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晩年のスタン・リーは搾取されていた? 告発ドキュメンタリーの予告編が公開、クラウドファンディングが物議かもす

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アメリカン・コミックスのレジェンド、スタン・リーは晩年虐待され、搾取されていた? ドキュメンタリー映画『スタン・リー:ファイナル・チャプター(原題)』の予告編が公開され、作品を完成させるためのクラウドファンディングがKickStarterにて開始された。

監督は、2018年11月にスタンが逝去するまでの最後の4年間にアシスタントを務めていたジョン・ボラージャック。数々のイベントに同行し、現場でのスタンに対する不当な扱いをカメラで記録したという。

公開された声明のなかで、ボラージャックは「彼(スタン)は、人生最後の数年間を映像に記録することを託し、死後に映像を発表するよう私に勧めました。一部の人々が衰弱した彼を裏切り続けるのを目撃し、彼の最期の日々を、衝撃的で悲痛な物語として伝えることを託されたように感じたのです」と記している。ボラージャックは数十万ドルの私財を投じて映画を製作しており、さらなる資金調達のためにクラウドファンディングを開始した。

公開された予告編には、スタンが不当な扱いを受けていた根拠として、コンベンション・イベントの舞台裏で「もう引退したと思っていたのに」と口にするスタンに対し、周囲の人間が「まだ終わりじゃない」と声をかける様子や、車椅子に乗ったまま倉庫の片隅で放置されている姿、移動中に突然ぶつかられる瞬間などが映し出されている。

果たして、これらの映像をどう見るか。YouTubeのコメント欄はいささか辛辣で、「当時は止める力がなかった」とするボラージャックに対し、「なぜ今まで公開しなかったのか、なぜ映像を適切な機関に提出しなかったのか」「なぜ映像公開のために資金を要求するのか」という声や、倉庫に放置されているスタンのかたわらで、ボラージャックが何もせずスマートフォンを操作していることへの指摘などが相次いでいる。スタン・リーの名前を利用した搾取は現在も続いている、とさえ。

もっとも、スタンが虐待を受けていたことは事実として報じられており、逝去の数ヶ月前には元ビジネス・マネージャーのケヤ・モーガンに接近禁止令が出されている。2018年4月には、スタンが家族や近しい人々から搾取されていたことを綿密に取材したルポルタージュが米にて公開されていた。

監督に対する厳しい声を別にして、このドキュメンタリー映画が公開されたとき、晩年のスタンに対する新たな洞察を得ることはできるだろうか。では、30万ドルの目標額に対して現時点で約3万ドルの出資がなされている。

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