鉄道車両の「公式試運転」ってどんなことやってるの? H100形を例にJR北海道が動画で紹介
JR北海道の公式YouTubeチャンネルで「公式試運転に密着!」と題した動画が公開され、およそ1週間で3.4万回も再生されています。動画は7月中旬に実施された「H100形」の公式試運転を紹介したもので、同形式の導入経緯から試験の様子まで分かりやすく解説しています。
動画の前半では、まずH100形の導入経緯を説明。JR北海道のキハ40が老朽化し、定期修繕に手間を要するようになったことから、同社はその置き換え用にJR東日本の「GV-E100形」とほぼ共通の仕様としたH100形を導入。2020年3月から営業運転を開始しました。
現在は2024年7月に釧路に4両配置されたことで導入計画がひと段落したという状況です。H100形は苗穂、苫小牧、釧路、旭川の各車両基地に計99両配備されており、キハ40の後継として活躍しています。
後半では公式試運転の様子を詳しく解説しています。車両は兵庫の車両工場メーカーからJR貨物の機関車にけん引され、釧路へ。まずは給油や給水、保安装置や車両搭載用品の整備などを受けます。そうして準備の整った車両は釧路運輸車両所を出発し、釧路駅~古瀬信号場間で公式試運転を実施しました。
公式試運転では30項目の試験を行います。その全てを詳しく解説しているわけではありませんが、速度指示精度試験や力行加速・速度計現示試験、最高速度試験、非常ブレーキ試験など、一つ一つ丁寧にテストしながら安全性や信頼性を確かめていく様子を間近で見ることができます。
総合的に仕様を満たしていることが確認されれば、正式にJR北海道の車両に。その後は慣らし運転を経て営業運転へ投入されます。メディアも基本的にはこうした試運転に同乗することはないため、動画での詳しい紹介は「公式だからこそ出せる」非常に貴重なものです。
(画像はJR北海道のYouTube動画から)