなってきていまして、瓶を洗浄する際に使う、大量の洗剤も環境に負荷をかけてしまっているんです。
Q：では、全部パックの方がいいのでは？と思う方もいるかもしれませんが、
瓶とパックで味が違うらしいんです。その点を伺いました。
小山：牛乳は飲んだ時の温度で味が変わるんです。同じ牛乳でも、1度違うだけでかなり変わります。瓶は紙パックより冷えやすく低い温度を保ってくれます。季節にもよりますが、瓶だと5度、紙パックで6～7度ぐらいになります。また、瓶は途中で温度があがったりはなく、パックだと、飲み始め、飲み終わりで温度が上がってしまうんです。そして、牛乳は五つの味を持っています。甘味、うまみ、コク味、塩味、酸味。ぬる暖かいと甘さ、コクだけ強く感じることがあるんですが、キーンと冷えていると、何かが突出せずにバランスが整うんです。ほかに、よく言われているのは、瓶の構造が、下唇に直接ビンが当たることで受け入れやすいということ。
そんな小山おすすめの瓶牛乳がこちら！
なかほら牧場 牛乳
岩手県にある「なかほら牧場」。
こちらでは、「自然放牧・草食・ノンホモ・低温殺菌・自家製造～直送」という考えうる最高の酪農と乳業手法で牛乳を作っているんだそうです。
※ちなみに、「ノンホモ」ですが、「ホモジナイズ」という牛乳に圧力をかけて均質化することで乳脂肪の分離を防ぎ安定した味にする工程があり、それをせずに自然な味わいが楽しめるのが「ノンホモ」です。
季節によって風味が変化するそうで、小山さんによると、放牧で草メインのエサなので、牛乳の色も緑がかっているそう。
今回は、そんななかほら牧場の瓶牛乳・500ミリリットルをスタジオにご用意しました。
では、小山さんのアドバイス通り、なるべく冷えたまま飲んでみましょう！
いま冷蔵庫に入っている瓶から、ステンレスマグに注いで飲んでみます！
スー・杉山：ソフトクリームみたいな甘さ！
「なかほら牧場 牛乳」。
500mlの瓶入りのもので税込1,188円。
プラパック130mlのもので、税込324円。
オンラインストアで購入できますが、都内ですと日本橋タカシマヤ新館に直営ショップがあります。
小山さんは、このお店に行った際は、必ず牛乳飲んで、アイスクリーム食べるそうで、「なかほら牧場牛乳のアイス絶品です。」とのことです。
今回、一人用の瓶牛乳で試飲しようと思っていたんですが、多くのお店がその場で飲んで、お店に瓶を返却するシステムになっているんです。ですので、一人用の瓶牛乳が手に入らず、「瓶の飲み口で美味しく感じる」ことについては検証できていないんですが、実際にお店に行って飲んでみてください！
購入できるのは・・・
秋葉原駅の総武線ホームにある「ミルクスタンド」。こちらは、常時50種類くらいの瓶牛乳が揃っています。そして、東京ソラマチに入っている「東毛酪農６３℃。
この２店舗、瓶入りのものはその場で飲んで瓶を返却するシステムですのでご注意いください。また、全国の温浴施設にもまだまだ残っています。瓶牛乳が飲める場所に行って飲んでみてください！
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)