植物育成において大切なライトとは?照度(ルクス)やPPFDに関して解説【LED LIGHT 室内栽培基本BOOK】
植物とライトの距離が重要 照度(ルクス)とPPFD
栽培環境の光量を知るための指標
植物は種類によって、必要な光量が異なります。そこで重要になってくるのが、栽培環境において光がどれくらいの強さであるのかを把握するということ。ここで重要になってくるのが、PPFD(光合成有効光量子束密度)という指標です。PPFDは、植物が光合成に利用できる光の量を示すものです。
具体的には、植物が特定の時間内に受け取る光子の量を測定し、単位は「μ mol/m2/s」で表されます。一方、光の明るさを測る指標に照度(ルクス/単位は「lx」「lux」)があります。照度は単位面積あたりの光の量を表し、人間の視覚に基づいて測定されます。
どちらも光源から近いほど数値が高く、遠いほど低くなりますが、植物栽培においては、光合成のための数値としてより正確なPPFD が照度より重視されます。
下の図は、LEDライト(BRIM/ COSMO 22W の場合)のPPFD と照度の数値が距離によってどのくらい変化するかを表している。(資料提供/BRIM)
こちらの図は、ライトから 40㎝の距離において、中心から周辺にかけて、どれだけ PPFD の数値が変わってくるのかを表している。(資料提供/ BRIM)
BASIC KNOWLEDGE 1 スポットライトの光が及ぶ範囲
ライトの照射範囲は、光源の特性や明るさ、取り付ける高さや角度などで決まってきます。スポットライトタイプは、中心に光を集める設計のため、ある程度遠くても植物に最適な光を与えることができるメリットがありますが、その分照射範囲は狭く、距離が近すぎると、光が強すぎて葉焼けしてしまうなどの問題が起こる可能性があります。
BASIC KNOWLEDGE 2 パネルライトの光が及ぶ範囲
植物育成ライトで、スポットライトと同様に定番のパネルライト。こちらは近距離からでも照射範囲が広く、小さい植物であれば複数育成することができたり、大きな植物でも満遍なく光を届けられることが特徴です。スポットタイプとパネルタイプ、いずれの場合でも、植物全体に満遍なく光が当たることが、植物育成においては重要です。
BASIC KNOWLEDGE 3 照度計で照度を測る
光量を測る指標として PPFD と照度があり、前者の方がより重要であると前述しました。しかし、PPFD を計測する機器は高額であるため、気軽に導入できるものではありません。その点、照度を測るための照度計は安価で購入できます。栽培環境において光の強さを知るために、まずは照度計を使ってみることをおすすめします。
【出典】『LED LIGHT 室内栽培基本BOOK』著:日本文芸社(編集)