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県高校総体前特集 バレーボール女子(4)臼杵 古豪の誇りが、再び火を灯す 【大分県】

オー!エス!OITA

写真/オー!エス!OITA SPORTS

 今月末に県高校総体が始まる。4月の全九州バレーボール総合選手権(九州総合)女子県予選では、絶対王者・東九州龍谷が貫禄の優勝を果たしたものの、大分商業が第2セットで健闘し、確かな成長を示した。国東や臼杵も着実に力を付けており、上位争いは激しさを増している。第4回は身長差を粘りと工夫で覆す臼杵を紹介する。

 

 かつて春の高校バレーに出場した実績を持つ古豪・臼杵が、今春の全九州バレーボール総合選手権県予選で久々にベスト4へと進出し、その存在感を取り戻しつつある。近年はベスト8止まりが続いていたが、今大会で見せた姿は単なる成績以上の意味を持っていた。強豪の牙城に食らいついたその戦いぶりには、確かな変化と進化が見て取れた。

 

 4年ぶりに指導者として復帰した佐藤優介監督は、4月にチームに合流したばかり。限られた時間の中で徹底したのは、プレーの基礎の再確認だった。チャンスボールをセッターに正確に返すこと。スパイクを最大限に生かすための助走のタイミング。そうした細部の積み上げに力を注ぎ、まずは「できるプレーを確実にする」ことをチーム全体に徹底してきた。

 

 佐藤監督は指導現場を離れていた間に、県の体育保健課でトップアスリートと関わりながら、伝える力を磨いてきた。厳しい言葉で選手を動かすのではなく、今は選手の良さを見つけて、認め、前向きな声掛けで練習の雰囲気を明るく保つことを大切にしている。「選手の能力をどう伸ばすか」という視点を持ち帰り、それを地元の高校生たちに日々還元している。

 

九州総合県予選でベスト4進出の臼杵

 

 臼杵の戦い方の特徴は、身長に頼らない「粘りと工夫」にある。キャプテンの江口葉月(3年)は「自分たちは平均身長が低い。でも、つなぎや考えてプレーすることが強み」と語る。相手のブロックを見てコースを打ち分ける巧みさや、ブロックアウトを狙う技術など、いかに相手の上をいくかに知恵を絞ってきた。

 

 1月の県高校新人大会で大分商業に敗れたことをきっかけに、「もう一度4強に入り、そこから九州大会へ」という明確な目標をチームで共有。以降は練習の中でも「九州大会」という言葉が日常的に交わされ、練習そのものの濃度が増していったという。目標があるチームは強い。その言葉を裏付けるように、選手たちは主体的に試合をつくり、発言し、互いに高め合っている。

 

 「追われる立場ではなく、挑戦者としてぶつかるだけ。その先に『古豪復活』がある」と佐藤監督は言う。かつての栄光に頼らず、しかし誇りを胸に。臼杵高校は今、粘りと挑戦のバレーで、再び頂上を目指そうとしている。

 

挑戦者として戦い続ける

 

 

(柚野真也)

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