神保哲生「石破総理が総裁選の公約通りにできない理由」
石破総理が総裁選の公約に反していきなり解散総選挙に踏み切るなど総理就任早々“ブレ”が目立つ。10月22日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、ビデオジャーナリストの神保哲生が、なぜ石破総理が権力を行使できないのか理由を語った。
神保「権力闘争って何も与党と野党の間だけで戦われているわけではなくて、同じ自民党内でも、あるいは党官僚と総裁の間でも、霞が関の官僚と政治家の間でも常に戦われているんですね。それは、ある種あたりまえで、それぞれの人たちの利益が違うところにあるからなんです。自民党っていう組織を例えば会社単位で考えれば凄く分かりやすいんですけど、会社だったらとにかく売り上げを伸ばしたいわけですよね。自民党の党職員っていうのは議員が1人でも多くなると失礼な言い方ですけど“売り上げ”が増えるんです。これは政党助成金という一番分かりやすい“売り上げ”ですよね。これは議員1人あたりいくらっていうふうに決まっているわけですよ。だから、とにかくそれを最大化したい。それを最大化するためのスケジュールなり、ベストな方法を考えた時、『総裁としては自分の約束に反したことになるからできない』って言われても党官僚からしたら、そんなこと知ったこっちゃないわけですよ。極端な話、それで総裁の人気がなくなって政権が代わったところで別に党官僚としてはいいわけじゃないですか。結局、初戦の【解散時期】に関しては10対0の完敗で党官僚に押し切られてしまいました。それがこの政権の最初の躓きです。石破さんが権力を行使するためのベースが全然存在しない中で権限の行使ができなかったパターンなんですね。27日の投開票を発表する記者会見にわざわざ総裁が出てきて棒読みで『27日に選挙をやります』って言ったじゃないですか。あれは石破さんからするとせめてもの抵抗だったんですよ」