ボクらをアメリカに夢中にさせた映画、ジョー ジ・ルーカスの出世作「アメリカン・グラフィティ(1973)」
まだインターネットの無い時代、憧れた海外の情報を得るツールは映画だった。そのスタイルに、信念に憧れた若き日の自分がいまの自分を作り上げている。スクリーンに映る格好良い男たちから、ボクらは様々なことを学んだ。今回はハワイアンプレートのお店「ダ プレート ランチ 808」のオーナーを務める御園さんの人生の教科書とも言える映画の話。
いい時代のアメリカを、ノスタルジックに、そしてリアルに描いた、青春映画。|アメリカン・グラフィティ(1973)
「世間でアメリカンカルチャーが流行っていたので、気になってはいました。その時は、軽い気持ちで映画を観たんです。その日から私はアメリカに夢中です」
京成臼井駅から徒歩3分ほどの位置に店を構えるハワイアンプレートのお店「ダ プレート ランチ 808」のオーナーを務める御園さんは大のアメリカ好き。自身に影響を与えた映画として挙げた『アメリカン・グラフィティ』は御園さんの人生の教科書だ。
「舞台は1962年の夏、カリフォルニア州の田舎街。後に『スター・ウォーズ』を手がけるジョージ・ルーカス監督の出世作です。アメリカの良い時代を懐かしんで作られた映画で、なんてことのないアメリカの普通の日常を描いた作品なのですが、たまらなく格好良かったんですよね。冒頭から出てくる「メルズ・ドライブイン」は、中学生ながら漠然とこんな店をやりたいと思いました」
作中で1番お気に入りのキャラは黄色の「フォード・デュース・クーペ」に乗っているジョン。やんちゃで、車好き。街では名の知れたストリートレーサー。
「ジョンが車で街を流しながら女の子たちに声をかけていくのですが、声をかけた車に乗っていた13歳のキャロルを子守り代わりに押し付けられてしまうんです。でも、根は優しいジョンなので途中で降ろすこともできずに街を走るんですよね。その最中、ジョンはボブ・ファルファに車で煽られるんですよ。挑発されて一旦勝負を受けるも、隣にキャロルが乗っていることを考え赤信号で無茶をせずに止まるんです。ジョンの人間性が見える1番好きなシーンです。
そんな男らしさに憧れて、タバコが吸えない年齢の時も両切りのキャメルをジョンを真似て袖に入れてました。世界観、音楽、登場人物とすべてが格好よくて、ビデオは擦り切れるまで観ました。これまでも、これからも1番の映画です」