南区補選 国民民主党新人・熊本千尋氏が初当選 野党4党の混戦制す
南区の横浜市会議員補欠選挙が2月9日に投開票され、国民民主党の新人で介護士の熊本千尋氏(30)が1万5250票を獲得し初当選した。政権与党の候補者が不在の中、野党4党が激突。昨年の衆院選で勢力を拡大した国民民主党が存在感を見せつけた。投票率は23・80%。
今回の補欠選挙は昨年12月、遊佐大輔氏(自民)が辞職したことに伴うもの。熊本氏のほか、共産党元職の荒木由美子氏(65)、立憲民主党新人の佐藤啓治氏(42)、日本維新の会新人の小西大貴氏(31)が立候補した。遊佐氏の突然の辞職に批判が多かったこともあり、自民党は候補者を擁立しなかった。
熊本氏は元東京メトロ職員で、車掌や運転手を務めた経験から、指をさして「出発進行」と言うのが決め台詞。期間中は玉木雄一郎衆議院や榛葉賀津也幹事長らが応援に駆け付け、党関係者が「国政選挙並み」と評するほどの布陣で挑んだ。熊本氏は当確の報を受け、「ここが終点ではない。この後すぐに発車準備をして、皆さんの声や思いを市会に運んでいく」と挨拶した。
国民民主党の市会会派・「民主フォーラム」は、5人となり交渉会派に。市会での代表質問権が得られるなど、発信の場面が増える。同党神奈川県連代表で民主フォーラム団長の小粥康弘市議は「非常に意義のある議席」と評価した。
翌日から始動
投開票日の翌10日は南区役所で南区選挙管理委員会から当選証書が付与された。熊本氏は「南区の皆さんの信頼をいただいて議席を預かることになった。市民の声を聞き、それを自分事と捉えて、議員として客観的に判断し、皆さまに寄り添った誠実な政治ができればと思う」と抱負を話した。