慢性的な「肩こり」や「頭痛」は眼精疲労が原因かも? 今すぐできる対策3選
肩こりや頭痛が慢性化して、我慢するのが当たり前になってしまっている人も多いのではないでしょうか。慢性的な肩こりや頭痛は、眼精疲労が原因かもしれません。
この記事では、肩こりや頭痛と眼精疲労の関係や、眼精疲労の原因と対策方法をあんしん漢方の薬剤師がご紹介します。
原因不明の肩こりや頭痛も、眼精疲労が原因かも?
肩こりや頭痛が慢性化する原因のひとつに、眼精疲労があります。
眼精疲労とは、目やからだを休めても、目の症状や全身の症状が回復することなく慢性化した状態のことです。
一般的な疲れ目の場合は、目やからだを休めれば回復するため、眼精疲労とは別物と考えられます。
眼精疲労であらわれる症状には以下のようなものがあります。
目の症状
・痛み
・かすみ
・乾燥
・充血
からだの症状
・頭痛
・肩こり
・めまい
・疲れやすい
・吐き気
目の中には毛様体筋(もうようたいきん)と呼ばれる筋肉があり、毛様体筋の収縮によって、自動でピントを合わせています。
この毛様体筋は自律神経によって制御されており、目を使い過ぎて毛様体筋が疲れると、自律神経のバランスが崩れ、さまざまな症状を引き起こしてしまうのです。
眼精疲労を引き起こす原因は?
眼精疲労の原因は、パソコンやスマートフォンの使い過ぎだけではありません。
以下のような原因があります。
・パソコンやスマートフォンの長時間利用
・部屋の照明
・長時間の読書
・エアコンによる乾燥
・ストレス
・睡眠不足
・神経症
・自律神経失調症
・目の不調や疾患(近視、老眼、白内障・緑内障など)
明るすぎる、または暗すぎる照明は、目に負担をかけることがあります。間接照明や蛍光灯の下での長時間の作業は、目の疲れを感じやすくなるため注意しましょう。
また、ストレスや睡眠不足は、自律神経を乱す原因となります。その結果、眼精疲労の症状が悪化することがあります。
眼精疲労に効く方法を紹介
ここからは、眼精疲労対策におすすめの方法を3つご紹介します。すぐに始められるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
1. ツボ押し
眼精疲労対策には、ツボ押しがおすすめです。目の周りにある2つのツボをご紹介します。
睛明(せいめい)
目頭と鼻の付け根の間のくぼみにあります。視力を回復させ、目のかすみを改善する効果が期待されています。
太陽(たいよう)
眉尻と目尻を結んだ線の、真ん中から少し外側に寄ったところにある、こめかみのくぼみにあります。頭痛やめまい、目の充血などへの効果が期待されています。
ツボを押すときには、力を入れ過ぎないよう注意しましょう。指のはらで5~10秒間押し、5秒間緩める動きを3回程度行うのがおすすめです。
2. 目にいい食品を摂る
アントシアニンやルテイン、DHAなど、目にいい食品を積極的に摂取しましょう。
・アントシアニン
光を感じるロドブシンという物質の再合成を促す働きにより、眼精疲労を軽減する効果が期待されています。ブルーベリーの皮に多く含まれています。
・ルテイン
目の網膜に多く存在し、強い抗酸化作用によって目のダメージを防ぐ効果が期待されています。ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜に多く含まれています。
・DHA
ドライアイや疲れ眼の改善、視力改善に効果があるといわれています。イワシやさばなどの青魚やマグロなどに多く含まれています。
眼精疲労が気になる場合には、日頃からこれらを意識してバランスのいい食事を心掛けましょう。
3. 目の体操
眼精疲労には、目の体操もおすすめです。スマホやパソコンを使ったあと、夜寝る前などに行うと、目の周りの筋肉や毛様体筋をほぐすことができます。
以下のように動かしてみましょう。
・目を左右上下に動かす
・目をぐるぐる回す
・目を強くつぶる
気持ちいいと感じる程度に行い、やり過ぎには注意してください。
眼精疲労には漢方薬もおすすめ
眼精疲労の対策には、漢方薬もおすすめです。漢方薬は、西洋薬より副作用リスクが少ないといわれており、実際に自然由来の治療薬として病院でも処方されています。
眼精疲労の対策には、「目に栄養を与える」「目の炎症を抑え、うるおいを与える」といった作用のある漢方薬を選びましょう。
漢方薬は症状を和らげるだけでなく体質改善も得意としているため、不調になりにくいからだづくりへのアプローチもしてくれます。
<眼精疲労の対策におすすめの漢方薬>
・杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
目に栄養を与えることで、疲れ目、かすみ目などにアプローチします。目の使い過ぎによるドライアイ、眼精疲労のある方に向いています。
・滋腎明目湯(じじんめいもくとう)
目の炎症を抑え、うるおいを与えることで過労による眼精疲労、かすみ目、目の痛みの改善が期待されます。
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眼精疲労は、頭痛や肩こりなどからだの不調を引き起こします。
眼精疲労を防ぐには、パソコンやスマートフォンを使い過ぎないよう注意したり、部屋の環境を改善したりなどをして、目の負担を減らすことが重要です。
ツボ押しや目の体操などの対策法を取り入れて、眼精疲労を予防し元気に過ごしましょう!
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
(ハピママ*/あんしん漢方)