マンボーミュージシャンのパラダイス山元さん1周目!元富士重工のカーデザイナーの経歴。あの伝説の車を手掛けました
カーマニアの安東弘樹が、これまた車が大好きな方をお迎えしてお送りする番組。
今週はマンボーミュージシャンでグリーンランド国際サンタクロース教会公認のサンタクロースとしても知られるパラダイス山元さん。
実は過去に富士重工(現スバル)でカーデザイナーの仕事に従事されていたこともあり、今回は当時のカーデザインの魅力について語っていただきました。
パラダイス山元さん
ラテンユニット「東京パノラママンボボーイズ」で活躍するラテンミュージシャン。
他にも会員制餃子「蔓餃苑」のオーナー、入浴剤ソムリエ、グリーンランド国際サンタクロース教会公認のサンタクロースなど幅広い活動をされています。
カーデザイナー時代を振り返る(レガシィ)
パラダイス山元さんが富士重工でカーデザインに携わっていたのは80年代後半から90年代にかけて。
当時、カーデザインは様々な工業デザインの中でも「花形」と言われてた職種でした。
そんな華々しい時代にパラダイス山元さんが手掛けたのは、なんとあの「国内ツーリングワゴンの歴史の始まりのキッカケ」とも言われる「レガシィ」。
今もツーリングワゴンの代名詞的存在のレガシィの初代から3代目までを担当されていたそうです。
主にパラダイス山元さんが関わっていたのはロゴデザイン、そして外装カラーリング。
実はアンディは初代から3代目までのレガシィを所有していたそうで…
目の前にいるパラダイス山元さんがデザインしたレガシィのロゴを毎日眺め、そして配合したカラーリングの車に乗っていたなんて、まさに感無量!
ちなみに当時のスバルはまさに危機を迎えていました。
まさに経営の底。
そんなピンチを救ったのが、まさにレガシィツーリングワゴンの大ヒットと言っても過言ではないでしょう。
つまりパラダイス山元さんはスバルにとっての救世主の1人なんです!
カーデザイナー時代を振り返る(アルシオーネSVX)
レガシィのプロジェクトに続いてパラダイス山元さんが携わったプロジェクトは、これまたいろんな意味で伝説とされる「アルシオーネSVX」。
知る人ぞ知る、あの世界的カーデザイナーでイタルデザインの創始者、ジョルジェット・ジウジアーロがエクステリアデザインを手掛けた一品。
このマシンのステアリング、シフトノブ、パーキングブレーキなど内装の主要パーツのデザインを手掛けたのがパラダイス山元さんだったんです。
このアルシオーネSVXはイタルデザインが富士重工に直接、売り込みをかけたマシン。
当時の富士重工は「スペシャリティカーを作りたい」「お金をかけてすごい車を作りたい」「スープラやフェアレディZに対抗できる車を作りたい」というムードに満ちており、そこにジウジアーロから直接の売り込み。
この機会を逃す手は無いとイタルデザインと富士重工のコラボレーションが生まれました。
そして開発されたアルシオーネSVXですが、当時「数年先のデザイン」「ちょっと早すぎたマシン」などと言われており、商業的成功を収めた車とは言い難い(およそ6年間の販売期間で売上台数は6000台以下)。
しかしアンディ曰く「大人が優雅に乗る車としてはナンバーワンだった。この車、経済力さえあれば本当に欲しい1台だった」と語るほど、いろんな人の記憶に残る1台なんです。
ちなみにパラダイス山元さんは「それまでスバルではやったことなかった皮巻きステアリングとか、いろんなことにチャレンジした1台だった」と、当時を振り返ります。
(TBSラジオ『GARAGE HERO’s~愛車のこだわり~』より抜粋)