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【伊豆・またね自然学校】木の葉のベッドで寝てみない? 命を知る森の学び場

テレしずWasabee

テレしずWasabee わさびー

静岡・伊豆市できた「またね自然学校」は、森の中で命や生きる力を学ぶ場です。夜空を見上げながら木の葉のベッドで寝たり、捉えたシカの解体を見たり。子供たちにとって刺激的な体験になるのでは?! どんな場所なのか見学してきました。

【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ

【場所】修善寺の街から意外に近い「またね村」

伊豆市の中心部、伊豆箱根鉄道の修善寺駅から車で約20分。

田園地帯を抜け、山の中のくねくね道を進んでいくと「またね自然学校」の看板が現れます。

迎えてくれたのは「またね自然学校」の代表・斉藤大輔さんと、保護犬のすずちゃん。

またね自然学校の斉藤大輔代表 保護犬のすずちゃん

自らも猟師である斉藤さんは、主に子供に向けた狩猟合宿やキャンプ、エコツアーを開催しています。

広々とした芝生広場には元ペンションだった建物と、斉藤さんの住まい兼管理棟、廃材で作ったデッキや、炊事場があります。広さは周囲の森も含めなんと約5000坪もあります。

芝生広場 奥に見えるのは管理棟

またね自然学校・斉藤大輔さん:
子供達がのびのびと楽しく遊べる環境の良いところがないかと、妻が衛星画像で探して、この場所と出会いました。“宇宙から”見つけたんです

【施設】開拓ボランティアとつくった村

斉藤さんは長年、富士山のふもとで子供たちに自然体験を提供する団体にいましたが、独立して伊豆市に移り住みました。

夏は最高! なんとも開放的なシャワー

この場所を「またね村」と名付けて、2021年から全国のボラティアのべ1500人とともに“開拓”

約3年かけて2024年4月、自然の中の学びの場所を完成させます。

間伐材や廃材で作った炊事場

ペンションは廃業から35年放置されており荒れ放題。木や草が生い茂り、ゴミが放置されていました。

またね自然学校・斉藤さん:
ここは元々木がバンバン生えていて、それを伐採して整地して、建物も手入れを一緒にしてもらいました。みなさん「この年でチェーンソーを使えるようになりました」とか、「草刈り機使えるようになりました」とか、ちょっとずつできる事が増えていくんです

元ペンションを改装した「みんなのいえ」

「みんなのいえ」と名付けられた元ペンションは、またね村の中心的な建物です。

扉を開けると木の香りがまだ新しく、1階には広いダイニング、風呂、トイレがあります。

浴室 黄色い風呂桶は廃業した旅館からもらった

キッチンカウンターに置かれた間伐材のイスには鹿革の座面が貼られ、またね村らしさが顔を出します。

スタッフがデザインしたキッチン

2階は個室に区切られていたペンション時代の客室の壁を撤去して、大勢が一度に寝泊まりできる山小屋風の広い大部屋にしました。

窓から見えるのは伊豆の日本百名山「天城山」です。

2階の宿泊スペース 使える古い梁(はり)は再利用

「完成と言ってますけど、まだまだ終わりはないね」と斉藤さんは話します。

【体験内容】シカの命をいただく合宿

またね村を訪れてみたい人は、まず子供合宿などのイベントに参加してください。

狩猟合宿では、猟師でもある斉藤さんと一緒に広い敷地内の山林でシカ用のくくりわなを設置します。

狩猟合宿 (画像提供:またね自然学校)

シカの解体も子供たちに見てもらいます。“命をいただく”ということのリアルを目にします。

またね自然学校・斉藤さん:
なんで「いただきます」ってするんだろうとか、自然に生かされてるとか、体験を通してそれに気づいてもらえるよう、気づきや発見を促すようなプログラムです

シカの解体を見つめる子供たち(画像提供:またね自然学校)

苦手な人もいるし、賛否両論ありますが、保護者は理解を示して子供を斉藤さんに託すと言います。

食事はシカ肉や、またね村で平飼いしているニワトリの卵をとって食べます。

おいしい卵を提供してくれるニワトリ軍団

そして夜は外で寝ます。冬でもです。

斉藤さんが「ここが私のベッド」と指したのは、シングルベッドより少し狭いぐらいの丸太で区切られたスペースです。

木の葉のベッドに横になる斉藤さん

そこに落ち葉がこんもり盛られていました。合宿では天気が良ければ、落ち葉の上に直接寝袋を敷いて寝ます。

土の上に直に寝ると冷えますが、木の葉があるだけでずいぶん温かくなるものです。

筆者も横になってみましたが、想像以上にフカフカしていて、地面の固さはまったくありませんでした。これなら朝まで寝られるかもしれません。

木の葉のベッドで就寝する子供たち(画像提供:またね自然学校)

またね自然学校・斉藤さん:
野宿もします。冬でも当然外で寝るんですよ。月が明るければ、まぶしくて寝られないとか、イノシシも来るので気配がしたり。ちょっと心細く感じても、見上げると風で木々が揺れていて星も見える。人間も元々野生動物だから、実はむしろ落ち着くんですよ

また別のイベントでは海から天城山を越えて約40km、野宿をしながら歩くサバイバルウォークもします。

【体験内容】有害駆除されたシカ革のクラフト

またね自然学校のスタッフで革職人の松本天太さん

またね自然学校のスタッフの1人で地域おこし協力隊の松本天太さんは、有害鳥獣として駆除されたシカの革を使って製品を作る職人です。

またね村に工房があり、シカ革クラフトの体験イベントも実施しています。

持ち運びできるシカ革のチェア

ただのクラフト体験ではなく、猟師と一緒にまず森に入り、シカの生態や、シカが環境に与えている負荷、そして頑張って生きてきた証を見てもらいます。

「頑張って生きているシカ、その命を大事に使う」ということを理解したうえで、クラフトにのぞんでもらうのです。

革職人・松本天太さん:
一般的に流通してるのは牛革ですが、牛に比べると柔らかく軽いんです。人肌みたいにもっちりしていて丈夫なんです

キーホルダーやバッグなどのシカ革製品

日本に大昔からいて、日本の気候風土に順応してきた生き物なので、シカ革製品は高温多湿の環境下でも驚くべき耐久性を見せ、1000年以上前の鹿革製品が出てくることもあるそうです。

革職人・松本天太さん:
市販されている牛革製品はシミがついたままはありえないし、穴もありえないけれども、シカは野生なので、生きてきた証である穴やシミがあっても使います。ケガが残ってるのがワイルドです

色むらを生かしたシカ革のバッグ よく見ると毛も残っている

【まとめ】年齢別のプログラム

以上、またね自然学校の全貌をお伝えするには時間が足りませんが、イメージがわきましたか?

またね自然学校には、小学1年生からの「またねっ子」、小学校高学年から中高生向けの「またね塾」、大学生向けの「土の根」など、年齢に合わせたプログラムがあります。

定期的にイベントを開催しているのでホームページから探してみてください。

■施設名 またね自然学校 
■住所 静岡県伊豆市八幡1053
■問合せ 0558-79-3990

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