親子愛、兄弟愛、熱い友情に号泣不可避……! 『ONE PIECE』グッときた“再会シーン”5選。ロビンとサウロ、ボニーとくまetc.
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
数えきれないほど心をふるわす場面に出逢うことができる本作ですが、中でも“再会”を描くシーンの感動は格別。
そこで本コラムでは、『ONE PIECE』きってのグッとくる再会シーンを5つご紹介します。
ロビンとサウロ
幼いニコ・ロビンを命懸けでバスターコールから守り、火の海と化すオハラから逃したサウロはロビンにとって命の恩人。
全身氷漬けにされてしまったうえ、『ONE PIECE』公式ファンブック「VIVRECARD(ビブルカード)」には“享年”の表記があり死亡確定キャラとして扱われてきたサウロですが、なんとエッグヘッド編で生存が判明します。
サウロの生存を聞き嬉し涙するロビンの姿に読者も今か今かと二人の再会を待つなか、ついにエルバフ編でその時がやってきました。
自分だと気付いてもらえるように子どものころと同じ髪型にして会う準備を整えるロビンの健気さと、出会った日と同じ状況を作り出すべく突如倒れこむ不器用なサウロがいじらしく、エニエス・ロビー編のエピソードを知っていればこそ、心を揺さぶられずにはいられません。
これまで生きたことを褒めてほしいと素直に伝えるロビンと、それを涙ながらに様子を見守る仲間たち、船長として仲間が世話になったと挨拶をするルフィ……何もかもが涙を誘う尊い数ページは、コミックス第111巻の発売に際し最も話題になった場面でもあります。『ONE PIECE』の新たな感動シーンとして、今後も多くのファンに愛され語り継がれることでしょう。
ボニーとくま
エッグヘッド編で衝撃を与えたバーソロミュー・くまとジュエリー・ボニーの親子関係。ボニー出生の秘密はさることながら、くまの壮絶な生い立ちに降り注いだひと筋の光のようなボニーとの愛にあふれたくらしを描くエピソードは、多くの読者の心を打ちました。
しかし、ボニーは「青玉鱗(せいぎょくりん)」という病気を患っており、10歳の誕生日を迎えられず死んでしまうと診断されてしまいます。くまはそんな娘を救うため、すべての「思考」と「自我」を失った人間兵器に改造されることを「ありがとう ボニーの病気が治るならおれはどんな運命でも受け入れる……!!!」と嬉し涙で承諾します。ベガパンクいわく、それは実質的な「死」と変わりないことでありながら……。
ボニーはエッグヘッドでくまの記憶に触れることでそんな真実を知り、くまを自我のない人間兵器に改造せよと残虐な条件を提示した張本人であるサターン聖に挑みますが、逆に生きる意欲を失くすまで追い詰められてしまいます。
絶望的な状況のなか、自我を失い世界政府に従順な戦闘兵器と化したはずのくまが「本能の欠片」を頼りに娘の危機を察知し、エッグヘッドへ上陸。身を挺してボニーをサターン聖から守るのでした。
叶わないはずの再会を思いがけず果たすことができた父と娘。改造され自我を失った身体から悲しい機械音を鳴らしながらも、ぎゅっとボニーを抱きしめるくま。そして、どんな姿になろうともかけがえのない“お父さん”に「みんなが“暴君”なんて呼んでも…お父さんが誰よりも優しくて 誰よりもかっこいい人だった事……!! あたしが忘れないからね!!!」と伝えるボニー。今持てるすべてで愛を伝え合う二人の姿には号泣不可避。親から子へ、子から親への愛が詰まったシーンです。
ルフィとサボ
ルフィの兄・エース亡き後に描かれた過去編で判明した、もう一人の兄・サボの存在。幼い頃、ルフィ、エース、サボいつかそれぞれ海に出ることを誓い、「兄弟の盃」を交わし絆を深めました。
サボは貴族の生まれでありながら、権力を持たない人々をまるでゴミのように扱う下劣な特権階級の在り方を嫌い、そんな環境から抜け出すためひと足先に一人で出航します。しかし、運悪く出航後すぐに天竜人の船と行き合い、船を沈められてしまうのでした。
この一件でサボは亡くなったとされ、ルフィとエースはサボのぶんも“くい”のないよう、思いのままに生きようと約束。ルフィはサボの存在を心にしまっていたためか、海賊になってからもあえて仲間たちに語ったりすることもありませんでした。
時は流れドレスローザ編。コリーダコロシアムでルフィを昔から知るという人物が現れ、サボと名乗ります。
あまりの驚きに目ん玉の飛び出た“エネル顔”を披露したり、ひっくり返ったり、サボに抱きついたり、かと思いきや「ウソだ!!!」と疑ってみせるルフィでしたが、兄弟間でしか知り得ない話を出されサボ本人だと確信。もう一人の兄の思いがけない生存とまさかの再会に声をあげて大号泣するのでした。
頂上戦争でエースを救うために奔走したルフィの想いを汲み、「生きててくれて嬉しい!!!」「おれは何もできず2人の兄弟を失う所だった…!!!」と気丈に声をかけるサボと、子供のように泣きじゃくるルフィの姿はまさに兄と弟そのもの。
エースを失い自暴自棄に陥った後、仲間の存在を支えに再起したとはいえ、目の前で大切な兄の死を見届けることになったルフィの心の傷は計り知れません。張り詰めた糸が切れたように、“海賊団の船長”の顔から“弟”の顔に戻る様子は読者の涙を誘います。サボの生存と再会の喜びはもちろん、そんなルフィの心の動きにもグッとくること必至です。
もちろん、ルフィとサボがコリーダコロシアムで再会したのはそれぞれがエースの形見である「メラメラの実」を手に入れようと考えていたため。長年離れて過ごしていたにも関わらず、それぞれ兄弟を想う気持ちに変わりはなかったことが窺い知れる胸熱シーンなんです。
ルフィとコビー
海賊として海へ出たルフィが一番最初に出会ったのは、海軍入隊を志しながらもひょんなことからアルビダの海賊船で働くことを余儀なくされている少年・コビーでした。
海賊王という大それた夢を当たり前のように口に出し、その夢のためなら死んだっていいと本気で思っているほどに肝を据えて海賊になったルフィにとって、アルビダを恐れるあまりその支配下にある現状から逃げることもままならないコビーは臆病で弱虫で「おれ お前キライだなー」と感じる対照的な存在でした。
一方コビーはそんなルフィの意志の強さや自由さ、大胆なまでの行動力に魅せられ、初めてアルビダに反抗し自由の身となり、その後海軍への入隊許可を得て夢への一歩を踏み出すのでした。
海軍に身を置きガープに師事したコビーは訓練を積み、顔つきは見違えるほど精悍に、身体もたくましくなってウォーターセブンでルフィと再会を果たします。あまりの成長ぶりにルフィも最初は誰だか気付けなかったほどですが、思い出話に花を咲かせる楽しそうな様子には思わずこちらまでほっこり。
そして、コビーは「海軍大将になる」という大きな夢を勇気を出して憧れのルフィの前で宣言。するとルフィは「おれと戦うんだろ? だったらそんくらいなれよ!!当然だ!!!」と応えるのでした。海賊と海軍、立場は違えどそれぞれの信念を突き進んでいる二人が友情を確かめ合う様子に胸を熱くせずにはいられません。
次に真正面から再会するときは今度こそ敵どうしかもしれませんが、二人の友情は不滅だと確信させてくれる素敵なシーンです。
サンジとレイジュ
船上コック見習いとして働いていた幼い頃、その船がゼフ率いる海賊船に襲われたうえ嵐に見舞われ難破し遭難。飢えに苦しみながらもゼフからもらった食糧で命をつなぎ、85日にも渡る過酷な日々を生き延びるという壮絶な過去を持つサンジ。
さらに時を遡り、その出生はジェルマ王国のヴィンスモーク家に生まれた四つ子の王子のひとりであることがホールケーキアイランド編で明らかになります。
四つ子はジャッジの思惑により飛び抜けた身体能力を持つと同時に、感情のない冷酷な戦士として改造されこの世に誕生しますが、サンジだけは優しい心を持ったまま成長していきます。そのせいでサンジは“失敗作”としてジャッジや兄弟から虐待同然の扱いを受け、上記の遭難生活すら可愛く思えてくるほどに辛い幼少期を過ごしました。
そんななか、身体は改造されているものの感情が残っている四つ子の姉・レイジュは虐げられるサンジを見かねて「いい!?二度とここへ戻っちゃダメよ!!!」「海は広い…いつか 必ず優しい人達に会えるから!!!」と地獄のような家庭環境から逃す手助けをするのでした。
しかし、仲間や恩人・ゼフの命を人質にとられたサンジはビッグ・マムの娘・プリンとの政略結婚を受けるべく、ヴィンスモーク家へ戻ることを決意。
サンジと再会した当初のレイジュは「なぜ戻ったの?」「二度目はないわ」といたってクールでしたが、母・ソラの死の真相を知り心を痛めるサンジに「あなたが失敗作な筈がない」「母さんの命懸けの抵抗で守られた “感情”を持って生まれて来た子(中略)だからあなたは 誰よりも優しいのよ!!!」と諭したり、「ジェルマを捨てて逃げなさい サンジ!!」とビッグ・マムの手から逃がすべく子供の頃と同じようにサンジをこっそりサポートするのでした。
一方のサンジも、その優しさゆえヴィンスモーク家を見捨てることはできず、レイジュたちを助けようと仲間と共に動きます。そんなサンジに、レイジュは「あなたの優しさを見くびってた ──こんな私達を置いて逃げる事もしないのね…!!!「ありがとう サンジ」と感謝。さらに、サンジが見つけた麦わらの一味という居場所を「あんな素敵な奴ら もう一生出会えないわよ!!!」と肯定し、激励する場面も。
複雑な家族関係の元にある姉弟ですが、束の間の再会に何度も飛び出すレイジュの姉心と愛情、サンジらしい優しさが滲み出るやりとりに胸を打たれること必至です。
親子愛、兄弟愛、友情、それぞれ熱いエピソードと共に繰り広げられる『ONE PIECE』の再会シーンはどれも涙を誘うものばかり。あなたの好きなシーンはありましたか? 物語の終結に向けて、今後描かれるであろう再会シーンにも期待が膨らみますね。
[文/まりも]