<おすすめ>二次性徴を迎える前に読める性教育本『おれたちロケット少年』と『ポップコーン天使』
日本の学校教育では小学校4年生で体の二次性徴について学ぶことになっています。しかし、性関連の情報もインターネットを通じて簡単に閲覧できてしまう時代になりました。誰でも容易に性的な情報にアクセスできる環境が珍しくない昨今、性教育もアップデートしていく必要があるのではないでしょうか。
心も体も急激に成長する小学校中学年から高学年の子どもたちへ家庭内での性教育は難しいと思うママパパもいるでしょう。しかし、だからといって性に関することはいつか自然と学ぶだろうというあいまいな考えは危険に思えます。そこで今回は男の子、女の子それぞれの心と体を詳しく伝えてくれる性教育本をご紹介します。
小学生が読みやすいマンガ調
男の子向けと女の子向けの2シリーズありますが、どちらも手丸かのこ氏によるマンガで物語は進んでいきます。子どもたちが疑問に思うことを質問形式で『おれたちロケット少年』は金子由美子氏が、『ポップコーン天使』は山本直英氏が解説。子どもたちは純粋に疑問に思うことでも、性にまつわる踏み込んだ事柄はママパパでは答えに困ることがありますよね。しかし、この2冊の本では答えをあいまいにせず、踏み込んだ内容でもしっかりと答えてくれています。実はこの2冊は今から20年以上前、2001年と2003年に発行された書籍です。ところどころ内容にジェンダーに対する意識など時代を感じる部分もあります。しかし、性教育の主旨としては一貫していると筆者は感じます。もしフォローが必要だと思う箇所があれば、保護者が対応するといいでしょう。
性的な感情を抱くことは当然のこと
性=「いやらしい」、「子どもは無知で純粋のままでいるべき」といった価値観が日本では根強くあるのではないでしょうか。筆者が子どもの頃は今よりさらにこの傾向が強く、小学校での性教育も男女分かれて行い、「性」を話題にすることはタブーとされていました。しかし、現代は自分の体を守るためにも、性に関することは男女ともに正しく知っておく必要があるでしょう。この2冊の本は、一貫して性を「自分と相手の心と体を大切にすること」として捉え、伝えています。
ママパパが子どもの頃はコソコソ話として話題に出てきた「ABC」という単語(キスからセックスまでの話)がこちらの2冊でも言及されています。興味を抱くのは当然のこと。その興味を性の享楽のためだけに作られたかもしれないインターネットの情報から中途半端に得るよりも、正しい知識を事前に得るほうが何倍も良いと筆者は思います。異性の体に興味を持つこと、触りたいと思うことは成長過程で自然のこと。性行為は子どもを作る行為であることが大前提であり、そこには責任も生まれること。興味本位でするものではなく、自分と相手の2人とも心と体が成長し、この人ならと全てを預け合うことができると思ったときにする、「大人のとっておきの行為」であると伝えられています。単純に子どもだからダメだと言うのではなく、その行為の意味することが書かれているので、自分の体を守るためにも必要な話題ではないでしょうか。
男の子向けと女の子向けの両サイドから知ることも大切
わが家は小学5年の息子と小学3年の娘がいますが、幼児期から年齢に合った性教育の本を与えています。赤ちゃんがどのように生まれてくるのか、性被害を防ぐためにできることは何かなど、たびたび子どもたちと話をしているので、性に関する話題について筆者が子どもの頃よりかなりオープンです。今回の2冊も男の子向けと女の子向けの両方を読んでいました。特に娘は熟読していて、自分に今後訪れる成長を楽しみにしています。異性の心と体を知ることは、自分自身のことだけでなく、相手の心と体も大切にすることを学べるのではないでしょうか。
男女ともに性被害のニュースがたびたび報道される今、わが子には自分の心と体を守るためにも、将来のパートナーのためにも、「性」をタブー視せず真剣に向き合っていくことが大切なのではないかと思います。思春期になると親子で性がテーマの話をすることは難しくなってくるでしょう。まだわが子には早いからと先延ばしにするのではなく、少しずつ踏み込んだ性教育に取り組んでみてはいかがでしょうか。