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放デイに入れたのは2年後!?候補10か所全て満員…門前払いから入所するまでのわが家の奮闘【読者体験談】

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放デイに入れたのは2年後!?候補10か所全て満員…門前払いから入所するまでのわが家の奮闘【読者体験談】

監修:森 しほ

ゆうメンタル・スキンクリニック理事

就学前から始めた放デイ探し。でも入れたのは小2からで……

現在9歳の息子は、3歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の診断を受けました。好奇心旺盛で色んなことに興味や疑問を持ち、暇な時間があると「楽しまないともったいない!」と言うくらい、エネルギッシュ。就学相談をし、小学校では通常学級に所属しながら、週に1回、特別支援教室に通っています。

わが家は、就学前の夏休み明けから10か所程の放課後等デイサービスに問い合わせしましたが、結局は入れたのは小学2年生になってから。そんなわが家の経験をお話しします。

放課後等デイサービス、候補だった10か所は、ほぼ満員で門前払い状態⁉

まず、大事にしたのは立地です。最寄り駅から3駅以内の場所をマストにしました。その条件で当時通っていた児童発達支援先から教えていただいた施設と、インターネットで自分で検索し、候補を絞り、残ったのは10か所。まずは、とにかく電話をかけて問い合わせました。
聞いたことは「空きがあるか」、「見学や体験はできるか」、「送迎はあるか」に加えて、「どのようなお子さんが通っていらっしゃるか」などを質問しました。

まずショックだったのは、最初の電話の時点で、ほとんどが満員、ほぼ門前払い状態だったことです。

「空きは出ないので、見学に来てもすぐの利用はいただけません」
「満員なので、かなり空きを待つ状況になると思います。それでもいいなら、見学は可能です」

みなさん電話での声は優しかったのですが、相手方の背後で子どもたちがはしゃぐ声が聞こえ、職員さんの声が聞き取りづらかったり、「ちょっと待ってください」と言われ電話が中断されたり。受け入れの余裕がなさそうな施設では、見学や体験のお話をする前に、「別の事業所さんに問い合わせてみてください」と言われたことにも驚きました。

結局、候補がすべて「空きがない」「いつか分からないけれど待つしかない」という状態だったので、入学に合わせて放課後等デイサービスに通うことは断念せざるを得ませんでした。

学校に慣れた1年後、再び探し始めたら……。ママ友のおすすめの放デイに見学も

小学校入学後はバタバタしていて、息子も新しい環境で疲れ気味でした。そんな様子を見て、入学と同時に放課後等デイサービスに通うことは難しかっただろうなと感じたので、(見つからなかったのも結果オーライだったのかな)と思いました。

そして学校にも慣れてきた1年生の終わり頃に、放課後等デイサービス探しを再開しました。ですが、状況は1年前とほぼ同じ……。いつになったら通えるのかと思いながらママ友に相談したところ、「この施設がおすすめだよ」とある放課後等デイサービスを紹介してもらいました。見学に行ったところ、息子に合っていそうな施設!ここならばと、その放課後等デイサービスで空き待ちの登録をしました。それともう1件空き待ち登録をしたのですが、実はこの2施設、小学校3年になった今でも待機状態です……。地域差もあると思いますが、本当に空いている施設を探すのは難しいことだと実感しました。

そんなわが家がどうやって今通っている施設に入れたのか?それは、新規オープンの施設を探し続けたからです。

狙いは新規オープン!工事中の施設に問い合わせをしたら

このように空きがない状況の中、私は並行して新しくできる放課後デイサービスを検索し続けました。定期的に「○○(最寄り駅) 放課後等デイサービス 新規オープン」でネット検索をしたり、放課後等デイサービスを運営している施設のホームページを巡回し、オープン情報が載っていないかをチェック。発達ナビの施設検索ページももちろん使いました。

そんな中、最寄り駅近くに放課後等デイサービスが新規オープンする情報をゲット!まだ建物も建っていない工事中の状態でしたが、インターネット経由で問い合わせをしました。するとすぐにお返事を下さり、工事完了後すぐに見学と体験をスムーズに行うことができました。

体験での息子は『ワクワクが止まらない』といった様子でした。そして「通いたい!」宣言。また、先生方の接し方がやはりプロ。ここなら安心して預けられると思い、この施設に通うことにしました。現在は週に1回通っています。

「良いところを見つけてくれてありがとう!」と息子。通ってみて感じたこと

この施設では、自主性を育てるような関わりをしていただけます。息子も楽しく通っており、その日のフィードバックもありますし、私も困りごとを相談しやすく、良いところに巡り合えたと思っています。

うれしかった出来事は、自ら準備~後片づけを一連の流れで行えることが増えてきたことです(しかも楽しそうに!)。今までは、後片づけは後回しになることが多く、嫌がっていたのですが、見違えるようです。また、自分の持ち物を確認するようになるなど、成長をうれしく感じています。

放課後等デイサービス探しには時間を要しましたが、良いタイミングで、わが子に合った施設に通うことができているので、よかったのではないかと思っています。また、何かあった時(急な病気や災害等)に備え、自宅近くや学校近くにあるというのも心強いです。

親子共に、家庭や学校以外にも居場所はあること、放課後や休みの日に一緒に過ごせる同世代の友だちがいること、また、優しく接してくれる先生方がいらっしゃることのうれしさを感じています。
わが子に、「良いところを見つけてくれてありがとう!」と言われた時には、探し続けてよかったな、と心から思いました。
これからも、ワクワクを見つけ、わが子らしく成長していってほしいなと思います。

イラスト/SAKURA
エピソード参考/七転八起

(監修:森先生より)
放課後等デイサービス探しに苦戦された経験談をありがとうございます。10か所もの施設に満員で断られながらも諦めずに探し続けたのですね。お子さんが心から通いたいと思える場所に巡り合えたこと、本当に素晴らしいです。

「発達障害」とひとことにまとめられることも多いのですが、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)は別の特徴を持っています。ASD(自閉スペクトラム症)は社会的コミュニケーションの困難さや、特定の興味への強いこだわり、感覚過敏などの特徴を持つ発達障害です。一方、ADHD(注意欠如多動症)は、注意を持続させることが難しかったり、衝動的な行動を取ったり、落ち着いて座っていられないなど多動が目立つ状態です。お子さんのようにASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の両方の診断を受けるケースも珍しくなく、これを「共存診断」と呼びます。

お子さんの「好奇心旺盛でエネルギッシュ」という素敵な特性は、ADHD(注意欠如多動症)の多動性やASD(自閉スペクトラム症)の特定の興味への集中力から来ている可能性がありますね。

さて、お子さんが楽しく成長している様子を見ると、適切な環境がいかに大切かが分かりますね。放課後等デイサービスなどの支援機関や学校の先生と情報共有をすることで、お子さんの成長に合わせたサポートを受けることが可能になります。特性で集中が難しい場合でも、放課後等デイサービスでの「準備~後片づけ」を楽しそうにできたように、小さな目標を達成する機会を増やすと自信につながります。時間の管理が苦手なケースでは、予定をカレンダーや絵カードで見えるようにすると安心感が増します。お子さんが自分でチェックできるとさらに良いですね。

また、「好奇心旺盛」という強みを生かし、お子さんが夢中になれる活動(工作、科学実験など)を一緒に探すと、興味の幅をさらに広げることができるでしょう。これからも親子で「ワクワク」を見つけながら、お子さんらしいペースで進んでいけることを願っております。支援機関探しに悩まれているお子さんやご家族の希望になる素敵なお話をありがとうございました。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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