犬の『鼻』が持つ驚きの機能4つ そんなことまでできるの?隠されている能力とは
犬の『鼻』が持つ驚きの機能
犬が優れた嗅覚を持つ動物だということは、広く知られていますよね。
しかし、においを強く感じ取るだけでなく細かく嗅ぎ分けたり、におい以外のものを感知したりすることも可能です。
犬の鼻が持つ素晴らしい能力について、紹介します。
1.体温調整をしている
鼻が持つ機能といえば、やはり嗅覚を思い浮かべる人がほとんどだと思います。しかし、犬の場合は「においを嗅ぐ」ということだけでなく、「体温を調節する」という役割も果たしています。
暑いときや運動後などに、口を大きく開いて「ハアハア」と荒い呼吸をしていることがありますよね。
「パンティング」と呼ばれるこの行動は、汗をほとんどかけない犬が、口の中の水分を蒸発させて気化熱によって体温を下げようとしているものです。
犬の鼻は基本的に濡れていますが、鼻の水分が蒸発させることでも体温が下がるため、パンティングと同様に体温調節に役立っていると考えられています。
また、鼻は毛で覆われておらず皮膚が露出しているため、寒いときには鼻先を布団や自分の尻尾などで隠して体温を維持しようとすることも分かっています。
2.相手の情報や感情を読み取る
犬同士のあいさつは、お互いのにおいを嗅ぎ合うことです。
特に、お尻にある肛門腺から出ている分泌液のにおいを嗅ぐことで、相手の性別や体調などを把握していると考えられています。それと同様の理由でほかの犬の排泄物のにおいを嗅ぐこともあります。
さらに、においによって相手の感情を読み取ることもできるとされていて、それは犬だけでなく飼い主さんが相手であっても可能だと考えられています。
ただし、人の感情を読み取るのは、においだけでなく表情や声のトーン、仕草など様々な要素から総合的に判断しています。そのひとつとして、緊張しているときの汗やストレスを感じているときの息などのにおいも嗅ぎ取っているようです。
3.人の病気や体調の変化に気がつく
犬の聴覚が優れていると言われるのは、わずかなにおいの違いも嗅ぎ分けられることやにおいと情報を結び付けて考えられることも理由のひとつです。
そんな犬の嗅覚は、警察犬として人の捜索にあたったり、空港などで爆発物や危険薬物を見つけ出したりと様々な場面で役立てられています。
さらに、においによって人間の病気を感知できる「糖尿病アラート犬」や「ガン探知犬」なども生まれています。また、ホルモンの影響から女性の妊娠に気がつく犬も多いとされています。
4.熱を感知する
近年の研究によって、犬は鼻で熱を感知できるという説が発表されました。
犬の鼻先は黒や茶色で毛がなく、湿っていてなめらかな状態になっています。ここは「鼻鏡」と呼ばれ、多くの神経が通っている繊細な部位です。
鼻鏡では多くのにおいの分子を集めることができるだけでなく、動物が発する体温程度の放射熱を感知できるとされています。
動物が視覚や聴覚を失ったり、感覚が衰えたりしても、狩りをしたり敵の存在を察知したりできるのは、熱を感じ取っているためではないかと考えられているのです。
まとめ
犬は嗅覚が非常に優れている動物で、私たち人間が会話によって得るような情報をにおいによって把握しているとされています。
犬の鼻は、犬同士はもちろん飼い主さんの情報や感情を読み取ったり、病気を発見して人の役に立ったりと驚くような素晴らしい役割を果たしているのです。
また、鼻の状態によって犬の体調の変化がわかる場合もあるので、飼い主さんもぜひ愛犬の鼻の状態を日常的にチェックしてあげるようにしてくださいね。