津田健次郎「大学生の頃は真面目に授業に興味を持って、本気で勉強したほうがいい」#春からの君に伝えたいこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は映画『女神降臨』に出演した津田健次郎さんが登場。今という時間を大切にしながら、未来へ進むためのアドバイスをくれました。
【写真】津田健次郎の撮りおろし俳優・津田健次郎が<春からの君に伝えたいこと>
1.興味のある職業をインターンシップみたいなことで体験してみる
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
僕がやっておいてよかったと思うのは、バックパッカーで海外に行ったことですね。大学生のときはお金はないでしょうけど、時間はあるので、その武器を最大限に生かすといいのかなという気がします。
あとは本格的に社会に出ていく前哨戦のような期間でもあるので、興味のある職業をインターンシップみたいなことで体験してみる。ある日突然、一生付き合っていくかもしれない職業を選択することをいきなり突きつけられるのは酷だと思うんですよね。中学生くらいの頃からじわじわと考える機会があればいいのに、多くの人は大学三年生くらいからいきなり決めなきゃいけなくなる。だったら興味のある職業は全部体験しておいたほうがいいような気がするんですよ。体験しないとわからないことがほとんどだと思いますし、なりたい職業もイメージと全然違ってつまらなかったり、思っていたのと違うことが絶対にあるから、失望が早いほうがいいと思います(笑)。そこから、もう一度エンジンをかけ直して頑張るしかないと思うもよし、違う道を歩むもよしだと思うので、大学生のうちに体験してみるのはいいんじゃないかなと思います。
2.真面目に授業に興味を持って、本気で勉強したほうがいい
そして大学生の頃に本気で勉強したほうがいいですね。僕の周りも「学生のときにちゃんと勉強しておけばよかったな」と思っている人がほとんどで、僕も今行けるなら大学に行きたいなと思いますもんね。遊ぶのも飲みに行くのもいつでも行けるし、なんなら働いてからのほうがお金があってもっと楽しめるかもしれない。友達と遊ぶのも楽しい時間ですけど、1000%本気で何かをやるんじゃないんだったら、友達付き合いもいらないかもしれない(笑)。真面目に授業に興味を持って、寝る間も惜しんで勉強したほうがいいと思います。
3.偉人たちの名言を聞くと自分が乗り越えようとしている壁が小さく思える
――新生活を迎えるときに見て、聞いておいたほうがいいものは?
偉人たちの名言はいいですよね。大体の偉人はぶっ飛んでいて、なかなか考えられないようなことやっているし、すさまじく高い壁と大きな困難を乗り越えた人たちなので、自分が乗り越えようとしている壁を「ちっちゃっ!」「なんだこれくらいのもん」と思えて勇気が湧くかなと思いますね。あと人はいつか死ぬし、人生はものすごく短いので、緊張している場合じゃないなという意味でも勇気をもらえると思いますね。
主線の恋愛物としての物語と、それぞれのキャラクターのサブストーリーもある作品
――間もなく津田さんが出演された映画『女神降臨』が公開されますが、原作や脚本を読んで魅力を感じたことを教えてください。
王道のラブコメ要素があるんですけど、割と深刻な問題もしっかり入っていて。でもそこをあんまり暗くなく描いているので、今の空気を反映したラブコメがしっかりできているなと思って楽しく読みました。
――今回演じた神田隆雄はどんな人物だと思われましたか?
こういう役はちょっとめずらしいなと自分でも思うので、楽しく演じさせていただいたんですけど、パワフルで明るいというか、ポジティブなお父さんだなとファーストインプレッションで感じたので、そういう方向で演じていけるといいのかなと思いました。優しさはしっかりあるけど、自分勝手さも持っている。でも魅力的な人なんだろうなと思ったので、そこは頑張らなきゃと思いました(笑)。
――津田さんが演じられたからこそ、とてもチャーミングなキャラクターだと思いました! 渡邊圭祐さん演じる俊との親子関係も見どころですが、客観的にその関係性はどうご覧になっていましたか?
複雑は複雑ですよね。隆雄は一人でアメリカに行って成功はしているけど、別に日本に帰ってくるわけでもなく、家族をほったらかしにしているわけじゃないですか。心がないかというとそういうわけでもなくて、すごく心配もしているし、でも子ども側からするとやっぱりすごく複雑な気持ちがあるんでしょうし、なんとも言えない不思議な関係だなとは思いました。ただ二人の距離はだんだんと縮まっていくので、そこはよかったなと思いますね。主線の恋愛物としての物語と、それぞれのキャラクターのサブストーリーもあるので、その一翼を担わせていただいたなという気持ちでおります。
――主人公・麗奈を演じるKōki,さん、渡邊さんとのシーンが印象的ですが、共演されてどんな印象を持たれましたか?
渡邊圭祐さんは以前違う作品でご一緒させていただいたんですけど、絡むシーンはほぼなかったんです。それでもちょっとお話させていただいたときに、めちゃくちゃお話しやすい方で。だから今回ご一緒できること、ましてや親子を演じさせていただけるのは嬉しかったですし、撮影の合間もちょろちょろと他愛ないことを話したりしていました。Kōki,さんとは今回初対面だったんですけど、本当に真っすぐな素直な方で。そこにすごくシャイな感じもあって、キュートな方だなと思いました。
――印象的なシーンはありますか?
やっぱり自分のシーンを中心に観てしまうので、俊と二人で喋るシーンは現場のことも思い出しますし、印象的ですね。二人の距離を感じられると思いますし、俊の素が見えるシーンでもあると思います。
――出演された作品はいつもご覧になっていますか?
自分が出ているものは観るのが苦手なんですけど……、観ます(笑)。チェックに近いかもしれないですね。特に自分が出ているシーンを観るのはあまり得意ではないですね(笑)。
こうなりたいと思い描くよりも、しっかり行動に移したいと思う
――今作には「なりたい自分を諦めない」というテーマがありますが、学生時代に思い描いていた将来の理想像はありますか?
映画を撮ろうと思っていて大学の途中から役者を始めたので、やりたいことはあったけど、なりたい自分像というのはあんまりなかったかもしれないですね。こうなりたいと思い描くよりも、まずはやりたいことの純度を上げたいというか、しっかり行動に移したいと思うほうかもしれないです。
――それは今も変わりませんか?
そうですね、今もあんまり変わらないかもですね。やりたいことが割といつもあって、そのためには何をやらなきゃいけないかとプランを立てて動くこともありますし、偶発的に出会ったものに乗っかっていくこともありますし。モチベーションになっているのはやりたいことはやりたいという、めちゃくちゃシンプルな気持ちが大きいです。
――今やりたいことをひとつあげるとしたら?
もともとやりたかったことではあるんですけど、長編の実写映画を撮りたいとここ何年かで言っているので、そろそろ本当に形にしないとなと思っています。
PROFILE
津田健次郎
6月11日生まれ、大阪府出身。俳優としての主な出演作品に『映画 マイホームヒーロー』(24)、『赤羽骨子のボディガード』(24)、劇場版『トリリオンゲーム』(25)などのほか、公開待機作に『かくかくしかじか』(25)、『キャンドルスティック』(25)がある。声優としての主な出演作は「チェンソーマン」(岸辺役)、「呪術廻戦」(七海建人役)、「極主夫道」(龍役)、「ゴールデンカムイ」(尾形百之助役)などがある。その他にもナレーター、映像監督、作品プロデュースなど幅広く活動している。2024年には、第53回ベストドレッサー賞芸能部門を受賞。
『女神降臨 Before 高校デビュー編』3月20日(木)/『女神降臨 After プロポーズ編』5 月 1 日(木) 二部作連続公開
地味で冴えない容姿から学校でいじめられ、不登校になってしまった麗奈。しかしメイクとの運命の出会いが、彼女の人生を大きく変える――ゼロからテクニックを学んで努力を重ねた結果……誰もが振り向く<女神>へと大変身を遂げたのだ!転校先で完璧な人生を再スタート!……と思いきや、とある偶然から、学年1位の頭脳をもつクールで謎多き同級生・神田俊に「トップシークレット」を見抜かれ、秘密の口止めと引き替えにまさかの主従関係に!?さらに俊との距離が近づいたことで麗奈は、彼と「ある過去」を共有するもう一人の同級生・五十嵐悠からも、次第に目をつけられていく…。
こんなはずじゃなかったのに……!私の人生、どうなっちゃうのー!???
https://www.megamikorin-movie.jp/
取材・文/東海林その子
撮影/米玉利朋子