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新作ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』 日本版演出補の岸本功喜・翻訳の小島良太がクリエイティブの視点から語ったインタビューが公開

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新作ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』

新作ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』の2025年ジャパンツアーが、2025 年 5 月10日(土)・5月11日(日)から開催中。2度目となるジャパンツアーでは、名古屋を皮切りに、大阪、福岡、東京、埼玉、横浜と全6都市をめぐる。

新作ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』は、A.A.ミルンの原作とクラシカルなディズニーの長編アニメーションからインスピレーションを得た作品。役者たちが操演する等身大のパペットや、細部まで精巧に作られたセット、新旧の愛すべき音楽の力によって、ステージ上には生き生きとした100エーカーの森が立ち上がる。

この度、岸本功喜・小島良太のインタビューが公開された。

(C)DISNEY 撮影/鈴⽊健太

昨年に続き、日本版演出補を手掛ける岸本功喜と、翻訳を手掛ける小島良太のインタビューが到着。観ているうちに不思議とキャストの姿が見えなくなり、くまのプーさんたちがその場で動いているように感じられる本作。パペットに魂を込める演出への思いや、翻訳へのこだわりを聞いた。

ーー2度目のジャパンツアーが始まりました。改めて今回、再演が決まった際のお気持ちや、昨年のツアーでの手応えについてお聞かせください。

岸本:昨年のジャパンツアーで大きな反響をいただきました。こうして 2度目のジャパンツアーを開催することができて、より多くの⽅にこの作品を届けられることが嬉しいです。いろいろな場所を回って、この作品を届けるということが、僕は⼀つの使命だと思っています。「くまのプーさん」という、幅広い年代に長く愛されている作品だからこそ、⼩さなお⼦様を連れたファミリーが観劇してくださることも多いんです。お子様を連れてのお出かけというのはすごくハードルが高いと思うので、そこは我々が多くの場所を巡って、この世界で愛される作品を届けていきたいと思っています。

小島:お客様の反響として、前回、すごく満足感を得られる作品だとおっしゃっていただきました。⼀般的なミュージカルとも人形劇とも違う、パペットを使った作品ということで、ご覧になる前には想像できない部分もあるかと思うのですが、実際に観劇されたお客様には、このくまのプーさんの世界にどっぷりと浸かって楽しんでいただけました。そういった反響が大きかったので、こうして今年もツアーが実現して本当によかったなと思っています。

ーーミュージカル『ディズニー くまのプーさん』という作品の魅力、またミュージカルとして上演することの意義について、どう考えていますか︖

岸本:ライブで感じられるもの、という部分に我々は信念を持って取り組んでいます。やはり⽣で観る体験というのは貴重で、幼い頃に触れた体験というのは、大人になっても忘れられない大事なものになると思っています。「くまのプーさん」の世界、ひいてはディズニー作品の素晴らしさを生で届けられることが、ミュージカル「ディズニー くまのプーさん」の魅力ではないでしょうか。

小島:この作品ではくまのプーさんたちが動いている姿が本当に可愛らしくて魅力的なんです。もちろんアニメーションの中でもプーさんたちは可愛いのですが、精巧な等⾝大のパペットたちが動き回ったり喋ったりする姿を目の前で楽しめる。これも生で表現するミュージカルだからこその見どころだと思っています。

ーー作品を拝見しましたが、観ているうちに不思議とキャストの皆さんが見えなくなって、くまのプーさんたちが動いているように感じられました。パペットでの生き生きとした表現を叶えるために、日本版演出補を担当される岸本さんは、どういった工夫をされていますか?

岸本:初演でもキャストが途中から見えなくなったというお声を多数いただきましたが、そうやって没入してもらえると本当に嬉しいです。工夫としては、いろいろな方法があるかと思いますが、僕はずパペットを持たずに、役者同士のリアルな芝居を構築することを第 1 段階として取り組みました。その次に、パペットを通して⾒える世界で、パペットの視線になって演じてもらっています。完全にパペットに魂を宿すために、パペットに触れる前段階をしっかり積み上げることを大事にしています。

ーー「くまのプーさん」の世界を表現するにあたり、⼩島さんが翻訳で⼤切にされたのはどういったところですか?

小島:まず第一に、日本語版アニメーションの世界ときちんと一致させることです。多くのお客様が日本語版アニメーションに慣れ親しんでいらっしゃるので、そこにしっかりとマッチしたものになるよう落とし込みました。例えばティガーは、シチュエーションによって二人称がコロコロと変わるんです。日本語版アニメーションでもいろいろな表現をされているのですが、このミュージカルの中でのシチュエーションではどうするのが⾃然だろうかと考えて作っていきました。

ーーお二人から⾒た、脚本・演出を手掛けたクリエイターのジョナサン・ロックフェラー氏のすごさや魅力を教えてください。

小島:ジョナサン自身がウィットに富んだ方で、くまのプーさんらしいジョークが作品に散りばめられているんです。例えば、プーさんがちょっとした言い間違いをしたり、勘違いをしたり。「くまのプーさん」への愛と同時に、そういった遊び心も作品から感じられて、知的でユーモアのある人物という印象です。

岸本:演出面では、派手な演出というよりも、本当に些細なパペットの仕草といったディテールへのこだわりがさすがだなと感じています。

小島:そうなんですパペットを作ることにも長けた方で、彼のアーティスト部分も相まっ、この作品が成立しているのかなと感じています。

岸本:普通の舞台であれば、役者が自分をどう見せるかということに集中すればいいのですが、この作品ではどの角度から見ても、パペットに命が吹き込まれた状態をお見せしなくてはならないわけです。お客様にキャストが⾒えなくなるほど没入していただけるということは、その裏に彼の想像以上のパペット愛があってこそなのだろうと感じています。

ーーすでに多くの観客を魅了している作品ですが、これからご覧になる⽅、観劇を検討している⽅もいらっしゃるかと思います。ぜひお二人からメッセージを。

小島:例えばくまのプーさんとピグレットのやり取りが⾮常にリアルなので、もうプーさんとピグレットの会話にしか聞こえなくなってくるんです。繰り返しになりますが、本当に不思議とパペットだけが⾒えてくる、という体験ができる作品になっていますので、ぜひ劇場に体感しにきていただきたいです。

岸本:我々が大事にしているものは、生で生み出されるエネルギーです。スマホ一つで様々なエンターテインメントを手軽に楽しめる時代において、劇場に⾜を運ぶという⾏為はすごくカロリーがいることだと思います。ただ、その先で、生のエネルギーを持ったくまのプーさんや仲間たちが会話のキャッチボールをしているわけです。これを⾒逃すのは、とてももったいない。僕はぜひその場に立ち会って、経験していただきたいと強く願っています。今回のツアーに集まってくれたキャストも本当に素晴らしく、公演1回ごとに、この作品を届けようと全力を出し切っています。彼らのエネルギーもぜひ劇場で、⽣で受け取っていただけたら幸いです。

(C)DISNEY 撮影/鈴⽊健太

100エーカーの森にうっかり迷い込んで、プーさんたちが織りなす四季折々の冒険の⼀端を覗き⾒ることができる。そんな贅沢な経験を新作ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』で体験してみてはいかがだろうか。

<クリエイティブプロフィール>
岸本功喜
脚本家・演出家・振付家。
ミュージカル・コンサートなど、幅広いジャンルにおいて脚本、演出、振付を担当。
本作では⽇本版演出補を務める。

小島良太
翻訳家、作編曲家。
新作ミュージカルの作編曲や海外ミュージカルの⽇本語版翻訳・訳詞を担当。
本作では翻訳・訳詞を務める

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