木村慧人(FANTASTICS)×山中柔太朗(M!LK)「こんなに仲良くなった共演者はいないかも」映画『君がトクベツ』ロング対談
畑芽育さん&大橋和也(なにわ男子)さんがW主演を務める映画『君がトクベツ』6月20日(金)より全国公開されます。
【撮りおろし】木村慧人×山中柔太朗なかよしインタビュー写真&場面写真
過去のトラウマからイケメン嫌いになった陰キャ女子の若梅さほ子(畑芽育)と、国民的アイドルグループ「LiKE LEGEND(以下、ライクレ)」のリーダー桐ヶ谷皇太(大橋和也)が繰り広げるラブストーリー。
木村慧人さんと山中柔太朗さんが演じるのは、ライクレのメンバーの叶翔と晴。それぞれFANTASTICS、M!LKとグループ活動をしているお二人が、なにわ男子の大橋さん、DXTEENの大久保波留さん、MAZZELのNAOYAさんと一つのグループになるという夢の共演ともなりました。
3年前の共演以来、プライベートでの交流も続いているというお二人に、本作への想いや、ライクレメンバーの印象、現在のお二人の関係性などを明かしていただきました。
違う事務所の人たちが垣根を越えて集まれるというのもうれしかった
――お二人はW主演を務めたドラマ『飴色パラドックス』(2022年放送)以来の再共演となりますね。決まったとき、連絡は取り合いましたか。
木村:すぐにしたよね。
山中:しました。
木村:「一緒に出るみたいだよ!」って連絡しました。お芝居での共演は久しぶりだったので「やっとだね」「楽しみだね」と。しかも同じボーイズグループのメンバーで、それぞれ違う事務所の人たちが垣根を越えて集まれるというのもうれしかったです。
山中:革命だと思いました。そのメンバーに自分が入れたことがうれしかったし、これを機にそれぞれのグループのことも知ってもらえたらいいなと思います。
――原作・脚本を読んだときの印象を教えてください。
木村:すごくキュンキュンする上にコミカルな要素もあって、まずは物語として面白いと思いました。国民的なアイドルとファンとの恋愛という現実ではなかなか難しいシチュエーションが映画を通して体験できるのはいいですよね。
山中:僕も読んでいてキュンキュンしました。皇太(大橋和也)とさほ子(畑芽育)とのシーンは自分が女の子の立場だったらグッとくるだろうなというところがたくさんありました。僕は男性アイドルと普通の女の子の恋愛ものみたいな作品に触れて来なかったので新鮮に感じました。
あと、ライクレのメンバーが5人で、M!LKも一緒なので、自分たちと重ねて「ここは共感するな」とか、「これは違うかも」みたいな楽しみ方もできました。劇中でリモート会議をするシーンがあるんですけど、僕らもみんなのスケジュールが合わなくてそれぞれの現場からリモートで打ち合わせをすることもあるし。あとは誰かが奇想天外なアイディアを出すとかもあるあるでした(笑)。
――FANTASTICSとライクレでは少し色が違うイメージもありました。
木村:そうですね。それに僕は普段パフォーマーとして活動をしているので歌うことがないんですけど、今回、歌って踊るというのがすごく楽しかったです。歌ってみたい気持ちはずっとありました。
山中:前に(木村が)言ってたんです。ちょっとやりたいなって。
木村:いつか機会があるかもとちょこちょこ練習もしていたんです。だから役を通して叶えられたことはうれしかったです。
――甘い歌声がライクレの雰囲気に合っていていいなと感じました。
木村:ありがとうございます(笑)。
山中:ボイトレにも行ったんでしょう?
木村:2、3回。その成果が出て、高い声も出せるようになりました。
先生にどんな役なのかをお尋ねしました
――それぞれ演じた役にはどんな印象を持ちましたか。
木村:叶翔は“黒髪ショートのクールガイ”というキャッチフレーズがついているだけに、基本的にクールで、何を考えているかわからないと思われているところがあります。ただ僕は、ライクレのメンバーといるときは明るく笑うこともあるので、実は不器用で思っていることを素直に伝えられないだけだと捉えていました。
――演じる上で意識していたところは?
木村:普段の僕は明るいので、クールでいることは常に意識していました。でも、僕の周りには堀夏くん(FANTASTICSメンバーの堀夏喜)とか、柔とか、クールな人がいっぱいいるので(笑)、そこから想像して役に落とし込みました。あとは原作をたくさん読んで参考にしました。
――これまでもクールな役を演じることはありましたが、自分と少し距離がある役を演じるのはどうですか。
木村:自分と近すぎるものよりもしっくりくる感覚があります。自分と違うからこそ、お芝居の幅が広がる気がするんです。
――以前、今回のようなキラキラした役をやってみたいとおっしゃっていて。
木村:そうなんです。だから、これまでいろんな役を演じさせていただきましたけど、やっとできたという感じもありました。
山中:そうなんだ!
木村:楽しいし、気持ち良かったです(笑)。
――山中さんは晴をどのように捉えていきましたか。
山中:正直、晴は原作ではそこまで詳しく描かれていなかったのでヒントが少なくて。それで、直接(山中が成田葵央役で出演した映画『あたしの!』の原作者でもある幸田もも子)先生にどんな役なのかをお尋ねしました。普段、自分からそういう動きをするってことはないんですけど。そしたら「M!LKで柔太朗くんがツッコんでるとき」と言われて。そこから何となくイメージをつかむことができました。
ただ普段M!LKで活動しているときの僕とは全然違うと思います。晴は“皆を惑わすイタズラ天使”ですけど、僕はメンバー内をかき乱すようなことはしないし。誰かが言った意見に別案を出すとかはありますけど、自分が最初に言い出すこともあまりないです。
――でもメンバーのことを思って言葉をかけてあげるところは、山中さんの優しいイメージと重なると思いました。
山中:それはあるかもしれないです。だけど、晴は優しさがひねくれているので(笑)、そこは僕とは少し違うと思います。
1日中ずっと“大橋和也”
――ライクレという普段の自分たちとは違うグループを組むというのはどうでしたか。
木村:FANTASTICSのときは爽やかさのある曲が多くて、ライクレはかわいいアイドル感がある曲なので、そこは全然違うし、これはこれで楽しいなと思いました。
――SNSに出ている映像とかを見ていると、皆さんがとても仲良くなっているように感じられました。
山中:本当に仲良くなりました。プライベートでも一緒にご飯に行ったりしますし、お互いのグループ事情を話したりもします。みんな超優しいし、面白いんです。
僕はチームで何かをすることが好きなんですけど、メンバーそれぞれの性格も大事だと思っていて。そういう意味でもみんないい人たちだったから、このメンバーで活動をしても一緒に戦っていけるなって思えました。
――何か仲良くなるきっかけがあったのですか。
山中:最初からすぐに仲良くなれたんです。誰一人、人見知りをしなくて。
――皆さんでいるときはやはり大橋和也さんが引っ張る感じですか。
山中:大橋くんはムードメーカーをしつつまとめてくれるという感じです。誰かが引っ張るというか、みんなで一緒になってふざけているんですけど、何かあったときには頼れる方です。とにかく、皆さんが知っている“大橋和也”のまんまなんです。
木村:本当に変わらないよね。
山中:僕らしかいないときでも変わらないから、「本物なんだ」って思いました(笑)。すごく尊敬しますし、だからみんなから好かれるし、愛されるんだろうなと。
木村:本当に明るいし、1日中ずっと“大橋和也”でいるからすごいなって。
山中:たぶん、家ではずっと黙っていないとわりに合わないと思う(笑)。
――お二人から見た優生役の大久保波留さん(DXTEEN)、一生役のNAOYAさん(MAZZEL)はどんな人ですか。
山中:波留は末っ子でぽわっとしていてかわいいんだけど、意外と細かいところを見ていたりします。
木村:天然でかわいいです。誰かに騙されたりしないか心配になります。守ってあげたくなるようなところもありますね。で、NAOYAはずっとしゃべっています(笑)。
山中:ムードメーカーをしてくれて助かりました(笑)。本当に一緒にいてノンストレスな人たちだからこそ、実際のグループとして活動してもいけるんじゃないかって。
木村:めっちゃ思うよね。そのくらい仲良くなりました。
――本作の主題歌、LiKE LEGENDのオリジナル楽曲「YOU ARE SPECiAL」の印象も聞かせてください。
山中:初めて聴いたときは「王道、来たな」って感じで、「いい曲だな」というより、「この曲がいい!」「これしかない」って思いました。サビはすごく耳に残るし。
木村:1回聴いたら口ずさめると思います。
山中:ライクレのような王道のアイドルグループだったら大事なポイントだと思うんです。M!LKの曲とも少しテイストが違っていて、一度やってみたかったので楽しかったです。
木村:歌詞もストレートに入ってくるし、僕も最初に聴いたときから「めっちゃいい曲だ!」って思いました。
――ダンスはどうでしたか。
木村:振付ができる前から、曲の印象としてはかわいいけどがっつり踊りたいなって思っていました。実際、かなり踊る振付なのですごく楽しかったです。
山中:僕は思ったより難しくて大変でした(苦笑)。
木村:確かに早いんだよね。歌いながら踊ると考えると大変です。
お芝居の幅は広がった
――今回、お二人は約3年ぶりの共演で、その間、それぞれにいろんな作品に出演してきたと思います。俳優としてのお互いを見て変わったところ、変わらないところはありますか。
山中:お互いにお芝居の幅は広がったと思います。あの頃の映像を観るのが(苦笑)。
木村:恥ずかしい。
山中:っていうぐらい、お互いに経験値は上がったと思います。あと、慧人くんは今回、クールな役で、前に共演したときの役とも、本人とも違うキャラクターで、それをしっかり演じているのはさすがだなと思いました。それから、変わらないのは表情の使い方。前から上手だと思っていたんですけど、今回も変わらずいいなって感じました。
木村:柔も言ったようにお芝居の幅はお互いに広がったと思いますし、僕は改めて柔はいい声だなって思いました。歌っているときも、お芝居のときも安心感があります。あとは髪色ですかね(笑)。前回も今回も金髪が変わってなかった。今(取材時)は暗くなっているんですけど。
山中:僕らよくどっちかの髪色が明るい色のとき、どっちかが暗い色のことが多いんです(笑)。
――お互いに観客にお勧めしたいそれぞれのシーンはありますか。
木村:晴は普段はかわいいキャラなんですけど、ある出来事が起こって、強く言うシーンがあるんです。現場で見たときは「柔ってあんなに怒れるんだ」って思ったくらいです。印象がガラッと変わるので注目してほしいです。
山中:叶翔がさほ子に強めに絡んでいくシーンがあるんですけど、セリフも長かったし、現場では慧人くんがすごく頑張っていた印象があって。そしたら、映像で観たときにキュンとするすごくいいシーンになっていたので、見どころだと思います。ちょっといたずらっぽい感じを出しているのもいいんです。
木村:叶翔はさほ子のキャラをいじってあえてああいう行動を取っていると思うんですけど、僕はそこにさっきも話した叶翔の不器用さが出ていていいなと感じました。演じるのはすごく楽しかったです。
一緒にいて居心地がいいというのが大きい
――お二人は『飴色パラドックス』での共演以来、お互いのライブを観に行くなどの交流が続いているそうですね。
木村:誕生日にご飯に行くこともあります。
山中:誕プレは3年連続で交換しあっています。
木村:ジーンズとパーカーをもらって、愛用しています。
山中:けど僕、誕プレ交換してるの慧ちゃんくらいかも。
木村:そうなの? それはマジでうれしい。
山中:毎年、何がいいかなって考えて。
木村:僕も柔の誕生日は楽しみ。何をあげようか考えるのが。
山中:前に1回の誕生日で靴を2足もらいました。
木村:どっちがいいか迷っちゃって、両方あげちゃえって(笑)。
――お互いにリサーチはするのですか。
木村:ジャブは打ちます。
山中:あははは(笑)。「何でもいい」って言われるのが困るのはわかっているけど、何をもらってもうれしいから、「何でもいい」って言っちゃうんです。でも、前回の誕生日のときは「最近、パンツがないかも」って言って。めっちゃかわいいのをいただきました。
木村:うん(笑)。
――なぜそんなに仲良くなれたのですか。
山中:言われてみると確かに。こんなに仲良くなった共演者の方はいないかも。
木村:一緒に居て楽なのはあるかもね。考え方も似ているし。
山中:僕ら二人ともおしゃべりなタイプではないので、のんびり過ごしているだけなんですけど、それが楽しいんです。あとは慧人くんがマメなのも大きいかも。
木村:確かにマメなタイプではあります。
山中:僕から誘うこともありますけど、慧ちゃんがコンスタントに誘ってくれるんです。僕、普段はあんまり外に出ないタイプで。
木村:家でゲームとかだもんね(笑)。
山中:慧ちゃんとのご飯ぐらいしか外に出ないかも(笑)。
――大切な存在ですね。
山中:本当にそう思います。
木村:うれしい。僕も実は後輩を誘うのはあまり得意ではなくて。そう思うと、一緒にいて居心地がいいというのが大きい気がします。柔とは無言でも平気で、気を使ってしゃべらないとってことがないんです。
山中:その感じがいいんです。マナーとしては良くないんですけど、二人きりのときにお互いに携帯を見ていても気にならない。
木村:そうそう。携帯で見ていて何か見つけたものを「これ見てよ!」みたいに言って、そこからまた会話が始まることもあります。そういう感じを楽しめているので、この関係はこれからも続きます(笑)。
山中:そうですね(笑)。
*
プライベートでも仲が良いというお二人だけに、写真撮影では本当に同じグループのメンバーでは?と思うくらいの自然にポーズや表情を合わせてくださいました。
ご本人たちもおっしゃっていましたが、それぞれに別のグループに所属している5人が、一つのアイドルグループとして活動しているのを見られるのは奇跡です! ぜひ、さほ子と皇太の恋愛模様も楽しみつつ、ライクレメンバーの奇跡の共演もスクリーンで楽しんでいただければと思います。
作品紹介
映画『君がトクベツ』
2025年6月20日(金)より全国公開
(Medery./瀧本 幸恵)