PMS、更年期...人に言えない「生理」の悩み。10代から50代の「これって大丈夫?」に答える本。
人に言えない悩みの1つや2つ、誰にでもありますよね。その1つが「生理前・生理中の悩み」という人は多いのではないでしょうか? もう何年も生理と付き合っていても、いまだによく知らないことって結構あるものです。
月間アクセス数126万を達成した、保健師めぐみさんのブログ「生理のお悩みアドバイザー」めぐみの保健室「人に言えない『生理前・生理中の悩み』が楽になる♪めぐみの簡単おうちケア」には、生理不順、不正出血、PMS(月経前症候群)などについて、あらゆる年代から相談が寄せられるそうです。
このブログをまとめた、10代から50代の女性に寄り添う一冊が『13歳から更年期世代まで 女性ならではの悩みがスーッと消える! 一生モノの生理とからだの取り扱い大全』(日東書院本社)です。本書は、初経から妊娠、出産、病気、閉経、更年期までをカバー。現在41歳の記者は「PMS」や「更年期」といったワードがとりわけ気になるところですが、もれなく解説されていました。
28歳、35歳、42歳...。7年周期で変わる体
はじめに、年齢ごとの体の変化を見ていきましょう。
女性の体は「7の倍数の年齢」で節目を迎えるといいます。これは中国に古くから伝わる東洋医学をもとにした考え方で、約2000年前の書物に書かれているそうです。7歳で乳歯から生え変わり、14歳は思春期、21歳で大人の女性の体が完成する......というように、女性の体は7年周期で変化していきます。
ここでカギを握るのが、脳から指令を受けた卵巣から分泌される「女性ホルモン」。これは赤ちゃんのころから少しずつ増えていき、28歳ごろにピークを迎えます。そこからゆるやかに、そして40歳を過ぎたころから大きく減っていきます。女性の一生は、女性ホルモンの影響を受け続けることになるのです。
■女性の一生はこんな流れで進んでいきます
7歳 歯が永久歯に生え変わります
14歳 思春期に入り、初経が来ます
21歳 大人の「女性」の体が完成します
28歳 女性としての人生を考える時期
35歳 妊娠や出産の確率が下がり始めます
42歳 女性ホルモンが減少し、体調に変化が
49歳 閉経を迎え、更年期の症状が出ることも
こうして7年刻みで女性の一生を眺めてみると、体は確実に変化していくことがわかります。実感として30代はあっという間で、40代になってもさほど変わっていないつもりでしたが、そうも言っていられないようです。
7割がPMS。生理前からつらい...
生理の3日前から10日前になると、胸が張る、眠い、頭が痛い、だるい、食べ過ぎてしまう、イライラする、落ちこみやすい......など、心身の不調を感じることはありませんか? これが「PMS(月経前症候群)」で、生理がある女性の7割に何らかの症状があるといいます。
では、どんな人が生理前に不調になりやすいのでしょうか? それは、生活が不規則な人、疲れをためやすい人、無理をしてがんばりすぎる人。PMSの症状は、疲れていたり体が弱っていたりすると、強く出やすいそうです。また、カフェインはPMSの症状に悪影響をもたらすので、生理前のお酒、たばこ、コーヒーなどは控えるようにします。
ここで覚えておきたいのが、生理による不調をやわらげるには「血流をよくする」ということ。血流が悪くなると、卵巣、子宮、脳に十分な酸素や栄養素が届かず、働きが弱くなり、生理のトラブルが起こりやすくなるのです。
■「血流がよくなる」4つのポイント
1 栄養バランスのいい食事をとっている
2 夜、しっかり眠っている
3 リラックスの時間がある
4 軽い運動をしている
ごく基本的な生活習慣ばかりですね。本書では、「理想的な睡眠スタイル」「幸せホルモンアップ呼吸法」「腰まわし体操」「あおむけのびのびストレッチ」など、生理前・生理中を快適に過ごすための「おうちでできるケア」が紹介されています。
たとえば、生理周期が乱れたり不調が続いたりしているときは「ごはんとおみそ汁」を、とあります。手軽でありながら、必要な栄養素がたくさんとれる組み合わせなのだそうです。
ある程度の年齢になると不調にも慣れてきて、「あぁ......またか」とあきらめていた気がします。知らなかっただけで、できることは案外いろいろあるようです。
閉経と更年期。実際どうなの?
閉経と更年期について、「なんとなく知ってるけど、実際どうなの?」と気になっている人は多いのではないでしょうか?
「閉経」とは、女性ホルモンを出す卵巣が働かなくなり、完全に生理が止まること。生理のない状態が12か月間続いて初めて、閉経を判断できるといいます。昨年9月に最後の生理が来て、今年9月まで1度も来なかった場合、「去年の9月で閉経した」となります。
閉経は突然やってくるものではなく、数年前から生理の周期が不規則になり、経血の量が減るなどの変化が見られます。次の段階として、生理が2、3か月に1度くらいの周期になり、間隔が空いていき、やがて終わります。
「更年期」とは、閉経の前後10年間のこと。日本人女性の平均閉経年齢は50歳です。45歳から55歳ごろが更年期という人が多いですが、個人差が大きく、45歳ごろまたは50代前半で閉経する人も。更年期は男女問わず経験するものですが、女性の6割が症状を強く感じるといいます。
では、どんな人に更年期症状は強く出やすいのでしょうか? それは、いまストレスを強く感じている人、マジメで几帳面な人、神経質な人、こだわりの強い人、他人に依存する気持ちが強い人。ストレスが悪影響をもたらすそうです。
■更年期に起こる症状
顔がほてる。のぼせる感じがある/汗をかきやすい/疲れやすい、だるい/手足が冷えやすい/頭痛、めまい、吐き気がする/眠れない。眠りが浅い/動悸、息切れがする/肩こり、頭痛、手足の関節痛がある/落ちこみやすい。憂鬱な気分になる/イライラしやすい。怒りっぽい/忘れっぽい/便秘、下痢、胃もたれ/肌がかゆい。性器がかゆい/セックスのときに痛みがある
ここでは、「PMS」「閉経」「更年期」をピックアップしました。このほか、10代から50代のさまざまな「これって大丈夫?」の答えが、本書には書かれています。
更年期はまだまだ先と思っていましたが、年齢とともに現実味を帯びてきました。個人的には、これまでに経験したことのない体の変化に戸惑っているところですが、女性の体の変化をひと通り知ってスッキリしました。初経から現在まで、体の中でこんなにもいろいろなことが起こっていたのですね。自分の体をもっと大事にしようと思えてくる一冊です。
(Yukako)
■目次
はじめに
序章 女性の一生と生理の関係
1章 生理についての基礎知識
コラム 『初経』について
2章 生理にまつわる悩みとケア
コラム 知っておきたい!自分の「性器」とのつきあい方
3章 女性特有の不調とトラブル
コラム 性感染症が不安!無料で相談できるサービス・機関
4章 妊娠と出産
コラム 望まないセックス、妊娠が起きたら
5章 閉経と更年期
コラム 『ホルモン』ってこんなにすごい!
おわりに
■保健師めぐみさんプロフィール
ほけんしめぐみ/保健師、看護師。慈恵医科大学付属柏看護専門学校、都立公衆衛生看護学校保健学科卒業。愉氣セラピスト、養護教諭(一種)、衛生管理者の資格もある。子どもの頃からアレルギーで、思春期には生理痛に苦しみ、婦人科の病気で悩んだ過去がある。体質改善につとめ、現在は、インターネット上で思春期から更年期まで、女性の悩みに寄り添っている。
画像提供:日東書院本社(辰巳出版グループ)