【姫路市】姫路城とウィーンのシェーンブルン宮殿の2つの世界遺産が正式に姉妹城提携 オーストリア大統領も来城して立ち会い
国宝・姫路城とオーストリアのウィーン市にあるシェーンブルン宮殿の両世界遺産が姉妹城提携する署名式が5月24日、姫路城の西の丸庭園で行われた。昨年11月に姫路市の清元秀泰市長が同宮殿を訪問して基本合意していたもので、同宮殿を管理する同国経済・エネルギー・観光省のハットマンスドルファー・ヴォルフガング大臣だけでなく、前日に大阪・関西万博を訪れていたアレクサンダー・ファン・デア・ベレン大統領も来姫して立会人を務めた。
あいにくの雨模様だったが、式は3人の終始にこやかな表情のもと進行。初めに清元市長が芸術・文化やスポーツ、観光など多様な分野での今後の交流に期待を寄せて挨拶すると、ヴォルフガング大臣は建物維持の技術交流にも言及。ファン・デア・ベレン大統領も「400年の歴史を持つ姫路城は日本のアイデンティティーの象徴だ。文化遺産を管理すると同時に広く公開していくという意味において、さらなる知識を姫路城から得たい」と姉妹城提携の意義を強調していた。
同宮殿の年間入城者数は150万人前後で推移する姫路城の倍以上となる350万人で、近年、オーバーツーリズムが大きな課題になっているという。姫路城では将来的に城内の動物園を移転し、かつて大工小屋や左官小屋が所在した御作事所出丸(土木建築の作業場)を復元する計画を立てている。