ゲームメイク能力、アシスト、3ポイント、鋭いドライブからのフローター! 名古屋Dの絶対的司令塔・齋藤拓実!〈Bリーグスター選手ガイド⑲〉【バスケ/Bリーグ】
Bリーグスターガイド⑲ 齋藤拓実
開幕9シーズン目を迎えた国内プロバスケットボール・Bリーグ。今やその人気はプロ野球やJリーグといった“メジャースポーツ”にも引けを取らないレベルまで到達し、強豪クラブのチケットは入手困難になるほど。パリ五輪での日本代表の活躍、河村勇輝選手のNBA挑戦など、日本でも“バスケ熱”が高まっている中、『ラブすぽ』ではBリーグでプレーするスター選手をご紹介!
齋藤拓実
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
背番号:1
河村勇輝選手や富樫勇樹選手など、小柄ながらワールドクラスのスキルを持つポイントガードを多く擁する日本バスケ界。そんな「日本らしいポイントガード」の系譜を受け継ぎ、Bリーグで活躍を続けているのが名古屋Dの絶対的司令塔・齋藤拓実選手です。
身長は171センチと日本人の平均と比べてもやや低め。2メートル前後の大柄な選手がほとんどのBリーグにおいてはかなり小柄な部類に入る齋藤選手ですが、ゲームメイク能力、アシスト、3ポイント、鋭いドライブからのフローターなど、ポイントガードに必要な能力を高いレベルでバランス良く保持しています。
神奈川県出身の齋藤選手は幼少期よりバスケに触れ、中学時代にはジュニアオールスターの神奈川代表にも選出。桐光学園では2年時にウインターカップ、2、3年時に2年連続でインターハイにも出場しています。
高校卒業後は明治大学に進学し、4年時のインカレではMIP(Most Improved Player=もっとも成長した選手)にも輝いています。大学在学中の2017年11月にアルバルク東京に特別指定選手として加入し、Bリーグデビュー。卒業後もA東京には2018‐19シーズンまで在籍し、2020‐21シーズンに移籍した滋賀レイクスで一気に本格化。同シーズンは41試合に出場し、1試合平均13.0得点、5.4アシストをマークして一躍Bリーグを代表するポイントガードへと成長を遂げました。
翌2020‐21シーズンからは現在も所属する名古屋Dに移籍を果たし、毎シーズンコンスタントに2ケタ得点をマーク。平均アシスト数もつねにリーグ上位争いを演じながら、2021‐22シーズンからは3年連続でチームをチャンピオンシップ(CS)へと導いています。
迎えた今シーズンも、斎藤選手は絶好調。開幕からスターター出場を続けながら、2月14日時点でリーグトップの平均6.8アシスト、持ち前の得点力でも平均14.1得点とチームを牽引。オールスターにもリーグ推薦で2年連続三度目の出場を果たしています。
また、日本代表には2021年11月に開催されたFIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選で初選出、初出場をマーク。日本代表のポイントガードは前述の河村、富樫両選手の存在もあり層も分厚く、「代表定着」への道は険しいモノですが、現在29歳とバスケ選手としては完全に脂の乗り切った時期でもあり、今後もリーグで安定した活躍を見せればその道も見えてくるはず。
今シーズンの名古屋Dは激戦区でもあるB1中地区でやや苦戦を強いられていますが、齋藤選手の活躍次第ではまだまだCSは射程圏内。4シーズン連続のCS進出と、その先にあるクラブ史上初のBリーグ王者へ――。日本バスケ界屈指のポイントガード・齋藤拓実選手の活躍に、ぜひ注目してみてください。
文・花田雪