湯河原町 給食費の意見公募 中学校給食実施に向けて
湯河原町が中学校給食の導入に向けて、5月27日(火)まで保護者が負担する給食費の金額案に関するパブリックコメントを実施している。町は6月に給食についての具体的な詳細を公表し、9月からの開始を目指す。
町内唯一の中学校である湯河原中学校では現在、牛乳のみを提供するミルク給食を実施している。主食や副菜を含む完全給食を求める町民の声を実現するために、町は湯河原小学校で調理した給食を中学校へ配送して提供する親子方式を採用した。
町は給食費の金額案について1年生と2年生が月額6200円、3年生が5530円に設定し、すべて食材購入に充てるとした。調理に必要な光熱水費や施設の維持管理費などは町が負担する。パブコメの対象は町内在住・在勤・在学の人、町内に事業所などを有する人。学校教育課に直接または郵送、FAX、電子メールで提出する。
7割が「給食希望」親子方式で暫定的に開始へ
町は2014年から小中学校長やPTA代表、栄養士らの検討委員会で中学校の給食導入について検討を続けてきた。3回にわたる児童や生徒、保護者へのアンケート結果では7割が給食導入を希望しており、特に校内で調理する自校方式を求める声が多かった。
当初は自校方式での導入で進められていたが、建設費用や生徒数の減少、中学校の老朽化など学校のあり方を巡る検討も踏まえて、見送られた。しかし、町民からの中学校給食を求める声が多かったことから「早期の対応が必要」と初期費用が安く、早期に実施できる親子方式を暫定的な方式として採用した。
自校方式については、学校のあり方について検討する特別委員会で引き続き検討していくという。
4月17日に開かれた臨時町議会で、給食関連の事業費1億6445万円を計上した一般会計補正予算案が可決。小学校では調理機器の増設や配膳室の改修工事費、中学校では給食を受け取る荷受室の改修工事費が盛り込まれており、食器や食缶などの購入費は6月に改めて計上する予定としている。
今後は工事業者を入札で決定後、調理室等を小学校の夏休み期間中に改修し、9月からの給食開始を目指す。町は「保護者には6月に学校メールや紙で周知する予定」と話した。
近隣市町の中学校給食については小田原市がセンター方式、箱根町が自校方式でそれぞれ導入している。真鶴町は現在、導入はしていないが、30年の小中一貫校の建設計画に伴い、26年8月から中学生が小学校に移動し同じ校舎となるため、小学校の給食室を利用し、自校方式による提供が可能となる見込み。