Yahoo! JAPAN

【倉敷市】【11/9(土)・11/10(日)開催】2024秋 児島フェス #せんいさい ~ 児島の繊維製品の技術力を体験する

倉敷とことこ

【11/9(土)・11/10(日)開催】2024秋 児島フェス #せんいさい ~ 児島の繊維製品の技術力を体験する

児島で恒例となっている「児島フェス #せんいさい」は、児島を代表するジーンズなどの衣料品が多く出展し、毎年多くの人が来場する人気イベントです。

児島のジーンズは品質の高さから、どうしても他のジーンズと比べると価格が高くなってしまい、購入には勇気がいるもの。しかし、「児島フェス#せんいさい(以後、「せんいさい」と記載)」では児島のジーンズがお手頃価格で手に入れることができます

担当者に、せんいさいの歴史や、今回のせんいさいの見どころなどを取材してきました。

「2024秋 児島フェス #せんいさい」とは

児島フェス #せんいさいのポスター

「2024秋 児島フェス #せんいさい」は、2024年11月9日(土)と11月10日(日)の二日間開催されます。

ボートレース児島駐車場で行われ、児島の繊維メーカーの出展だけでなく、ボートレースマルシェなどのボートレース児島との共催イベントも開催されます。

詳細は以下のチラシを見てください。

児島フェス#せんいさい2024秋のチラシ

児島商工会議所の末佐俊治すえさ としはる)さん、小松原達矢こまつばら たつや)さんに、せんいさいについて話を聞きました。

担当者インタビュー

──せんいさいが行われるようになった経緯を教えてください。

インタビューに答える末佐さん

末佐(敬称略)──

せんいさいが初めて行われたのは1955年。「児島繊維祭」として始まりました。実は約70年の歴史があるイベントです。

当時の主催は、児島商工会議所ではありませんでした。地域の人が主体となって行われていたんです。

当時は繊維というよりも、まちを盛り上げることが主眼に置かれていたイベントでした。

──児島商工会議所が主導するようになったのはいつごろでしょうか?

小松原(敬称略)──

その後、児島商工会議所が主導するようになったのは1974年です。児島の三市合併を経て、「せんい児島まつり」として開催されました。

商工会議所が主催するとなると、やはり会員さんあってのイベントになります。児島商工会議所の会員さんの多くは繊維産業です。

1974年当時、アパレル業界は「いかに在庫を持つか」が重要とされていました。しかし、どうしても在庫は余ってしまいます。在庫を安く売ることで繊維産業を知ってもらう形に変わっていきました。

その後も、名前や会場が変わったり、コロナ禍ではオンラインや分散型(会場ではなく、各店舗での開催)に変わったりしながら、現在の「児島フェス #せんいさい」に至ります。

──繊維産業を取り巻く状況も、以前とはかなり変わっているように思います。

末佐──

そうですね。以前はとにかく在庫をあるだけ出して、安く、たくさん買ってもらう形が活気を生んでいた部分もあります。

今は物流の変化もあり、少し価格が上がっても、品質が良いものをという流れに変わってきました。なかにはせんいさい限定の商品を出している出店者のかたがたもいらっしゃいます。

今年からポスターの右上にも「アパレル廃棄ゼロ!お得に高品質を手に入れよう!」という言葉も入ったんですよ。

春と秋のせんいさいの違い

──「児島フェス #せんいさい」は、毎年春と秋に開催されていますが、どのような違いがあるのでしょうか?

小松原──

まず、大きく異なっているのが会場ですね。
春開催は3つのエリアに分かれて開催しています。ステージイベントや児島商工会議所の会員さんの物販が中心の「児島駅周辺エリア」、グルメが中心の「三白市エリア」、THE DENiMというイベントが開催される「ジーンズストリートエリア」の三か所です。

一方、秋開催はボートレース児島で開催します。こちらは春開催よりも物販、飲食ともにボリュームが多く、テント数が多いのが特徴です。

また、秋開催では児島瑜伽太鼓(こじまゆがだいこ)など、地域の伝統文化に焦点を当てたステージがあるのも特徴です。

児島の繊維産業の技術力を体験するJAPAN DENIM DAYS

末佐──

同時開催されるイベントも、春開催と秋開催で大きく異なる点の一つです。

春開催は、プレミアムジーンズなど、高価格帯かつ高品質なジーンズの物販イベント「THE DENiM」が開催されます。もともと「Lightning 稲妻デニムフェス児島」として開催されていたイベントがリニューアルし、2023年春から開催されています。

秋開催では、児島の繊維産業の技術力や品質の高さを体験できるイベント「JAPAN DENIM DAYS」が開催されます。

10/26を「デ(10)ニム(26)の日」として児島ジーンズストリート推進協議会が制定していることにちなみ、2024年は秋の「児島フェス #せんいさい」と同日開催となりました。

児島ジーンズのようなブランドのジーンズを見たときに、「どうしてこのジーンズが何万円もするんだろう?」「何でこんなに高いジーンズが売れるんだろう?」と思ったことありませんか?

──児島ジーンズが良いものであることは言葉としてはわかっていても、具体的な良さを説明して、といわれたら少し悩んでしまいますね。

小松原──

ですよね。
JAPAN DENIM DAYS」では、実際にジーンズ職人さんがジーンズを縫ったり、加工したりするようすをその場で見られます。また、来場者のかたもジーンズの加工ワークショップで体験できます。

実際にやってみると、やっぱり職人さんのようにうまく加工することはできないんですよね。体験することを通じて、職人さんの技術の高さやジーンズの品質の高さを実感してもらうことが目的です。

ボートレース児島でのせんいさいは、よりお買い求め安さを重視しているのに対して、JAPAN DENIM DAYSは価格が上がっても品質の良さを感じることを重視しています。

せんいさいの魅力―作り手と消費者の距離を近くに

インタビューに答える小松原さん

──せんいさいの魅力はどのようなところにあると思いますか?

末佐──

繊維産業の生産者と消費者の距離が縮まるところですかね。せんいさいで繊維製品が売られるようになるまでは、児島は繊維を「販売する場所」というよりは、「作る場所」だったんです。

このような経緯もあって、作り手はお客様の声を直接聞く機会がなかったんですよね。なぜこの商品が売れて、なぜあの商品は売れないのか。どういったところを気に入って、お客様が商品を買ってくれているのかが見えにくい部分がありました。

せんいさいでは、商品を買うお客様と直接やりとりができます。生産者と消費者の距離を近くする役割がせんいさいにはあると思っています。

──実際の作り手のかたがたは、どのようにおっしゃっていますか?

小松原──

作り手のかたがたも、作ったものがこうやって売れるんだと実感できると、良い反響をいただいています。

新しく創業されたかたが、テストマーケティングの場としておためし出店をされることもありますよ。

──今の児島を支える繊維産業の作り手がせんいさいを作っているだけでなく、せんいさいからも新たな繊維産業が生まれていくんですね。

末佐──

はい。児島の繊維産業にも新しい風が入ってきています。児島産業振興センターデザイナーズインキュベーションに入られたかたが出展して、ジーンズストリートに進出するという例もあるんですよ。

新たな流れを入れながら、せんいさいも新たなせんいさいになっていっているのだと思います。

せんいさいの見どころは?ぜひせんい児島メーカー通りへ

──盛りだくさんのせんいさいのなかで、見どころを教えてください。

せんい児島メーカー通りの魅力を語る末佐さん

末佐──

「児島に来たからには、児島のものを買いたい」かたは、ぜひ「せんい児島メーカー通り」にお越しください。

ここでは、ジーンズはもちろんのこと、畳縁(たたみべり)、学生服などの児島の繊維製品がたくさん取りそろえられています。

畳縁、学生服など、全国シェアを大きく占めているものばかりなんですよ。

──そういった商品たちをせんいさいでは一度に見られるんですね。

小松原──

はい。いつもよりもお安く手に入れられるので、ぜひこの機会に児島の繊維に触れてほしいです。

「いいものは、いい価格帯で」目指すは児島の繊維産業の底上げ

──今後の目標を教えてください。

末佐──

衣料が安く手に入る今の時代だからこそ、日本人の気質、つつましさ、きめ細やかさ、繊細さが詰め込まれた児島の繊維産業の良さを伝えていくべきだと思っています。

せんいさいでは、良いものは良い価格帯でという考え方を届けることで、繊維産業を守り、発展させていきたいですね。

もっと日本一の繊維産地である児島を盛り上げたいです。

せんいさいについて話す小松原さん(左)と末佐さん(右)

──せんいさいに来場するかたがたにメッセージをお願いいたします。

末佐・小松原──

11月9日・10日は、児島に大集合!

有料ですがJR児島駅から会場をつなぐシャトルバスも運行しますので、ぜひ公共交通機関を使ってお越しください

おわりに

Gパンだと一緒に写る小松原さんと末佐さん

これまで筆者、せんいさいに対して「児島の繊維製品が安く手に入るイベント」のイメージが強くありました。

しかし、末佐さん、小松原さんのお話を聞くと、ただいつもよりもお手軽に繊維製品に触れられるだけでなく、その体験を通して児島の繊維製品の質の良さや、繊維職人さんの技術力に触れてほしいという思いが強く伝わってきました。

ぜひこの機会に、せんいさいを訪れ、児島の繊維製品と出会ってみませんか。

【関連記事】

おすすめの記事