大井町 歯ブラシを災害備蓄に 高齢者の口腔ケア対策で
大井町は災害時の口腔ケア対策として新たに歯ブラシを備蓄する。町によると、必要な備蓄セットの一部となるケースはあるものの、歯ブラシ単独で備蓄するケースは全国的にも珍しいという。
2024年の元日に発生した能登半島地震。支援に現地を訪れた町職員が、断水により歯磨きができず、誤えん性肺炎となる高齢者が多かったことを知り、「大井町でも似たような状況が起こりえる」と、昨夏に必要な備蓄品として提案した。庁内で話し合い、優先順位を決めて購入を決めた。町防災安全課の担当者によると「水がなくてもブラッシングすることにより、だ液が分泌され、口腔ケアにつながる」と説明する。
対象は80歳以上の高齢者とし、5200本を備蓄する。「いろいろ調べ、一般的に80歳以上の方が誤えん性肺炎になる危険性が大きいことがわかりました」と話す。町に80歳以上が約1700人いるため、一人3本換算と予備を含めて購入数を決めた。予算は19万円9000円。
町担当者は「なるべく早く揃えたい。遅くとも9月末まで」と話す。購入後は町の防災備蓄倉庫に保管する予定。