【新NISA】初心者におすすめなのは投資信託。その仕組みとメリットをメガバンク出身YouTuberが解説
元銀行員で、現在はYouTubeやSNSで資産運用の入門知識を発信し続けている小林亮平さん。自作のイラストを駆使した丁寧な解説が好評です。その著書『イラストと図解で丸わかり!世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)では、新NISAに「なんとなく興味がある」「これを機にやってみたい」という方のための、新NISAの基本や上手な活用法を解説。今回はその本の中から、投資の基礎から始め方、銘柄選び、出口戦略まで、知識ゼロから新NISAを始めるためのポイントをご紹介します。
※本記事は小林亮平著の書籍『イラストと図解で丸わかり!世界一やさしい新NISAの始め方』から一部抜粋・編集しました。
まずは投資信託を選んでみよう
さて、新NISAの対象商品が分かったところで、「結局、どの商品に投資すればいいの......?」という疑問があると思います。
初心者の方にまずおすすめしたいのが、投資信託です。
投資信託はファンドとも言われますが、「投資を信じて託す」という言葉通り、運用の専門家(運用会社)が投資家から集めたお金を、いろんな株式などに投資する金融商品です。
私も投資信託をメインの投資先としています。その理由は、以下の3つの大きなメリットがあるからです。
(1)手軽に分散投資ができる
(2)少額からでも購入できる
(3)運用する機関が破綻しても資産は守られる
まず投資信託は、A社、B社、C社、D社など様々な会社の株式が袋詰めになっているイメージを持っておきましょう。これを1つ買うだけで、それぞれの会社の株を買ったことになります。どこの会社の株を買えばいいか分からないなら、複数の企業にまとめて投資してしまおうという考え方ですね。
この方法のメリットは、たとえばA社の株価が大きく下がったとしても、他の会社の株価が安定していれば、A社にのみ投資していた時と比べて損失は少なく済みます。
投資では分散投資が大事とよく言われますが、その分散投資を手軽にできるのが投資信託なのです。投資信託1つで数百社、数千社に分散投資することもできるので、自分で会社の株式を数百銘柄も購入することを想像すれば、投資信託の素晴らしさが分かります。
さらに一部の金融機関では、投資信託を100円から購入できるため、新NISAをおこづかい程度の資金から始めることが可能です。
株式投資では数十万円の最低購入額が必要な会社もありますが、投資信託は多くの投資家からお金を集めて投資するので、少額からスタートできます。忙しいサラリーマンや主婦、まとまったお金がない人にも投資信託はピッタリです。
投資信託のもう1つの特徴は、運用機関が破綻しても、投資家の資産はちゃんと守られることです。これは、投資信託には販売会社、運用会社、信託銀行という3つの金融機関が関わっているためです。
販売会社は投資信託を売る銀行や証券会社などで、運用会社は投資信託を作って実際に運用する会社、信託銀行は投資信託の中身である株式などを管理する会社です。
仮に販売会社や運用会社が破綻しても、投資信託を管理しているのは信託銀行なので問題はありません。さらに、信託銀行は投資家から集めたお金を、自社の財産とは区別して管理しています。
これを分別管理といいますが、おかげで信託銀行が破綻した時でも、私たち投資家の資産は保全されます。ただし、運用する機関が破綻しても資産は保全されることと、投資信託を運用した際に損失が発生することは別の問題なので、その点は注意しましょう。
これらの点を考慮すると、投資信託は万が一の時まで考えて、私たちのお金がちゃんと守られる良い仕組みになっていますね。これらのメリットからも、新NISAにおいて投資信託は、非常に魅力的な商品だと言えます。
・本書の記載内容は、2024年3月時点の情報に基づいています。
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