知らないと損!人気FPが明かす「介護費用は貯めておくより運用すべき」な理由
「貯蓄から投資へ」という流れの中で、60代になり「お金の貯め方・増やし方」だけでなく「賢い運用法」に悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)は、そんなシニア世代に向けた一冊。ライフプランニングと投資に精通した著者が、これからの時代に合った資産運用、年金の最適な受け取り方、そして大切な資産を長持ちさせるための「取り崩し方」を分かりやすく解説します。単に増やすだけでなく、人生を豊かにするための「賢いお金の回し方」のバランスを見つけるヒントが満載です。セカンドライフを安心して、そしてより豊かに過ごすために、ぜひご一読ください。
※本記事は横田 健一(著)による書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』から一部抜粋・編集しました。
預金で寝かせるより運用した方が合理的
ちなみに、213万円を世界株ファンドに投資した場合、利回りが3%なら20年後には384万円、5%なら565万円、7%では824万円になっています。
ここでは80歳手前まで介護保険に加入する想定としていますが、もしも80歳時点で世界株ファンドの運用結果がよくない場合は、改善するまでの間、介護保険を継続する手もあります。そして世界株ファンドの運用成績が改善したら、売却して預貯金や個人向け国債にお金を移します。介護費用として準備したい額まで増えたら、介護保険は解約していいでしょう。
逆に、80歳より前の段階で世界株ファンドが十分に増えていたら、その時点で売却して、介護費用として預貯金や個人向け国債でキープし、介護保険を解約することもできます。
このような方法をとれば、介護費用として準備しておくのは600万円の半分の300万円で済みます。しかもそのうち200万円以上を世界株ファンドで運用するため、インフレリスクにさらされる心配もなくなります。
保険料というコストはかかりますが、要介護になれば保険金が受け取れますし、要介護にならなければ費用がかからず、どちらに転んでもOKでしょう。
300万円、あるいは夫婦で600万円を預金しておく=寝かしておく、ということは、600万円×5%(世界株ファンドで期待できる年平均リターンの目安)=30万円を放棄している、言い換えると30万円コストを払っているともいえます。
預貯金に寝かせて年間30万円近いコストを払うのか、保険料として年1万~2万円程度を払って保障を確保し、手元の資金を世界株ファンドで運用するのか。検討する価値はありそうです。
・本書の記載内容は、2025年4月時点の情報に基づいています。
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